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被災地生存者の心の傷―聖霊の癒し待たれる日々

2011年5月6日16時57分
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(被災地に置かれた聖句ボード。写真提供:国際飢餓対策機構)+
 東日本大震災から2カ月が経過しようとしており、被災地で生き残り、家族や友人・知り合いと死に分かれた人々の中に、深い心の傷が残るようになっている。

 国際飢餓対策機構スタッフの小島亮子さんによると、被災地では多くの人が内面的な苦しみの中にあるという。ある被災者の女性は「私は助かったけど、あの人は助けられなかった。もっと手を伸ばしたら助けられたかもしれない。自分は助かって良かったのか、自分はこれで良かったのか、わからない」と自責しているという。

 被災地での支援活動を通して、被災地で心に深い傷を抱えた人々に仕え、必要を満たし、話を聞く活動を通じて、被災者の人々にキリストの愛、キリストの光が伝わることが全国各地の諸教会で祈られている。オーストラリアに留学している小島さんの友人は、オーストラリアの教会員が日本のために多額の献金をささげてくれたことを伝えた。ひとりで15万円以上の献金をささげた人もいるという。

 国内のみならず、世界中から続々と届けられる支援を通して小島さんは、「ひとりでは本当に無力だけど、日本中の人が、世界中の人が東北を応援してくれている。口先だけではなく、実際にお金や時間や体力を犠牲にして、行いをもって日本を力いっぱい愛してくれている。きっとこの愛は、東北の方の外面的な苦しみだけでなく、内面的な苦しみや悲しみも癒していくことだろう。みんなのぬくもりが合わされば大きな祈りになり、きっとその愛は東北の方々の心をも動かすだろう」と確信したという。

 各教派・団体の救援体制をお互いより迅速・適切に展開していくためのネットワーク機関として立ち上げられた「仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(愛称:東北ヘルプ)」では、仙台市若林区のサンピア仙台の避難所にパソコンとインターネット提供の支援が得られたことを発表した。支援はキリスト教ネットワークのみならず、外部の様々な団体の協力がなされている。サンピア仙台のパソコンは国際飢餓対策機構およびパナソニックから提供されたという。

 被災地へ1年間無償提供され、オフィスソフトも完備されており、すぐに仕事ができる状態で届けられた。さらにパソコンを開けると、提供者のパナソニック社員の人たちからのあたたかいメッセージが書かれてあったという。被災地支援を通して思いがけないネットワークによる愛が伝わり、「みんなのぬくもりが合わさって大きな祈りになる」動きが生じている一端が垣間見られる。

 国際飢餓対策機構では、4日に東松島市東名(とうな)周辺地区で続けられていた泥出し作業を約50名のボランティアとともに行った。東京キリスト教学園(TCU)の学生をはじめ多数のボランティアが現地での泥出し作業を継続的に行っている。

 4日が泥出し作業の最終日となった東名地区被災者の家屋では、昼休みに被災者のひとりが2階から自身のバンドで弾いているエレキギターを持ちだしてビートルズの「LET IT BE」を歌い出し、ボランティアの人々にも一緒に歌ってほしいと申し出たという。その後一同でビートルズの大合唱となったという。

 「喜ぶ者と一緒に喜び、泣く者と一緒に泣きなさい(ローマ12・15)」―被災地で置かれた余りにも厳しい現実を前に、被災者の人々がボランティアの人々とともに大変な作業を終えた喜びの気持ちを分かち合いたい、被災者と支援者が愛によってひとつになって復興のために動き出したいと「共感」を求める切実な思いが感じられる。

 5日には仙台富沢キリスト教会阿部頌栄牧師が国際飢餓対策機構の被災地支援活動のお礼に音楽ミニコンサートの開始を発表、仙台在住のクラリネット奏者尾前徹哉さん、加茂衣織さんの演奏が行われたという。加茂さんは「子どもたちへの演奏指導をする中で、人同士の関係の薄さを感じていましたが、心が通い合うことの大切さを改めて知りました。人ってやっぱり、まだ温かいんだ、ちゃんと助け合えるんだということを実感させていただいています」と述べている。

 支援活動を通じて、支援を受ける側が恵みを受けるだけではなく、支援をする側も相手の受けた恵みや感謝の応答によって深い恵みを受けている。人間関係が希薄になり、教会同士のつながりも懸念されていた現代社会において、被災地支援を通して様々な人々の「ぬくもり」が合わさり、互いに共感することの恵みが着実に広まっている。被災地でなされる真心からの愛・共感に基づく支援活動を通して、これからペンテコステ(聖霊降臨祭)に向けて多くの傷ついた心を持つ人々に聖霊の癒しがなされることが願われている。

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