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じゅうじかによって敵意を

2003年8月8日08時08分
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実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、じゅうじかを通して、両者を一つの体として神と和解させ、じゅうじかによって敵意を滅ぼされました。【エペソ2章14-16節】

じゅうじかによって敵意を

在日大韓基督教会ならではの全く同じような出来事が大阪と京都の教会で起った。私の子供は通名(日本名)はなく、本名(民族名)だけをもっており、読み方も韓国式である。

ある日曜日の朝、教会学校で礼拝を始めようとしていると、A君が入ってきて、先に来て一番前に座っている息子に、「おまえ韓国人やろ、名前で分かるわ。おれは日本人や、そこどけ」と言った。それを聞いていたBさんが「私のお父さんは韓国人やけど、お母さんは日本人やわ」、Cさんも「私はお父さんが日本の韓国人で、お母さんは韓国の韓国人や」、そして、ほかの子も口々に自分の親の国籍のことを言い出し、一番小さいDちゃんまでが「先生、私は何人」と聞いてきて、みんなすっかり混乱してしまった。すると中学生のE君が「おれは右半分が日本人で左半分が韓国人じゃ。おいA、お前韓国人嫌いなんか」と言うと、A君は「おれのおばあちゃんばかにする気か、おれのおばあちゃんは韓国人や」と言った。A君は父親が日本人、母親が韓国人で、おばあちゃんとは母方の祖母のことであった。

その時、ある教師が「神さまは韓国人も日本人も同じように造ってくださり愛して下さっているのですよ」と言うと、「僕は日本人も韓国人も両方とも好きや」と、「おれも両方好きじゃ」とA君が言い、みんなも「私も両方とも好き」「僕も好き」と言い出した。するとA君が教師に向かって、「先生何してるの、早く礼拝始めような。僕ここでいいよ」と言い、息子の隣に座った。

普通では出来ない本音でのぶつかりあいだが、キリストによって導き出された子どもたちの愛の結論である。こういうことを隠すことなく出し合い、ぶつかり合いながら克服していく、これが在日大韓基督教会の存在理由と使命の一つであると思う。

朴寿吉(在日大韓基督教会 総幹事)
ぱく・すきる=1956年韓国ソウル市生まれ。延世大学校卒、
関西学院大学大学院卒、アジア神学大学院卒。神学修士、
牧会学博士。
1984年4月に来日し、在日大韓基督教会の大阪教会、布施教会
、京都教会で牧師として牧会をしながら、2001年10月の第46
回期定期総会で総幹事に選出され、現在、在日大韓基督教会の
総幹事。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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