ペンテコステ記念メッセージ「聖霊の導きの中で生かされて」 平良善郎

2019年6月9日07時58分 執筆者 : 平良善郎 印刷

わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。(ヨハネ15章26~27節)

主の御名を賛美します。本日はペンテコステ(聖霊降臨祭)です。ペンテコステとは、イースター(復活祭)から50日目に、キリストの弟子たちの上に天から聖霊が降り、教会が誕生したことを祝う日です。ユダヤ教では「七週の祭り」、あるいは「刈り入れの祭り」といいます。この時期は、「過越の祭り」から50日目であるため、50を指すギリシャ語のペンテコステという呼び名が用いられています。

神である聖霊が私たちに与えられ、そのことにより、イエス様の十字架の愛と恵みを心から受け入れる者へと導かれました。その聖霊の導きの中で兄弟姉妹が集められ、愛の交わりの中で、共にイエス様を礼拝し、教会が誕生したのであります。その教会に集められたクリスチャンにとって、ペンテコステは希望の日であります。それは、聖霊を通して復活の希望の確信が与えられ、また、すべての歩みにおいて万事が益へと導かれるという、約束とその確信が聖霊の導きの中で与えられ、揺るぎない希望をもって信仰生活を歩む者へと変えられたからであります。そして私たちは、その聖霊の導きの中で、キリストの似姿へとつくり変えられ続けていきます。そうです、イエス・キリストの証人として歩むのです。

私たちクリスチャンは、神様との霊的な交わりが最も大切であることを確信する者たちであります。その霊的な交わりの中を歩むように導かれるのが聖霊であります。聖霊は、父なる神、子なるキリストと同じく、神であります。その聖霊が永遠に私たちと一緒にいてくださると、聖書は力強く証ししてくださいます。その聖霊が降った恵みの日を感謝する、それがペンテコステです。

聖霊がこの日、礼拝をささげている兄弟姉妹一人一人に与えられています。その絶大な恵みにより、私たちは神を礼拝することができる者へと変えられました。その聖霊を与える約束を、イエス様はあの最後の晩餐の席で語られました。

ヨハネによる福音書は21章あります。ヨハネは本当に大切な、救い主であるイエス様の足跡を編集しつつ、21章にまとめて記しました。その中で、ヨハネは13章から17章までの5章を用いて、最後の晩餐でイエス様が語られた言葉を記しているのです。ヨハネにとって、またイエス様を信じる者にとって、この最後の晩餐の席で語られたイエス様の言葉が本当に大切であったからこそ、一つ一つ、その言葉を選び、福音書を記したと考えられます。

その大切な最後の晩餐の席で語られた言葉の中に、上記の聖書箇所が含まれています。イエス様が聖霊について語られた言葉です。イエス様は、聖霊を父のもとからあなたがたに遣わす、と語られました。「父のもと」とは「永遠の存在である方のもと」ということができます。つまり、永遠の存在である真理の霊、その永遠なる神である聖霊が、イエス様を信じる私たちに与えられるのです。それ故に聖書は、イエス様を信じ、聖霊なる神が与えられたクリスチャンには、永遠の命が与えられていると宣言するのです。

聖霊により、永遠の命を与えられた私たちは、あの十字架で示された神の愛を、聖霊によって、どんな時でも、どのような状況の中でも思い起こすことができる者として導かれているのです。その十字架の愛を思い起こすとき、「私は愛されている」「私は赦(ゆる)されている」という感謝があふれてくるのであります。また、神がすべての歩みを導かれているという平安と喜びが、苦難のただ中でも心の中を満たしてくださる、という確信が与えられるのです。

私の次男は路加(ルカ)といいます。現在21歳です。彼は最重度のダウン症を持って生まれました。彼が生まれたとき、医者は私に「息子さんはダウン症です」と告げました。私は祈りつつ、妻のチエミにそのことを語りました。チエミは声を上げて泣き出しました。想像もしていない言葉が告げられ、その子の将来のことを考えて、涙が出てきたのでありましょう。私はその時、祈りました。聖霊なる神が必ず助けてくださると確信し、祈りました。

