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ロシア宣教、若者を中心に拡大

2012年6月14日16時46分
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ロシア首都モスクワにある中学校。背後にモスクワ大学の塔が見える。+

旧共産主義国ロシアにおいて、若者を中心とした伝道が拡大している。13日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。

ロシア国民をイエスの福音で満たすことを使命とするピーター・デイネカ・ミニストリーで宣教活動に携わるセルゲイ・ラクバさんは、旧ソ連時代まだ独立を果たしていなかったウクライナで生まれ育った。

ラクバさんは「旧ソ連は一つの大きな帝国でした。国自体が無神論という宗教を崇拝していました。国家のイデオロギーに従ってすべてのものが建てられていました」と語る。旧ソ連崩壊後、ウクライナは独立を果たしたため、ラクバさんはウクライナという国に生まれた自分のアイデンティティを見出すための道を模索するようになった。

ウクライナでは福音主義者にとって宣教の自由はある程度確保できるものの、ロシアではロシア正教会が正式なキリスト教としての牙城を築いていたため、福音主義者にとってロシアで宣教を行うのは困難が立ちはだかっていた。20年前にも福音主義キリスト教宣教師らがロシア宣教に向かったものの、プーチン大統領就任後は福音主義キリスト者による宣教が認められない状態に陥ったという。

ラクバさんは「ロシアではロシア正教が絶大な権力を与えられています。政治的な面で、ロシア政府との互恵関係を享受しており、福音主義キリスト者は影に追いやられています」と述べている。

ロシアで暮らすキリスト者は、生活の一環として迫害を受けてきた。そのため旧ソ連崩壊後は、神学校のない状態から新たな教会をどのように発展させていくべきかわからず苦心する時代が続いたという。

共産主義の掟の中で行ってきた福音主義宣教の方式が、現在のロシアの状況下においてはもはや時代遅れのものであることから、ロシアの宣教ミニストリーは宣教対象をロシアの若者に当て、地域の必要に応じた宣教ができるように戦略を練るようになったという。

ラクバさんは、「先代のロシアキリスト者は共産主義体制下の迫害や抑圧を耐え抜いてこられました。その信仰のバトンを若者の指導者に譲渡し、訓練して行く必要があります。そうすることによってより効果的、戦略的にロシアで宣教活動が継続的に行われるようになると思います」と述べている。

同ミニストリー「壁のない学校」プログラムではロシアに住む数十万人の人々を対象にした福音伝道を手掛けている。昨年度は二千人以上の若者が「壁のない学校」の授業に参加し、教会の指導者の役割について学んだ。「壁のない学校」の活動によって五十万人程の人々に同ミニストリーを通した宣教活動が知れ渡るようになったという。

欧州サッカー連盟(UEFA)2012年サッカートーナメントでは、「壁のない学校」の学生がギデオンインターナショナルと協働して十万冊もの新約聖書をトーナメント開催中に配布している。

ラクバさんは「旧ソ連崩壊以来、ロシアでサマーキャンプを開催しています。サマーキャンプは夏のミニストリーで最も効果的です。しかし今年はウクライナにとってサッカートーナメントが行われるため、この機会を利用しない手はない特別な年です」と述べている。

ここ数カ月、ロシアのミニストリーでは、クリスチャンの専門家を養成し、キリスト教と世俗社会を結びつけるためキリスト教専門家の役割がいかに重要であるかを伝えることに努力している。ラクバさんによると旧ソ連時代は、キリスト者は大学で勉強することが許可されなかったという。そのため共産主義体制下でキリスト者の医師、弁護士、教師が急激に減少するようになったという。

旧ソ連時代ラクバさんはキリスト者の医師を数人しか知らなかったが、現在では数百人ものキリスト者の医師をロシア国内で知るようになったという。2か月前にはロシア国内で500人ものキリスト者の医療関係者が集う集会が開催された。ラクバさんは同様の集会がキリスト者の弁護士や教育者によっても行われることを期待している。現在ではロシアの大学で学ぶ多くのキリスト者が存在しており、卒業後ロシア国家に大きな影響力を与える仕事をするようになっている。

ラクバさんは「ロシアでの福音宣教の必要はますます高まっています。次世代の担い手となるキリスト者の若者のための訓練を強化して行くことが必要です。今は本当に重要な時です。この時代が世界に対してキリスト教宣教のための人材を派遣していくひとつの種となる時代であると信じています」と述べている。

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