Skip to main content
2025年6月17日06時18分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
先立ち行く主イエスに従い進む

先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(10) 宮村武夫牧師

2014年1月14日11時26分
  • ツイート
印刷
関連タグ:宮村武夫
宮村武夫牧師+

二人の娘の十二年
マルコの福音書5章21節~43節

[1]序

マルコ4章21~41節を味わった際、35節の「その日のこと」に注意しました。それを手掛かりに、34節までに見る主イエスの教えと35節以下の実地訓練が同じ日のことで、切り離し得ない密接な関係にある事実を心に刻みました。

今回の箇所でも、25節の「十二年の間長血をわずらっている女」、また42節の「十二歳にもなっていたからである」の十二年に注意し、二人の同じ十二年間に意を注ぎたいのです。この十二年間に、二人のそれぞれに何が起こり、どんな歩みをなして来たかマルコは描き、その二人が主イエスに出会っている事実をマルコは指し示します。

ヤイロと「ヤイロの娘」の記事(22~24、35~43節)の間に、主イエスに「娘よ」(34節)と呼びかけられた婦人の記事(25~34節)が割り込む形になっています。A(ヤイロの娘)、B(主イエスに娘と呼ばれた婦人)、A(再びヤイロの娘)とサンドイッチの形で、AとBの切り離し得ない密接な関係をマルコは巧みに伝えています。

[2]主イエスに「娘」と呼ばれた女性(25~34節)

(1)主イエスに出会う前十二年間
マルコは、25、26節において、この婦人が主イエスに出会う前の十二年間について、幾つか大切な情報をマルコらしい率直な描写で伝えています。

①健康状態
「十二年の間長血をわずらっていた」とあります。ある方によれば、月の障りの状態が月に数日ではなく、毎日、しかも十二年続いたことを意味するとあります。

また29節に見る、「すると、すぐに、血の源がかれて、ひどい痛みが直ったことを、からだに感じた」とある癒やしの描写は、それ以前の十二年間がどのようなものであったか「言わず語らず」です。

②宗教的隔離(かくり)
当時のユダヤ社会では、この方のような長期間の出血を生命そのものが消滅していくものと考え、当人は宗教儀式にも参加が許されなかったと言われます。

27節の「彼女は、イエスのことを耳にして、群衆の中に紛れ込み、うしろから、イエスの着物にさわった」との行為は、汚れた者として退けられるのを恐れざるを得ない彼女の立場を示しています。

ですから26節に見る彼女の状態は、表面的には違いますが、先に3~5節で見た実例と同じく悲惨なもの。

③経済的破綻(はたん)
医者であったと伝えられるルカ(コロサイ4章14節)の描写と比較しますと、マルコの特徴は明らかです。

「ときに、十二年の間長血をわずらった女がいた。だれにも直してもらえなかったこの女は」(ルカ8章43節)

「この女は多くの医者からひどいめに会わされて、自分の持ち物をみな使い果たしてしまったが、何のかいもなく、かえって悪くなる一方であった」(マルコ5章26節)

医療従事者が礼拝出席者の三分の一以上になる、首里福音教会の礼拝で読むのは少し勇気がいると言っても大袈裟(おおげさ)ではない表現です。当時も医者に対する高い称賛(しょうさん)と厳しい評価の両面があったと伝えられています。私たちとしては、マルコの資質と特徴を再度確認したいのです。マルコは言いにくいことも率直に言える人、また目をそらさず現実も正面から見据え続ける人、聖霊ご自身の導きの中に神経の図太い、なかなかの人物として用いられていると見ます。

なお当時医者にかかれるのは、経済的に恵まれている人々のみだったと言われます。十年以上の出費に耐えられたとすれば、この婦人または家族はかなりの資産家であったと推察できます。

しかしこの婦人の立場からすれば、一定以上の資産がしだいしだいに減り続けて行く、それを見ながら何もできない現実なのです。これは、初めから資産などない者、例えば私などがちょっと測り得ない不安や苦しみであったと推測できます。

(2)主イエスとの出会い、婦人の信仰
マルコが婦人の過去12年間について記すのは、主イエスとの出会いの意味、彼女のキリスト信仰を描き、幾つかの点を確認するためです。