祈りの中で一つの御言葉を語りました。「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています」という、ローマの信徒への手紙8章28節の御言葉です。この御言葉は私の心の中に刻まれている御言葉で、いつも、どんな時にも、この御言葉が思い起こされ、私を支えてくれる御言葉でありました。この時も、聖霊なる神は私にこの御言葉を思い起こさせてくださり、この御言葉を握りしめ、最重度のダウン症として生まれた路加と共に歩んでいこう、そう思いつつ、祈ったのであります。チエミも、共にアーメンと祈りました。その後、神はチエミの目から涙をぬぐい取ってくださいました。路加は今、平良家の宝物として、また教会の中で兄弟姉妹に癒やしを与える大切な存在として成長しています。

聖霊は、私たちに御言葉を思い起こさせ、神の愛の中で生かされている自分の存在を思い起こさせ、平安と揺るぎない希望の中を歩むように導いてくださるのであります。また聖霊は、私たちが御言葉を学べば学ぶほど、全知全能なる神がいかに大いなる方であるかを悟らせてくださいます。また、イエス様が十字架にかからなければならないほどの罪が赦されたという感謝にあふれさせてくださるのです。また、聖霊は私たちの信仰の目を開いてくださり、神が今もこの現実の中で働かれ、導かれ、私たちの歩みのすべてにおいて万事を益へと導かれると確信させてくださるのです。その聖霊の導きの中で、私たちは揺るぎない平安の中を歩む者へと変えられます。

その歩みは、どんな時にも神が私と共におられ、導かれているという証しをする者へと私たちを変えてくださいます。聖霊が私たちをそのように導くのです。私たちは、それぞれ生活する場所や環境、その境遇というのはさまざまな違いがあると思います。その違いを超えて、聖霊なる神は一人一人において万事が益となるように、私たちを導かれるのであります。

私の住んでいる場所は沖縄であります。5月中旬から沖縄は梅雨入りをしましたが、しかし雨の日が少なく、空梅雨という感じです。晴れている日は、太陽が輝き、青い空、エメラルドグリーンの青い海が輝いています。とても素敵な沖縄ですが、この6月は沖縄の痛みを思い起こす月でもあります。6月23日の慰霊の日が訪れるたびに、私は第2次世界大戦で亡くなった祖父のことを思い起こすのであります。また、多くの県民が犠牲になった痛みを思い起こすのです。ある意味で、その痛みは、あの時だけではなく、差別的な現実の中で、今も続いていると語ってもいいのではないかと思います。それもグローバルな軍事力の構造上の枠組みの中で、沖縄の民意を超えて軍事的な重要な拠点とされています。この現状は決して変わらないのではないかとさえ思う、そういう絶望を与える現実が今の沖縄であると感じています。

この世界から戦いが、戦争がなくなったという時代はありません。罪の世であるこの社会は、ますます混沌(こんとん)とした時代に突入しているように感じます。その中で、その痛みの中で、私たちは、あの唯一の救いであるイエス・キリストの十字架の贖(あがな)いに、聖霊の導きの中で目を向けるのであります。その時、現在の社会情勢がいかなる状況であろうと、それを超えた、永遠の神の約束の御言葉が心に響いてくるのです。その揺るぎない御言葉の約束は、私たちに決して変わらない愛と希望を与え、揺るぎない信仰の道を導いてくださるのであります。

ペンテコステに聖霊が与えられました。その聖霊は、今でもイエス様を信じる者に与えられ続けています。そして、その聖霊によって生かされている者は、全世界で展開しているいかなる状況の中でも、また、この日本の各地においても、さらに、この沖縄においても、聖霊が今も豊かに働かれていると確信するのであります。またその聖霊は、私たちがイエス様の証人として歩むように導いてくださいます。そのイエス様の証人は、神の愛と平安の中を、イエス様が愛したように愛する者へと、イエス様が赦したように赦す者へと変えられ、導かれます。聖霊の導きの中で共に歩める喜びを感謝し、心を合わせ、揺るぎない希望の中を歩んでいきましょう。

平良善郎

平良善郎(たいら・よしろう)

安慶名(あげな)バプテスト教会牧師、沖縄聖書学園事務局、沖縄聖書神学校講師、沖縄説教塾事務局。

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