使徒の働き味読・身読の手引き(50) 宮村武夫牧師

2013年11月16日17時53分 コラムニスト : 宮村武夫 印刷
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神が私たちを招いて
使徒の働き16章6節~10節

[1]序

使徒16章6~10節を直接見る前に、16章1節以下に見る第二次宣教旅行がもともとどのような計画に基づき進められたのか、15章36節、「幾日かたって後、パウロはバルナバにこう言った。『先に主のことばを伝えたすべての町々の兄弟たちのところに、またたずねて行って、どうしているか見て来ようではありませんか』」を、もう一度注意したいのです。

アンテオケにおいて、パウロはバルナバに呼び掛けたのですが、マルコの同行をめぐり、バルナバとパウロは別行動を取ることになり、パウロは計画通り町々の集会を再び訪問し励ました結果、「こうして諸教会は、その信仰を強められ、日ごとに人数を増して行った」(5節)のです。

16章6節以下では、パウロたちがアジヤからヨーロッパへと新しい地域へ福音を伝えていく様を記録し、宣教活動を導かれる宣教の主、主イエスの権威を鮮やかに描きます。6節と7節は、アジヤで宣教活動が制約を受けた場面、9節と10節は新しい段階への出発点。

[2]アジヤで

6節の前半に、「アジヤでみことばを語ることを聖霊によって禁じられた」とあります。ここでの「アジヤ」は、新改訳脚注に、「小アジヤの西海岸の州」とある地域のことです。

パウロの一行は、ピシデヤのアンテオケから西へ進み、アジヤ州の首都エペソその他の中心地へ向かう計画を立てていたと考えられます。この計画は「聖霊によって禁じられ」、彼らは、「フルギヤ、ガラテヤの地方」、つまり小アジヤの内陸の辺ぴな地域に導かれました。

パウロの一行は十分宣教旅行計画を練り(15章36節、16章4、5節)、それを実行していきました。しかし同時に、その歩みにおいて困難な状態の中で幾日も主なる神の導きを求め、互いに相談しながら次第に神のみ心を悟っていったと推察されます。

6節の「聖霊によって禁じられた」、7節の「イエスの御霊がそれをお許しにならなかった」との表現は、福音宣教の、そしてすべての中心がどなたであるかを明らかにしています。

[3]神が私たちを招いて

パウロの一行は、主なる神のみ心に従い退くべきときには退き、進むべきときには進み、「ムシヤを通って、トロアスに下」(8節)っていったのです。トロアスでも、おそらく福音宣教に励んだと推察されます(20章5、6節参照)。しかしその活動についてはルカは何も直接伝えていません。最も大切な事柄を、9節と10節で描いています。

(1)パウロは
9節では、ある夜、パウロが見た幻とその意味をルカは伝え、マケドニヤ地方全体の必要を強調しています。

この幻の記事を通して、神のご計画の中で、一定の地域が担う役割について考えさせられます。それは、沖縄など一定の地域と福音宣教との関係などだけでなく、私たちそれぞれがどこで生まれ、住み、働いているかなど場所の意味についても注意する必要を教えられます。

「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」と、マケドニヤにとって必要な助けが福音の宣教であると示しています。

(2)私たちは
9節から10節へ。9節は、パウロ個人の経験。しかしそれはパウロ個人のものとしてとどまらないのです。「パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したから」(10節)。「私たちは」、「私たちを」と繰り返し強調しています。

パウロ個人の経験はパウロの一行に伝えられ、各自が深く理解したのです。

[4]結び

(1)今回の記事を通して、主なる神に従い、とどまりまた前進する、神の国と義を第一に求める生き方(マタイ6章33節)を教えられます。

(2)個人の経験と群れの経験との結び。

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

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