香港デモのテーマソングとなった賛美歌「Sing Hallelujah To The Lord」

2019年6月21日01時35分 印刷
関連タグ:香港
+香港デモのテーマソングとなった賛美歌「Sing Hallelujah To The Lord」
9日に行われたデモの様子。主催者発表で103万人(警察発表24万人)が参加した。(写真:Hf9631)

中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」の改正案をめぐり、1997年の返還以後、最大規模となるデモが立て続けに起こった香港。香港政府や、親中派が多数を占める立法会(議会)は、強行姿勢を崩してこなかったが、16日に200万人規模のデモが起こったことで、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は18日、記者会見を開いて謝罪し、改正案を事実上、廃案とすることを表明した。

この歴史的デモでは、あるキリスト教の賛美歌がテーマソングのごとく歌われた。それは、1974年に米国の歌手リンダ・スタッセン・ベンジャミンが、イースター(復活祭)のために作詞・作曲した「Sing Hallelujah To The Lord」という曲だ。「Sing Hallelujah To The Lord, Sing Hallelujah To The Lord」と繰り返すシンプルな歌詞で、心に響くメロディーのこの曲は、世界中で人気があり、多くの言語に翻訳されている。日本語では、日本バプテスト連盟の『新生讃美歌』で35番「主を賛美しよう」として収録されている。

香港ではこの数週間にわたって、多くの主要な抗議集会やデモ行進、さらにデモ隊が警官隊と対峙している場面でさえ、この賛美歌がほとんど途絶えることなく歌われたという。中には「警棒の使用を中止しろ、さもなければ『Sing Hallelujah To The Lord』を歌う」と書かれたプラカードを掲げるデモの参加者もいた。そして人々がこの賛美歌を歌う動画が、ツイッターなどのソーシャルメディアに多数投稿された。

ロイター通信(英語)によると、デモに参加していたあるクリスチャンの学生グループが、他の賛美歌と共にこの曲を歌い出したのが始まりだという。香港カトリック学生連盟の代表代行であるエドウィン・チューさん(19)は同通信に、「人々がその中で選んだのがこれ(Sing Hallelujah To The Lord)だったのです。多くの人にとって歌いやすく、メッセージもシンプルで、メロディーも簡単だからです」と語った。

学生たちが賛美歌を歌い始めたのには、一つの理由があった。それは、抗議活動に合法性を持たせたかったからだ。香港では、宗教的な集会であれば許可なく開催することが可能だという。「(賛美歌を歌うことで)抗議者たちを守ることができました。またそれは、平和的な抗議であることも示します」とチューさんは話す。デモに参加した香港グレース教会のティモシー・ラム牧師(58)も、賛美歌を歌うことは「(抗議の過激化や対立を)落ち着かせる効果がある」と語った。

一方、林鄭氏がカトリック信徒であることから、デモの参加者の中には「Sing Hallelujah To The Lord」を歌ったことで、彼女の心を動かしたと考える人たちもいる。カトリックではないという学生でさえも同通信に対し、「彼女は何といってもカトリックなのです。それが、私たちがこの曲を歌った主な理由です」と明かした。

デモでは他にも、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌「民衆の歌」も歌われた。これは、フランスの「7月王政」打倒のため起こった「6月暴動」でパリ市民が政府軍と衝突する場面で歌われる曲で、2014年の香港反政府デモ「雨傘運動」でも歌われた。

■ 16日のデモで賛美歌「Sing Hallelujah To The Lord」を歌う人々

関連タグ:香港

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

国際の最新記事 国際の記事一覧ページ

主要ニュース

コラム

人気記事ランキング