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刑務所伝道シリーズ

刑務所伝道シリーズ番外編:元売人が見るASKA薬物事件

2016年12月2日07時41分
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関連タグ:「罪人の友」主イエス・キリスト教会進藤龍也
刑務所伝道シリーズ番外編:元売人が見るASKA薬物事件+
進藤龍也牧師(右)と小川一実さん。神の起こした奇跡が巡り合った。

芸能人の薬物犯罪に関わるニュースは年々増え続け、凶悪化の一途をたどっている。1990年代、一世を風靡(ふうび)したシンガーソングライターのASKA(本名:宮崎重明)容疑者の再逮捕のニュースが11月28日、速報として伝えられた。

芸能人に限らず、薬物犯罪はなぜなくならないのか。再犯率も高いこの犯罪に、更生の道はないのか。元覚せい剤の売人で、現在は「訳アリ」の従業員しか雇わないという塗装業を営む小川一実さん(56)に話を聞いた。

教会学校に通った少年時代

東京都内で生まれ育った小川さん。母親は結婚しておらず、いわゆる「めかけ」の子どもとして育った。7歳下の弟がいたが、3歳の時に交通事故で亡くなった。小中学生時代は、祖父母に育てられた。母親とは年に数回顔を合わせていたが、あまり交流はなかった。「寂しいと思ったことは1度もなかった。でも、中学に入る頃からチック症が激しくなり、当時は運動も控えるように言われていたほどだった」と話す。

「初めて教会に行った日のことを今でも覚えている」と小川さんは言う。それは小学2年生のある日、育てられた祖母に「神様っていると思う?」と聞かれ、「僕はいると思うよ」と答えると、「教会に行ってみようか」と誘われたのだという。カトリック教徒だった祖母だが、連れて行かれたのは、プロテスタントの教会だった。

「あまり信じてもらえないのですが、僕には、母親の胎内にいた時の記憶があるんですよ。暗い所からすごく騒がしい所へ出て行く途中で、僕が『いやだ』と抵抗するのですが、光輝いている誰かにそっと背中を押されて、『大丈夫だから、出て行ってごらん』と言われたのです。だから、小さい時から、あれが神様だと思っていました」と話す。

教会には行ったり、行かなかったりだったが、夜は母親が家にいない子同士が集まって、悪いことを覚えては、悪さを繰り返した。窃盗、万引き、けんか・・・。中学を卒業すると、高校へは進学せず、知り合いの電気工事の会社で勤めた。それも2カ月も続かなかった。

荒れた青年期・・・そしてヤクザの道へ

友達に声を掛けられ、塗装工の仕事を手伝うようになった。比較的真面目に長年働いていたが、毎日のように仕事を辞めたいと思っていた。信仰はなかったが、「神様、もし、神様が俺にこの仕事をさせたいなら、一生困らないように技術をつけさせてくれ」と祈っていた。

19歳でヤクザの道へ。22歳になる頃には、子どもも授かった。名前は聖書から名付けた。しかし、24歳になる頃、売買だけしかしていなかった覚せい剤を使用するようになっていた。「覚せい剤に手を出したらどうなるか分からないから、この子のためにも別れたい」と妻と離婚を決意。

25歳で、暴行傷害などの罪で1回目の逮捕。懲役1年半の刑が下った。覚せい剤は常習していたわけではないので、この時は尿検査でも反応が出なかったという。判決後、裁判官から、「何か言いたいことはありますか?」と聞かれた小川さんは、憎しみを込めて、「何もねえよ。ばかやろう!」と叫んだ。

出所したその日に覚せい剤を

三重刑務所で1年半服役。出所したその日に迎えに来てくれた車の中で、ヤクザ仲間から渡された「出所祝い」の覚せい剤を1本打った。「刑務所で本当に反省している人間がどれくらいいるのか・・・本当に分からない。刑務所では、また悪い組織のネットワークができますから。私もたくさん『お友達』を作って出てきましたよ」と話す。しかし、刑務所の中では、いつも聖書を読んでいたといい、新約聖書は服役中だけでも15回以上は通読したという。

半年後には、2回目の逮捕。恐喝と暴行の罪だった。この時も数日前に覚せい剤を使用していたものの、尿検査の結果は「シロ」。2度目の逮捕で懲役2年。富山刑務所に送られた。「ヤクザの世界にも事務所当番や運転手などいろいろな役目が回ってくるんですよ。だから、いつもいつもヤクをやるわけにはいかないんですよね」と話す。

1年2カ月後には、覚せい剤使用の罪で釧路刑務所3回目の逮捕で懲役2年、その後4回目は府中刑務所に3年、5回目は新潟刑務所で3年半服役した。刑務所に入るたびに、「お友達」が増えていき、小川さんは「刑務所はまるでヤクザの職業訓練所だった」と笑う。

5回目の服役後、3人目となる妻と結婚を考え、覚せい剤をやめる決意をした。結果的に6回目は別の罪で服役することになったが、覚せい剤の使用はやめることができた。

刑務所伝道シリーズ番外編:元売人が見るASKA薬物事件
集会で証しをする小川一実さん

薬物を絶つことに成功

「どうしてやめることができたのですか?」と尋ねると、「薬物依存には、3つの段階があります。『人と会っていて、周りがやっている時にちょっと付き合い程度にやる』というのが依存度C、『目の前にあったら、自分1人でもやる』というのは依存度B、『いつも、常に薬を打ってないとダメ・・・』っていう人は依存度A。僕の場合は、依存度で言えば、一番軽いCだったんですね。ヤクザにいたし、何せ19歳でヤクザに入って44歳で抜けるまでの間、14年近く刑務所の中ですからね。そこまでハマらなかった。ASKA容疑者の場合、依存度Aに近くなってるのだと思います。幻聴、幻覚があったり、『誰かが盗聴している』とかいう被害妄想は、中毒者によくあること」と話す。

