戦後80年
戦争が始まった
国民学校1年生
ウ~ サイレンとともに
手作りの防空壕に飛び込んだ
家の入り口に
欲しがりません 勝つまでは
と習字で書かされて貼った
小さな心の 軍国少女
想像した
道の石ころ これがあめなら
薄い木切れ 板チョコなら
主食は豆かす さつまいものツル
いつもお腹はからっぽ
めずらしく母が作ってくれた
大人の親指大のおにぎり
おいしかった 人生で最高
戦時下の子ども時代の話を
小学校 中学校 教会学校で話した
こんなに恵まれた中に生きていると
知らなかったと感想を聞き
うれしかった 驚いた
あまりにも豊かな今
80年前に持っていた
小さな魂の喜び 平安は
どこへ行ったのだろう
◇