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万代栄嗣牧師(11)・・・神のものを神に返す心の姿勢

2007年7月23日07時04分
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万代栄嗣牧師+
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 律法学者、祭司長たちは、・・・義人を装った間者を送り、イエスのことばを取り上げて、総督の支配と権威にイエスを引き渡そう、と計った。その間者たちは、イエスに質問して言った。「・・・私たちが、カイザルに税金を納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」イエスはそのたくらみを見抜いて彼らに言われた。「デナリ銀貨をわたしに見せなさい。これはだれの肖像ですか。だれの銘ですか。」彼らは、「カイザルのです。」と言った。すると彼らに言われた。「では、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」・・・(ルカの福音書20章19節〜26節)



 マンションの構造計算の偽装あたりから始まって、世の中は偽装ばやりです。挽肉に段ボールを混ぜたり、スイカにインクを注入して色をつけたり・・・。お金のためならどんなことでもする拝金(はいきん)主義(しゅぎ)がはびこっていますが、世の中の人々の心があるべき人間の姿から離れていくのに対して、私たちはいつも、イエスの前で整えられることを心から感謝します。表面に現れた問題ばかりを解決しようとするのではなくて、私たちはいつも、イエスによって問題の根っこの部分、問題の中心の部分から取り扱っていただくことができるから感謝なのです。



 毎年のように巨大化している台風ですが、地球環境の根本的な問題から解決されなければ、止めようがないと思わされます。この聖書の箇所でも、人間の問題の根本原因である罪の大きさを感じさせられます。



 一見熱心な信仰者に見えるパリサイ人、祭司長、律法学者たちが、こともあろうか、神からの救い主、いえ、神ご自身に対して敵対心を抱いてしまったのです。それほどの心のひねくれがあったのです。



 しかしこの物語を、ただ人ごとにせず、様々な問題の原因が私たちの内側にないだろうかと、自分自身へのお言葉として受け止めたいと思います。



 二つのことを私たち心の中に刻みつけましょう。



1.偽装の手段まで使う行動の汚さ



 嘘の手段まで使ってしまうような行ないの汚れが、私たちの生活の中にはよく起こります。当時の指導者たちは、イエスに対する怒りやねたみ、憎しみを持つだけではなく義人を装った、間者(スパイ)まで送り込んだというのです。



 しかしそういう汚れた行ないが、私たちの周りにも起こり得るから、気をつけたいのです。嘘も方便、上辺は、小手先の・・・など、普段私たちが使う言葉の中にそのような言葉があるということは、生活の中で当然のように偽装が行なわれる危険があることを意味しています。人を騙すことを合理化してしまい、遂には義人を装って騙すような人間になってしまわないように気をつけたいと思います。



 私たちクリスチャンは、神が戒める、嘘や偽りなどの人生の反則行為には決して手を染めませんと、素直に語るものでありたいと思います。会社の書類、報告書、お客様への説明が、嘘で嘘を固めるものにならないように気をつけましょう。私たちだけで、全ての事態を解決することはできないとしても、会社や家庭で、社会での人間関係で、嘘は精一杯避け、正直に生きようとするあなたの態度が、あなたと周りの人を、必ず守ることになります。行ないの汚さに手を染めることは、神の御心を喜ばせません。



2.悪知恵ばかりを働かせる心の汚さに注意



 律法学者も祭司長も、パリサイ人の指導者たちも元々は真面目な人だったからこそ、人々の指導者になったはずなのです。しかし、いつの間にか、思考や行動の原動力が純粋な信仰心から変質し、腐れ果て、出てくるものが全部狂ってしまったのです。



 私たちの心の中心がいつも清められ神の愛に満たされることが大切です。神によって救われたはずの、あなたの心が悪循環の原因となっていませんか。世の中には様々な考え方が満ちています。しかし、イエスの視点を与えられ、人生の反則行為を正しく見極め、手を出さないことです。クリスチャンであるはずのあなたの心を、もう一度しっかりと整え直して欲しいと思います。



 私たちの人生の解決はやはり、イエスです。ここでイエスに巧妙な罠が仕掛けられました。スパイは「ローマの皇帝に税金を納めることは良いことですか?」と尋ねます。答は良いか悪いか2つに1つです。



 良いことだと言えば、ユダヤの占領者であるローマに味方することになり、悪いことだと言えばローマ帝国に対する反逆罪として捕まえられてしまう。どちらにしても、逃げ道のない問いかけだったのです。



 イエスは答えられました。「カイザルのものはカイザルに返しなさい。しかし、神のものは神に返しなさい」と。



 複雑に見えるこの社会の中で、本当に幸せをつかみ取る人生の生き方があります。それは、自分の魂の中にも生活の中にも、神に結びつく時間をちゃんと作り出す人生を確保することです。礼拝や献金、人間関係や奉仕においても、中途半端な信仰者の生き方ではなくて、神のものは神にお返しするという、軸の座ったものを選び取っていこうではありませんか。



 暗闇のあふれる時代に、私たちは清められ祝福された生き方をイエスによって必ず与えられます。イエスご自身が率先(そっせん)垂範(すいはん)して、私たちの前を歩いてくださいました。主に従い、正直に真実を語り、人々を愛し自分のほうから与える、神中心の生き方を選び取りましょう。



◇



万代栄嗣(まんだい・えいじ)



 松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など、多岐にわたる。



 また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。



 国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。

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