①「彼女は、イエスのことを耳にして」(27節)
この婦人の場合も、「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです」(ローマ10章17節)。そして「宣べ伝える人がなくて、どうして聞くことできるでしょう」(ローマ10章14節)なのです。

②「うしろから、イエスの着物にさわった。『お着物にさわることでもできれば、きっと直る』と考えていた」(27、28節)
ここに見るのは、自分自身だけを見るのではなく、主イエスを見上げひたすらな信頼をささげている事実であり、そこから生まれる行為をなす姿です。誰を見上げるか、誰に信頼をささげるのか。そうです、誰が相手か、大切なのはこの一点です。

③主イエスとの「公」にされる人格的な関係(33節)
「イエスは主」との旗を掲(かか)げるのです。そして一度掲げた旗を日々の生活で、また生涯の終わりまで掲げ続けるのです。新店開業ばかりでなく、店を開き続ける恵みを無駄にしない、それが課題です。

④主イエスの婦人に対することば(34節)
31節の弟子たちの誤解についても、ルカ8章45節はやわらげた表現、マタイの記事(マタイ9章18~26節)では言及していないのです。しかし何と言っても、中心は34節、主イエスの婦人に対することばです。

「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい」

[3]「ヤイロの娘」(21~24、35~43節)

(1)ヤイロの家庭、その十二年
①十二年前、ヤイロ夫妻に女の赤ちゃん誕生、その喜び。参照ルカ8章42節、「十二歳ぐらいのひとり娘」。会堂管理者として地域の指導者である家庭の光。

②十二歳。当時のユダヤでは、十二歳は結婚適齢期に達する年齢。私たちにとっての十八歳とか、二十歳の感じ。俗に言う番茶も出花、娘盛りにさしかかる年齢です。その娘を、「私の小さい娘」(23節)とヤイロは呼ぶのです。

③ヤイロの娘の病。直接にはどのようなものであったか記されていません。しかし娘の病がヤイロ家にどれほどの打撃であったか十分推測できます。また長血をわずらっていた方が慢性の病であったとしたら、ヤイロの娘の場合は、何か急性の病で、急激に病状が悪化したとも推察されます。

(2)ヤイロの信仰
①22節
主イエスの足もとにひれ伏す行為を通して示される、ヤイロのキリスト信仰。

②23節
22節に見る行為へ導く、ヤイロの心のうちなる確信の活写。

③35、36節
状況の変化のなかで、恐れる可能性があったかすでに恐れていたか、その状態の中で、主イエスのことばに支えられ、ヤイロは信じ続けるのです。

[4]結び

(1)主イエスの二人の娘に対することば
①長血をわずらっている女に対する、アフターケアと言うべきことば
「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい」(34節)

②ヤイロの娘について、これまたアフターケアというべきことば
「少女に食事をさせるように」。癒やしだけでなく食事も。

二人とも癒やされて、それで終わりではない。癒やされた者として、どのように生きるべきか、それが主イエスの関心の的なのです。罪ゆるされた罪人として、私たちがいかに日々生き生涯を全うさせて頂くか、これが大切なのです。

(2)では、ヤイロの娘の信仰は
長血をわずらっている女の信仰、またヤイロの信仰に私たちは意を注いできました。ではヤイロの娘の信仰は、どうなのでしょうか。主イエスの言動を通して、神の愛の徹底的、一方的な注ぎかけです。何しろヤイロの娘は死んでいるのですから。ここにこそ恵みの先手を見ます。これこそ、私のような者がキリスト信仰に加えられている源です。どんな方のためにも祈っていいのです。祈るべきなのです。中心は、主イエスの愛です。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:宮村武夫
  • ツイート

関連記事

  • 先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(9) 宮村武夫牧師

  • 先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(8) 宮村武夫牧師

  • 先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(7) 宮村武夫牧師

  • 先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(6) 宮村武夫牧師

  • 先立ち行く主イエスに従い進む-マルコの福音書講解説教-(5) 宮村武夫牧師

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「もうひとりの助け主」の恵みを受けよう 万代栄嗣

  • 待ち望む力 佐々木満男

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 平安を探る道 穂森幸一

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「もうひとりの助け主」の恵みを受けよう 万代栄嗣

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.