2025年8月11日08時18分

主は生きておられる(239)戦後80年 平林けい子

コラムニスト : 平林けい子

戦後80年

戦争が始まった
国民学校1年生
ウ~ サイレンとともに
手作りの防空壕に飛び込んだ

家の入り口に
欲しがりません 勝つまでは
と習字で書かされて貼った
小さな心の 軍国少女

想像した
道の石ころ これがあめなら
薄い木切れ 板チョコなら

主食は豆かす さつまいものツル
いつもお腹はからっぽ
めずらしく母が作ってくれた
大人の親指大のおにぎり
おいしかった 人生で最高

戦時下の子ども時代の話を
小学校 中学校 教会学校で話した
こんなに恵まれた中に生きていると
知らなかったと感想を聞き
うれしかった 驚いた

あまりにも豊かな今
80年前に持っていた
小さな魂の喜び 平安は
どこへ行ったのだろう

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平林けい子

平林けい子

(ひらばやし・けいこ)

1934年京都に生まれ、京都府に在住。同志社大学文学部英文科卒業。1男2女の母。長女が小学校入学を機会に好きな英語をもう一度学びたいと思ったとき、奇しくも今の教会の英会話クラスのちらしを見る。聖書を開き、ヒューマニストだと思っていた自分が仮面をかぶった罪人だと分かった。罪を悔い改めて受洗。しかし、真の神に出会ったのはそのあとの試練の真っただ中だった。主の奇跡を次から次にいただき今に至る。30年間家で中高生向けの英語塾を、13年間町の公民館で中高年の人たちに中級英会話クラスを担当。教会の英会話クラススタッフは38年になる。趣味は、読書。福音書を読む以外は詩、エッセイを読んだり書いたりすること。海外旅行、動物が大好き。京都府・長岡福音自由教会員。フェイスブックはこちら。著書に『主は生きておられる』。