高齢者から現金をだまし取ろうとしたとして、60〜70代という高齢者の詐欺グループのメンバー5人が、詐欺未遂容疑などで逮捕された。5人のうち3人は大筋で容疑を認めているが、2人は容疑を否認しているという。読売新聞などが15日、伝えた。
同紙などによると、5人は3月下旬〜4月上旬、福井県勝山市の70代女性に電話で「個人で株を購入する権利に当選した。名義を貸してほしい」などと持ち掛け、その後、国税局の査察が入るとし、解約料300万円が必要になるなどとうそをつき、現金をだまし取ろうとした疑いが持たれている。時事通信によると、5人は実存する証券会社の社員を名乗って女性に電話を掛けていたという。
福井新聞などによると、逮捕されたのは、▼内村雅矢(62)=東京都江戸川区・職業不詳、▼斎藤幸雄(72)=同台東区・無職、▼永田秀樓(78)=同台東区・不動産会社社長、▼森田愼太郎(65)=同世田谷区・無職、▼佐藤時雄(64)=同多摩市・無職の各容疑者。
このうち、内村容疑者がリーダー格で、森田、佐藤容疑者が電話でのだまし役、永田容疑者が現金の受け取り役、斎藤容疑者が現金の運搬役だったとみられている。内村、森田両容疑者は容疑を否認しているが、佐藤、永田、斎藤各容疑者は容疑を大筋で認めているという。
読売新聞によると、勝山市の女性が、解約のために必要となる現金を用意するため融資を受けようとしたところ、金融機関が詐欺の疑いに気付き、警察に通報した。
両紙によると、現金の送付先は、現金の受け取り役とみられる永田容疑者の自宅アパートで、4月12日に福井県警が捜査員を派遣。永田容疑者と、近くをうろついていた現金の運搬役とみられる斎藤容疑者の2人を詐欺未遂容疑で逮捕した。さらにその後、グループの拠点とみられる台東区内の事務所を突き止め、5月13、14日、事務所に出入りしていた残り3人を逮捕した。
永田、斎藤両容疑者については、埼玉県秩父市の70代女性から昨年6月、同様の手口で300万円をだまし取ったとして、5月2日に詐欺容疑で再逮捕されている。警察は、残りの3人もこの詐欺事件に関与した疑いがあるとみて調べている。