月刊誌『信徒の友』、信徒と共に50年 東京・大阪で感謝礼拝

2014年12月6日22時00分 記者 : 新庄れい麻 印刷
月刊誌『信徒の友』、信徒と共に50年 東京・大阪で感謝礼拝
日本基督教団富士見町教会(東京都千代田区)で行われた『信徒の友』創刊50周年感謝礼拝・特別講演会の様子。定員300人の礼拝堂は満員となった。大阪では10月に同教団東梅田教会で記念礼拝とライブ&トークイベントが行われ、こちらも盛況だったという。

日本キリスト教団出版局発行の月刊誌『信徒の友』が創刊50年を迎えたことを記念し6日、日本基督教団富士見町教会(東京都千代田区)で感謝礼拝と特別講演会が行われ、定員300人の礼拝堂は満員となった。大阪では10月に感謝礼拝とライブ&トークイベントが開催され、こちらも盛況だったという。

感謝礼拝では、『信徒の友』編集協力委員で日本聖書協会理事長の大宮溥氏がペトロの手紙一2章9節~12節を開き、「神の民としての信徒」と題してメッセージを伝えた。『信徒の友』創刊当時、キリスト教界では信徒論が盛んに取り上げられていたという。信徒をめぐる神学では、かつて教職者の下に置かれた存在として、「layman(平信徒)」と呼ばれていたこともあった。しかし大宮氏は、「layman」は本来、神の下に置かれた神の民を意味するのであり、教職者も信徒も垣根なく、神の国建設のための働きに従事していると語った。

『信徒の友』は、教会において、教職者だけでなく、信徒も与えられた務めに応じて働きを成すことができるよう、励まし合うことを目的としてきた。創刊時に立てられた4つの編集方針、「信徒の連帯感を高めること」「信徒の学びと養い」「福音を伝える」「楽しく読めること」に挙げられている通りだ。

月刊誌『信徒の友』、信徒と共に50年 東京・大阪で感謝礼拝
感謝礼拝でメッセージする大宮溥氏

そして事実、この50年の歩みの中で『信徒の友』は、信徒と共に成長し、信徒の同輩者となり、信徒に支えられてきたという。大宮氏は「これからも、神の民として、一丸となって神の国に向けて巡礼の旅を進めていきましょう」と語った。

礼拝後の特別講演会では、聖学院大学学長で東京大学名誉教授の姜尚中氏が講演した。マタイによる福音書5章9節から「平和を実現する人々は、幸いである」と題して語った。姜氏は、「平和とは、戦争のない状態ではなく、人々が心に平安を持ち、神の御心の前に静かに集う様子をいうのではないでしょうか」と語り、『信徒の友』が創刊した1964年の東京オリンピックから、現在に至るまでの日本の歴史・政治を振り返りつつ、平和について語った。

戦後、日本は世界から見ても目を見張るほどの成長を遂げ、「日本は戦争に負けたことで、大東亜共栄圏を実現した」と皮肉めいた表現をされるほど、経済的に豊かになった。そして、冷戦後にはいよいよ核の恐怖から開放され、全ての人に平和が配当されると誰もが思った。しかし、その時代は来なかったと姜氏は言う。各地で戦争が起き、民族間の争いは絶えず、私たちの立つ大地までもが揺れ動く現在。

ある歴史学者の「戦後憲法が生きている限り、戦後は何百年であろうといつまでも続く。戦後憲法が終わるとき、それが戦後の終わりだ」という、簡潔かつ核心をついた「戦後」の定義を引用し、姜氏は戦後の日本国憲法を「神からの贈り物」と表現した。戦争による多大な犠牲の上に、たとえ押し付けだと言われようとも、イエス・キリストの愛が実現できるような憲法が与えられたことは恵みではないかと語った。

その恵みの中で平和であり続けてきた日本だが、気づけば、平和が何よりも価値を持っていた時代は終わり、繁栄や富を追い求める時代に入った。総選挙を目前に戦後が終わりかけている、富国強兵の風潮が漂いつつある今、日本はどの方向に向かっていくのか楽観視できない、と姜氏。しかし、一人のキリスト者として、自身の歩みにおいては楽観的でありたいと言う。そして、神の国は必ず実現することを信じ、時代の要求に従おうと語る。

月刊誌『信徒の友』、信徒と共に50年 東京・大阪で感謝礼拝
特別講演会で講演する姜尚中氏

それは諦めに走り、時代のありのままを受け入れるということではない。日々の生活の中でキリスト者としてしなければならないミッションを忠実に行おう、という意味だ。暗い時代の中にあっても、暗い谷間の中にあっても、「にもかかわらず」の精神で教会に集い、神を礼拝し、多くの人々に福音を語り、異教徒の間で証していかなければならない、と力強く語った。

『信徒の友』の50年という長い歩みを振り返ると、漫画『のらくろ』の著者田河水泡夫妻の連載や三浦綾子の「塩狩峠」連載、よど号ハイジャック事件に巻き込まれた日野原重明氏らの証掲載、天皇代替わり、阪神淡路大震災レポート、新潟県中越地震レポート、東日本大震災レポートなど、文化から社会、天災まで、さまざまな視点から時代を見つめ、寄り添ってきたことが分かる。

「日本社会の状況も教会の状況も創刊時とは大きく変わりました。良きにつけ、悪しきにつけ、私たちは時代と共に生きざるを得ません。しかし、いかに時代が変わり、社会が変わっても、掲げる福音の光は変わらないと確信しております」と、編集長の吉岡光人氏は言う。時代に流されず、しかしその時代の中にあって、神からの使命を果たし続ける『信徒の友』の今後の歩みが期待される。

創刊50周年を記念した企画では、これらの感謝礼拝・講演会の他に、教会応援企画として「講師派遣」も行われている。これは、2015年12月31日までに開催する集会を対象に、研修会や伝道集会など、催しのテーマに合わせて執筆者の派遣支援をするというもの。50周年記念企画の詳細・問い合わせは、『信徒の友』創刊50周年記念企画係(電話: 03・3204・0421、特設ページ)まで。

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