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赦すことで癒やされる 菅野直基

2024年9月27日11時54分 コラムニスト : 菅野直基
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関連タグ:菅野直基

「人を赦(ゆる)さない心」は、自分を苦しめます。しかし、「赦す」ことで自由になります。

「赦し」とは、ただ一回切りのことではなく、現在進行形であり、終わりのないプロセスです。ですから、何度も途中で赦せなくなって裁きたくなることが起こり得ます。

ある男性が、休暇を取ってハワイに旅行しました。朝早く、きれいな道をジョギングしていますと、道端にビールの空き缶が何本か捨ててありました。その瞬間、怒りが込み上げてきたそうです。「こんなに美しい場所に空き缶を捨てるとは何事だ! 何て無神経なやつだろう」と考えているうちに、ますます怒りが込み上げてきました。

怒りながら空き缶の脇を通り過ぎて、ホテルに戻ろうとする頃には、心は怒りでいっぱいでした。

そんな時、心の中で「待ちなさい。空き缶を捨てた人の非を裁くよりも、戻って拾ったらどう?」という内なる声が聞こえました。空き缶ごときで一日中人を裁きながら、怒りに満たされて過ごすよりも、自分でできる解決をしたらよいというインスピレーションでした。

自問自答しました。空き缶を拾いに戻れば数分かかり、友人との待ち合わせの時間に遅れてしまうかもしれない。そこまでして空き缶を片付ける価値があるだろうか――。その場所に戻って、空き缶を拾うことにしました。その瞬間、心の中の怒りが消えて、安らぎと喜びに満たされました。

ホテルへの帰り道、若い頃の記憶がドッとよみがえってきて、昔、車の窓からごみをポイ捨てしたことなどを思い出し、自分自身もその空き缶を捨てた人と同じように無神経なことを行ったことを思い出しました。

空き缶を捨てた人を裁いていた心の一部は、自分自身への罪責感の投影であったのです。空き缶を拾ってゴミ箱に捨てる行為は、天国のように美しい島を大切にする以上に、自分を裁く思いから彼自身を解放させたといえます。人を裁いてイライラしてばかりいるのではなく、戻って空き缶を拾うことで、自分自身が過去の行動について引きずっていた感情から自由になれたのです。

「赦し」とは「赦せない相手」の謝罪を受け入れることで、「赦す気」がなくても建前上「分かりました」「赦しましょう」と言うものであると考える人が多いと思います。また、相手を「赦さない」のは、自分を傷つけた相手から自分を守るために、その相手を恨み、憎み続けることだ、と考える人も多いでしょう。

しかし、「赦し」とは「赦さない」という地獄の苦しみから自分を救い出し、自由にすることです。「赦さない」と、憎しみや恐れ、怒りの感情によって、体は極度の緊張状態になり、血液循環を悪くし、免疫力が下がり、心臓や脳をはじめ、あらゆる器官にストレスを与えます。

お酒や一時の快楽などのストレス解消に身を委ねて、「赦さない心」や「裁く心」からくる苦痛を和らげようとする人がいますが、悪循環であり、肉体的にも精神的にもますます深刻な状態になっていきます。

今日、私たちが赦しを決断するならば、自らに「癒やし」をもたらすことができます。お酒なども必要なくなりますし、体を健康に向かわせます。実際、人を「赦さない心」ががんの原因になっているというデータもあるそうです。

「赦す」ことで癒やされます。「赦し」を決断し、「赦し」に向かいませんか。これが、自分自身を癒やし、幸せにします。良い一日でありますように、祝福を祈ります。

◇

菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

■ 新宿福興教会ホームページ(メッセージをくだされば、皆さんの近くの教会を紹介致します)
■ 菅野直基牧師のフェイスブック

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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