英国に本拠を置くキリスト教迫害監視団体『リリース・インターナショナル』(以下、リリース)は、北朝鮮政府がキリスト教徒の人権を守るように呼びかける新たな運動「ザ・ワンデー・キャンペーン」を立ち上げた。同キャンペーンでは北朝鮮政府に対し国民がキリスト教を自由に信仰できるように呼びかけるための請願書への署名を集めている。
チュチェ思想に基づく社会主義体制をとる北朝鮮国内ではあらゆる形態のキリスト教の集まり、文書や聖書を読むことが禁止されていおり、世界で最も悪名高いキリスト教迫害国の一国である。北朝鮮国内のキリスト者が拘束・拷問を受け、信仰のために強制収容所へ送られたという話は良く聞かれている。リリースによると、家族の中の一人がクリスチャンであることが知られるか、あるいは聖書を保持していることが知られると、その家族全員が収容所送りになるという。
北朝鮮収容所に以前収容されていた脱北者のキムさんという北朝鮮の男性がリリースに話したところによると「この世に地獄があるのだとしたら、それは北朝鮮強制収容所であるといえるでしょう。収容所内は恐怖しかありません。外部との接触は一切できない状態です。北朝鮮での食糧配給状況も悪い状態にありますが、収容所内ではさらに悪化しています。多くの収容所内の人々が栄養失調で亡くなっています」と述べた。
別の脱北者であるスンさんは北朝鮮での生活は「サバイバル」であり、「とても人間的な生活とはいえない。言論の自由が何もない」と証言している。スンさんは北朝鮮から中国へ脱北後、母親・兄弟と合流することができた。しかし中国での彼らの状況が不安定であったため、2001年に母と兄弟が北朝鮮に戻ろうと試みたところ、兵士に見つかり暴行を受け死亡したという。
スンさんは川を挟んで反対側から自分の家族たちが殺害されているのを見つめていたという。スンさんは、家族を殺した人たちのことは心の中で赦したが、しかし家族のいのちをみすみす失わせてしまった自責の念に苛まれているという。スンさんは両親と4人の兄弟およびひとりの姉妹を北朝鮮当局に殺害されたという。生き残ったのは彼と末の妹だけであるという。
リリースチーフ・エグゼクティブのアンディ・ディッパー氏は、北朝鮮脱北者たちの話を聞いて深く懸念するようになったという。同氏は英クリスチャン・トゥディに対し「私たちは北朝鮮政府に対し、クリスチャンが迫害される恐れなく自由に礼拝することを許可するように促しています。リリースでは英国のクリスチャンにも北朝鮮のために祈り、迫害されている兄弟姉妹を助ける行動を起こし、外国での生活に適応しようとしている脱北したクリスチャンの支援をしてほしいと呼びかけています。どうか北朝鮮に住み心ひそかにキリスト教を信仰している人々の生活に変化を与えることができるように祈ってください」と述べた。
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