ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会とロシア正教会が互いを非難、世界のキリスト教共同体や国際組織に支援・擁護求める

2014年8月25日10時58分 記者 : 行本尚史 印刷
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ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会のスヴィトスラフ首位大司教(写真:ウクライナ宗教情報サービス)

ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会のスヴィトスラフ首位大司教は各国のカトリック司教協議会や政治指導者、及び善意ある全ての人々に対し、ウクライナの情勢とギリシャ・カトリックに対するロシア正教会の非難について述べた。ウクライナ宗教情報サービス(RISU)が22日に伝えた。

「ウクライナには世界のキリスト教共同体の効果的な支援と善意ある全ての人々による支援が必要です。メディアで宣伝が蔓延しているという文脈の中で、私たちはあなた方に情報を批判的に評価するよう求めます。私たちには、あなた方の祈り、あなた方の識別力、あなた方の良い言葉と効果的な行いが必要なのです。沈黙と怠惰はさらなる悲劇につながるでしょう」と、スヴィトスラフ首位大司教の書簡には書かれている。

「プロテスタントはロシア寄りのテロリスト集団によって標的とされ、もっともゆゆしい暴力に苦しんできました。福音教会『メタモルフォシス』のアレクサンダー・パヴレンコ牧師の2人の息子たちと、その教会の2人の執事であるヴィクトール・ブロダルスキーとヴラディミール・ヴェリチコは、そのテロリストたちによって教会の礼拝から連れ去られ、拷問を受け、そして殺されました。彼らの遺体はスロヴィアンスクの合同墓所から発見されました」と、スヴィトスラフ首位大司教はその書簡に記している。

「残念なことに、ウクライナ東部で包囲されたギリシャ及びローマ・ウクライナ・カトリック、キエフ総主教庁のウクライナ正教会、そしてプロテスタントは、ロシアの正教会指導層の誇張によってさらに危険にさらされており、それはロシアの政治当局やメディアの宣伝にますます似るようになってきています」と、スヴィトスラフ首位大司教は続けて述べている。

さらにスヴィトスラフ首位大司教は、「ロシア正教会の最高位でモスクワにおいて発行された最近の文書の中で、それもとりわけ各正教会総主教に宛てた書簡の中で、ギリシャ・カトリックとキエフ総主教庁のウクライナ正教は、失礼にも『東方帰一教会(ユニエイト)』とか『分派たち』と呼ばれ、名誉を毀損されています。彼らはウクライナ東部の軍事紛争について責任があるとされ、その戦闘、とりわけ軍事活動の結果続いている正教の聖職者や信徒に対する暴力を生み出しているとして非難されています。ロシア正教の指導者たちはギリシャ・カトリックや他の信仰告白について中傷的な情報を広げては、自らをロシア正教のための戦士とみなしている分離主義の武装勢力による危険にそれらをさらしているのです」と記した。

「私たちはこれらの主張や非難を強く拒否します。ウクライナ軍は教派的な存在として構成されているわけではありません。従って、さまざまな教派の従軍聖職者たちが反テロリスト作戦の地帯で奉仕しています。従軍聖職者たちは地元の宗教共同体の生活に干渉することを認められていません。ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会の従軍聖職者たちが他の諸教会や宗教団体の会員に対して暴力行為を犯したという非難は真実ではありません」と、スヴィトスラフ首位大司教は述べている。

ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会とロシア正教会が互いを非難、世界のキリスト教共同体や国際組織に支援・擁護求める
ロシア正教会モスクワ総主教のキリル1世(写真:Presidential Press and Information Office)

一方、8月18日、ロシア正教会モスクワ及び全ロシアのキリル総主教聖下は国際連合と欧州委員会、及び欧州安保協力機構に書簡を送った。その中でキリル総主教は、「ウクライナ南東部において現在続いている武力紛争の状況の中で、ウクライナ正教会の聖職者や信徒の権利がひどく侵害されている数えきれない事実」について述べたという。19日にロシア正教会が公式サイトで伝えた。

ロシア正教会によると、「キリル総主教聖下は、ウクライナ南東部の敵対者たちによって引き起こされている現在の困難な状況を利用してウクライナの正統な正教を害するユニエイトや分派の試みをめぐるロシア正教会の憂慮をこれらの国際組織の高官に伝えた」という。

その書簡の中でキリル総主教は、「ウクライナにおける武力による内紛の被害者となってしまったウクライナ正教会の聖職者たち数人の悲劇的な死亡事件に言及するとともに、ウクライナ正教会の聖職者たちに対する暴力のけしからぬ事実に対して、またそれらの聖職者たちを迫害や脅しにあわせようとする現在続行中の試みに対して、それらの国際組織の指導者たちの注意を喚起している」という。

また、キリル総主教は「ウクライナ正教会の教会や修道院に深刻な物的被害が引き起こされてきており、それは何千人もの多くの難民にとって最後の避難所となってきたと説明している」という。

ロシア正教会によると、キリル総主教は「ウクライナ最大の宗教団体であるウクライナ正教会が直面している諸問題にこれら高位の国際組織が無関心のままでとどまらないようにという自身の希望を表明している。ウクライナ正教会は、いかなる政治的関与とも相容れることなく、現在のこの非常に困難な状況の中で牧会的配慮を何百万人ものその信徒たちに行い続けていると、ロシア正教会の総主教は述べた」という。そして、「キリル総主教は国際連合や欧州委員会、欧州安全保障協力機構に対し、自らの権威ある声を上げてウクライナ東部の正教のキリスト者たちを擁護するよう呼び掛けている」という。

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