このたびの震災にて被害を受けられました皆様に、心からの同情と挨拶を送ります。キリストの平安と慰めとが豊かにありますように。
日本にとって、今回の震災は国難ともいえるほどの災害です。被災された方々は、いまなお多大な犠牲を強いられています。
いまこのとき、私たちは何をなすべきでしょうか。政治、経済、文化、さらに宗教界においても、日本はここ10年、行き詰まっておりました。今回の大きな犠牲を無駄にしないためにも、また現状の閉塞感を破るためにも、よくよく考えるべきときです。
私が不思議に思いますのは、こうした国難といえるほどの災害の中にある日本の国民に向かって、キリスト教界からの発信がないことです。また他の宗教からもありません。クリスチャンがただ自分たちのうちだけに主の恵みを留めているのは、誠に残念に思います。むしろ、主にある確かな希望は、被災された方々、この災害と闘っている方々、また世間から忘れ去られた方々にこそ必要であると考えます。
こうしたときに、日本のキリスト教界を代表する方々が一つになって、日本に希望を与えるメッセージを発信すべきだと考えます。今回の震災の再建には、3年、5年、10年、あるいは15年の歳月が必要です。国家に確かな再建戦略が必要です。
今回、多くの方々が心の傷を受けました。この傷は、生涯のトラウマになる恐れもありますし、それが原因で精神障害を起こす可能性も高いでしょう。こうした心のケアを、教会が長いスパンで引き受けていくべきではないでしょうか。また、被災された教会、クリスチャンたちに長期の援助が必要です。物質的な援助、魂の救い、これを個々の問題としないで、オールジャパンでチームを作ることを提案します。そうした戦略が必要です。
教会は、具体的な援助の組織づくりと心のケアをする人材養成を急ぐべきです。短期決戦ではありません。長期です。また日本の教会は、教会礼拝中心主義の傾向が強く、教会が社会の必要に応えるということが少ないように思います。この際、思い切ってそうした発想を変え、出て行って、苦しんでいる方々の必要に応えるべきではないでしょうか。教派主義、教団主義、あるいは神学の相違を乗り越え、地域主義ともいえる新しい連帯組織をつくることを提唱します。その地域教会の相互扶助の組織です。
現在、それぞれの地域で教師会が活動をしていますが、いま一つ連帯感という点においては難しい面があります。地域伝道の実態に即しているため、機能すれば伝道の前進に大いに役立つでしょう。しかし、問題は、参加する先生方が、それぞれの教派、教団の会議にあまりにも多くのエネルギーをそがれていることではないでしょうか。伝道の現場がなおざりにされているようにさえ感じます。
同じ地域に伝道の重荷を与えられている教会同士が、お互いの必要を補い合うような教会の連帯です。日本の教会は、そうした発想が欠けていると思います。日本の教会の礼拝出席平均は30名程度と言われています。お店のドミナント戦略ではありませんが、特定地域を面で囲むような伝道戦略も考えられるのではないでしょうか。教会の使命は、何にもまして伝道です。
これらの提案は、いまこのときだからという発想ではありません。私なりに長い間考え、感じてきたことであります。一言でいえば、すべての面においての刷新です。日本の政治、経済、文化、そしてキリスト教界も、長い間欧米に依存してきました。いまこのときに刷新されなければ、日本の再生もキリスト教界の前進もありません。これからの伝道は、過去の延長線上の発想では難しいでしょう。新たな発想、質的転換、刷新が必要です。
愛は結びの帯として完全なものです。(コロサイ3・14)
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