ヤクザをやめるも居場所がない

6回目の服役中に、若い頃から慕っていたヤクザの兄貴が殺害された。その知らせを塀の中で聞いた小川さんは、腑(ふ)抜けのようになってしまった・・・という。出所して、すぐに親分には「兄貴も死んじまったし、俺もカタギになろうと思います」と話し、ヤクザをやめた。

しかし、カタギになっても社会復帰は遠かった。「学歴もない、指もない、お金もない。持っているのは、体に入った立派な入れ墨だけだった」と小川さんは言う。ヤクザは抜けたものの、汚いお金を稼ぐ生活に変わりはなかった。ある日、悪い相手からお金を巻き上げてしまった。現役の暴力団関係者だった。「誰でも殺す」と有名な「クミ」だった。

殺される・・・恐怖を前にとった行動

巻き上げた相手とその一味は、小川さんを誘拐。監禁した後、立てないように、3時間に渡って暴行を加えた。フラフラになった小川さんを車に乗せ、逃げないように両脇には腕っぷしの強そうなヤクザが2人ついていた。さらに山の中へ連行し、殺害したのち、埋めるためだった。

「これで俺の人生も終わりなんだな。人生最後の祈りを神にささげよう」と思い、「俺は今まで悪いことばかりやってきた。いいことなんて1つもしなかった。私の罪をお赦(ゆる)しください。私は今日、この世を去りますが、どうかこの両脇にいる人たちを憐れんでください。しかし、もし、あなたが私のこの世の命を守ってくださるのなら、今後はイエス様のために生きていきます」と祈ると、不思議と心に平安が訪れた。移り変わる景色が、いつもよりも光って見えた。

小川さんを連行する途中にラーメン屋によって、彼らが食事をしている時だった。ヤクザにいるときに世話になった兄貴が、偶然通りかかった。事情を説明すると、相手と何やら交渉を始めた。絶体絶命だった現場は、扉が開かれ、小川さんは解放された。

恐れるな 私はあなたとともにいる

それからは、全国を転々としながら、日銭を稼ぎ、日曜は教会へ行く生活を送っていたが、ある牧師から「恐れるな 私はあなたとともにいる」(イザヤ41:10)の御言葉を聞き、追いかけられている恐怖からも解放された。

今から10年前、小川さんが46歳の時に、知り合いから譲り受けた有限会社を引き継ぐ。社名を「みくに」とした。

「出所してきたとき、ヤクザしかやったことのない自分には、なかなか社会復帰が難しかった。確かに悪いことをしてきたのは自分。しかし、捕まえるだけ捕まえておいて、仮に5年刑務所にいたって、手元にあるのはたかが数万円ですよ。それで、次の日から社会復帰なんていうのは、到底無理な話。家がないと就職だってできないのですから。そういう人たちの力に少しでもなってやりたいと思って始めました」と話す。

今まで雇用したのは、50人以上。途中、逃げてしまう人、この10年間でだまされたのは900万円を超える。それでも、何度でも「全うに生きたい」と願う人には、扉を開ける。「再起をかけて、命がけで頑張る気持ち、僕には分かるんです。彼らを放り出してしまったら、また犯罪を繰り返すでしょう。全うに生きた方が絶対に幸せに決まってる。だからこれからも支援を続けます」と話す。

教会での礼拝は、強制はしないが、「一度、説教を聞いてみろよ」と声を掛ける。今までで、10人の従業員が洗礼まで導かれ、彼らがまた友人を教会に連れてくる。「この時が最高にうれしい」と小川さんは言う。

薬物をやめるには?

「薬物をやめるには、どうしたらよいのでしょうか?」と聞くと、「私は、神を信頼し、人を愛することに尽きると思います。本気で『もう神様にすがるしかない。助けてください』とへりくだれば、神様は決して見放すことはなさいません。これは絶対に言える。私たちが仕える神様は、偶像の神様ではなく、生きておられる本当の神様です。まずは、これを信じること。それから、物理的には、住むところと仕事は必要ですよね。これは、社会支援などを受けながらでもよいから、自立できるようやっていくしかない。こうした世界にもヤクザモノは、初めて踏み込む世界でしょう。初めての世界は誰でも怖い。でも、そこに飛び込む勇気が必要なのだと思います」と答えた。

薬物犯罪は、低年齢化も危惧されている。小川さんが関わったなかにも、「中学生の時から、薬物に手を出していた」というケースがあったという。「薬物は恐ろしいほどすぐそこにあるということを、親御さんも含め、社会が認識していないといけませんね。インターネットでは、薬物がバカ売れしているとも聞きます。犯罪が見えにくくなっているのも問題。普段から、家庭内でのコミュニケーションをとることも重要」と話した。

進藤龍也牧師との出会い

同じく、元ヤクザの進藤龍也牧師とは、3年前の千葉県での集会で初めて顔を合わせた。進藤牧師が「現役ヤクザ」の頃から、「進藤龍也」は有名人だった。「良質な薬物をロープライスで売る売人でしたね」と笑う。3年前、千葉県内にあるキリスト教専門書店に貼ってあった進藤牧師の集会のチラシを見て、「あれ?これ、もしかして、アイツか?」と思ったという。神が起こした2つの奇跡が巡り合った瞬間だった。

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