Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

希望とは何か? 神学者でもある教皇ベネディクト16世の回勅『希望による救い』

2024年11月12日10時37分 執筆者 : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ベネディクト16世(ローマ教皇)カトリック教会
ローマ教皇ベネディクト16世+
現役時代のローマ教皇ベネディクト16世=2012年(写真:vipflash / Shutterstock)

本書『希望による救い』は、先代の第265代ローマ教皇ベネディクト16世(在位2005年4月19日~13年2月28日、22年12月31日死去)による回勅です。回勅とは、教皇が信者の信仰生活を指導することなどを目的に、全カトリック教会に宛てて送る書簡で、重要度の高い教書とされています。『希望による救い』は2007年に公布されたものですが、教皇ベネディクト16世による回勅としては2番目のもので、その前は05年に『神は愛』という回勅が公布されています。

ベネディクト16世はドイツ出身で、本名をヨーゼフ・ラッツィンガーといいます。叙階後、神学者として高く評価された人です。その意味で、本書は「希望とは何か」ということを教示する優れた神学書ということもできると思います。

パウロは自身の書簡に、「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残ります」(1コリント13:13)、「あなたがたが信仰の働きを示し、愛のために労苦し、また、私たちの主イエス・キリストに希望を置いて忍耐していることを、絶えず父なる神の前に思い起こしているのです」(1テサロニケ1:3)と記している通り、「信仰・愛・希望」を大切にしています。

1番目の回勅『神は愛』は、この3つのうちの「愛」について語られています。その結論は、「まず神が私たちを愛され、それによって私たちも愛する者とされる」ことであると、私は読み取りました。これは、「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥(なだ)めの献(ささ)げ物として御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。愛する人たち、神がこのように私たちを愛されたのですから、私たちも互いに愛し合うべきです」(1ヨハネ4:10~11)とある通りです。

それを基にして本書を読みましたが、2番目の回勅である本書においても、「真実の希望は、神以外にありえません」(56ページ)とした上で、その神と私たちの関係は、「すべての人のあがないとしてご自身をささげた」イエスとの交わりを通して築かれるものであり、そのイエスは私たちに「他の人のために生きるよう命じます」(57ページ)とし、「希望は神にのみあり、それは自分だけでなく他者との関係においてなされる希望である」ことが示されています。「神から他者へ」という図式は、「愛」だけでなく「希望」においても同じなのだと思わされました。

本書は「希望」を新約聖書から定義付けています。それは、ヘブライ人への手紙10~11章を釈義することから始まります。この中で、11章1節の「信仰とは、望んでいることがらの〈ヒュポスタシス〉であり」のヒュポスタシス(ὑπόστασις)を、「実体」と解釈し(19~20ページ)、実体は確実なものであり、神への希望はこのヒュポスタシスであるとしています(25~26ページ)。真の希望は、霧のようなつかみどころのないものではないということでしょう。

この箇所を2つの日本語訳聖書で読み比べてみました。1987年出版の新共同訳は「信仰とは、望んでいる事柄を確信し」となっていましたが、2018年出版の聖書協会共同訳は「信仰とは、望んでいる事柄の実質であって」と訳されており、本書の解釈に適合するものになっています。

その他、本書において印象深かったことは、「永遠のいのち」についての解釈です。現代人の多くが望むのは現在であって、永遠に生き続けることは、恵みよりも刑罰のように思われているのかもしれないとした上で、「永遠とは、いつまでも暦の日付が続くことではなく、完全な満足を感じる瞬間のようなものだと考えてみなければなりません。その瞬間、全体がわたしたちを包み、わたしたちも全体を包みます。それは無限の愛の海に飛び込むのに似ています。そのとき、時間は、過去も未来も含めてもはやなくなります」(32~33ページ)としています。私自身はこの解釈に大変魅力を感じました。

平易に読める本であるとはいえないかもしれませんが、「希望」という聖書の言葉を考えるのにふさわしい一冊として、本書をお勧めします。

■ ローマ教皇ベネディクト16世著『希望による救い』(カトリック中央協議会、2008年6月)

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

関連タグ:ベネディクト16世(ローマ教皇)カトリック教会
  • ツイート

関連記事

  • 「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」 前教皇ベネディクト16世の葬儀に5万人参列

  • 「高貴で、とても優しさのある人」 教皇フランシスコ、前教皇ベネディクト16世を偲ぶ

  • ベネディクト16世は「愛の教皇」 日本カトリック司教協議会会長がコメント

  • 前教皇ベネディクト16世、現教皇フランシスコ就任5周年で擁護の書簡

  • 英隆一朗著『イエスに出会った女性たち』をネガティブ・ケイパビリティの視点で読む

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • ワールドミッションレポート(6月11日):キリスト教信仰が最も急速に成長している国々

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(230)聖書と考える「あなたを奪ったその日から」

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.