スーダン政府、キリスト教徒の母親に「背教」「姦通」で死刑判決

2014年5月17日16時32分 記者 : 行本尚史 印刷

キリスト教徒に対する迫害の問題に取り組むインターナショナル・クリスチャン・コンサーン(ICC)などによると、スーダン政府は、キリスト教徒として育てられ、キリスト教徒の男性と結婚した女性に死刑と鞭打ち100回を宣告したという。

この女性は正教会信徒のメリアム・ヤヒア・イブラヒム・イシャグさん。同団体によると、スーダン政府は無実のキリスト教徒で第二子を身ごもっている母親でもある彼女を、2月17日に恣意的に逮捕したという。

6歳の時、メリアムさんの父親(イスラム教徒)が家出をしてしまい、彼女の母親はメリアムさんを正教会信徒として育てた。ハルトゥーム大学を卒業して医師免許を取得したメリアムさんは、その後南スーダン人のキリスト教徒で米国市民でもあるダニエル・ワニさんと結婚した。約1年半後、メリアムさんは第一子のマーティン君を生んだが、現在20カ月の彼は逮捕され、母親とともに恣意的に拘留されている。

メリアムさんのキリスト教信仰と彼女の合法的な夫との忠実な結婚のために、彼女たちは政府の拘置所で拘留されている。

ICCによると、スーダン国民として、メリアムさんは生まれつきイスラム教徒とみなされている。そして同国の公共秩序刑法によれば、イスラム教徒の女性はイスラム教以外の他のいかなる宗教の男性とも合法的な結婚ができず、いかなるイスラム教徒も、性別や年齢ないし信条にかかわらず、イスラム教を離れるという選択ができない。イスラム教を離れることを選ぶということは背教を意味し、背教の代価は常に死であるという。

3月4日にエル・ハジ・ユーシフ公共秩序裁判所によって姦通と背教の罪に問われ、3月11日には同じ罪で有罪とされたメリアムさんは、今や鞭打ち100回と死刑に直面している。もしメリアムさんがキリスト教の信仰を否定することを裁判所で選び、イスラム教を公に受け入れば、その場合、彼女は「姦通の」結婚に対する鞭打ち100回の刑だけで済むだろうという。

ICCは、「メリアムさんに残されているのは、自由で尊厳を与えられた人間なら決して直面すべきではない選択肢、すなわち強制的な改宗に屈して見逃してもらうか、あるいは彼女の良心の自由に対する権利を行使し、彼女の信仰のうちに力強く立ち、その結果、彼女の救い主の死と復活を信じることで死刑にされることである」としている。

ICCはメリアムさんの救出を助けるよう、呼びかけている。

一方、キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長の報道官は15日、以下の声明を発表した。

我々は、スーダン人で妊娠中の母親、メリアム・ヤヒア・イブラヒム氏に対し、姦通と背教行為の罪で、鞭打ちと極刑の判決が下されたことに驚愕している。

宗教あるいは信仰の自由は、普遍的人権であり、世界中どこにおいても、何人についても擁護されなければならないものだ。スーダンは、国際連合およびアフリカ連合の関連協定を批准しており、よって、特に自らの宗教もしくは信仰を自由意志で選択、変更、放棄する権利を含み、宗教あるいは信仰の自由を擁護し推進する国際的義務を負っている。

EUは、スーダンの多様なアイデンティティのあり方が、最近政府が行った国民対話の発表において賞賛されたことを歓迎しているとともに、国家の統合と和解に向けた一歩として、宗教的寛容を促進するよう要求する。

EUは、すべての国に、特に背教、異端、改宗を死刑によって処罰できるような場合には、宗教や信仰からの離脱あるいは変更、また他人をそのように仕向ける行為について、その個人を罰するもしくは差別する法規を廃止することを呼びかけている。

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