Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

【書評】松谷信司編著『キリスト教のリアル』

2016年3月4日23時56分 記者 : 行本尚史
  • ツイート
印刷
松谷信司編著『キリスト教のリアル』+
松谷信司編著『キリスト教のリアル』ポプラ社、2016年3月

本書の編著者は、日本ではキリスト教が歴史や教養として語られることが多く、クリスチャンでない人たちが、キリスト教の現場・現実(=編著者の言う「リアル」)との接点に触れる経験は極めて限られており、キリスト教の関係者が日頃伝えたいと願っている内容と、世間に伝わっている情報の間には、相変わらず大きなズレがあるという。本書は、キリスト教のリアルな実態をできる限り客観的に提示できるようにと、「キリスト教の今」について知りたい人たちのために書かれた本である。

第1部「日本におけるリアルなキリスト教」(11~65ページ)では、キリスト教専門紙「キリスト新聞」の編集長である編著者が、日本におけるキリスト教の現状(例えば、本書によればクリスチャンの数は全人口の0・8パーセントほど)や歴史に加えて、クリスチャンの生活や日常、教会と信仰・礼拝のルール・教会運営・牧師や神父の実際について述べている。

第2部「牧師・神父から見た日本におけるキリスト教」(67~219ページ)では、教派の異なる3人のプロテスタント牧師(川上咲野氏・関野和寛氏・森直樹氏)と1人のカトリック神父(晴佐久昌英氏)が、自らの経歴や、スケジュール・休み・住まい・悩み・趣味・食習慣・家族との関係・給料・定年など教会での生活、神学校や日本人の習慣・葬儀・結婚式・世界と日本のキリスト教・「無神論者」と宗教を信じることなどのテーマについて、松谷氏を司会に座談会形式で話し合った内容が収められている。

本書の帯には「知られざる『日本のキリスト教』」「『歴史』でも『教養』でもない、私たちの身近にあるキリスト教」と書かれている。確かに、本書は現場・現実を知る人たちが見た日本のキリスト教(主にプロテスタントとカトリックという西方教会のそれ)が実際的な視点から書かれている点で、従来の教科書的なキリスト教入門書とは違った特色を持っており、そうした実際を知りたいという人たちにとって、役に立つものであろう。

従来のキリスト教入門書には「歴史」「教養」として書かれたものが多く、実際に教会へ行ってみたら、その本には書かれていない現実が多々ある。その現実に実際に触れてみて、入門書に書かれていることとの間の差に驚いたり喜んだり、あるいは逆にがっかりしたという人たちの話も少なくない。しかし、その一方で何の準備もなしにいきなり教会を訪れる勇気はないという人たちもいるだろう。本書はそうしたギャップを埋める橋渡しの役目を、幾らかでも担うことができるだろうか。

もっとも、本書の第1部には、カトリックとプロテスタント、教会用語の解説など、従来のキリスト教入門書にもすでに書かれていることもある。しかしここに収められている「クリスチャンあるある」「牧師・神父あるある」のように、クリスチャン、牧師や神父たちの「生態をリアルに実感していただくために」それを列挙しているところは、彼ら・彼女らの表面的でない姿を伝えようという点で斬新である。ただ、「あるある」というその言葉と手法は、かつて放送されていた某テレビ局の番組を連想させるのだけども。

さらに注目したいのが第2部で―分量的にもこちらのほうが第1部より多いのだが―、複数の異なる教派の牧師や神父が、それぞれの特色について語り合っているところである。たいていのキリスト教入門書は、特定の教派や神学的立場に立つ一人の著者によって書かれていることが多く、しかも例えば牧師や神父の給料についてなど、教会を初めて訪れてもなかなか聞くことのできない生の声が収められているのである。

本書の初めに松谷氏は、本書でキリスト教の在り方の多様性を網羅的に説明することはできないと強調しており、「本書でふれるキリスト教も、豊潤な宗教体系、教義、文化のほんの一側面にしかすぎない」と断り書きをしている。この点で、例えば本書であまり触れられていない正教会などの東方教会の「リアル」に初めて近づくには、例えば「まずはお祈りに来てください」と本紙に語った日本ハリストス正教会教団の北原史門神父による近著『正教会の祭と暦』(群像社、2015年)などを読まれるとよいかもしれない。なお、本書90ページに「司教(カトリック教会、正教会、聖公会で継承されている3段階の職制の一つ)」などと書かれているが、正教会や聖公会では、正しくは司教ではなく主教である。

なお、本書の終わりに、松谷氏は、日本の教会がこれまで「敷居が高い」と言われてきたことに触れ、「信じるつもりはないが知りたい」という人の存在を指摘。「教会を含むキリスト教業界は、『信じたい』というニーズは歓迎して受け入れてきたものの、『知りたい』というニーズには十分応え切れて来なかったのではないでしょうか」と述べている。同業者である筆者としては、これは謙虚に受け止めたい言葉である。

そして松谷氏は、その敷居は「単に教会側が『伝えたい情報』と教会外が求めている『知りたい情報』のズレに起因していたのかもしれない」として、「牧師や神父、信者に直接聞きにくい素朴な『知りたい』に応えることに徹し、かつ既存の入門書が取り上げているような『歴史』や『教養』ではない、キリスト教のリアルな実態をできる限り客観的に提示できるよう心がけました」と述べている。

本書に書かれている「リアルな実態」をそうした「教会外」の人々が本当に「知りたい」のであれば、本書の目的は少なくともある程度果たされることになるかもしれない。

松谷信司編著『キリスト教のリアル』ポプラ社、2016年3月1日、本体価格780円(税抜)

  • ツイート

関連記事

  • 教派を超えた団体が参加、宗教を超えた人々が大集合! いのフェス2015開催

  • キリスト教出版のミライは!? 若手書店ボーイと牧師がトークライブ

  • 【書評】山我哲雄著『キリスト教入門』岩波ジュニア新書

  • これ一冊で正教の基礎が分かる必携書 クリメント北原史門著『正教会の祭と暦』

  • ニコライ堂司祭、正教会への誤ったステレオタイプを例証 世界の正教会について講演

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.