2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件で倒壊した世界貿易センター跡地に建てられた「鋼鉄の十字架」について、米国民の10人中7人がその存在を支持していることが24日、米調査会社ラスムッセンによる全米調査の結果明らかになった。米クリスチャン・ポスト(CP)が報じた。
ラスムッセン報告書によると、ほとんどの米国人は教会活動と国家の役割を分離されたものと見なすことは問題と考えておらず、9.11テロ事件跡地に鋼鉄の十字架を建てることも問題ではないと見なしていることが明らかになった。
同調査では「鋼鉄の十字架」を建てたことについて宗教的であると反論する無神論者のグループについてどう思うか7月29日から30日にかけて1000人の成人米国人に調査を行った。
その結果、調査に参加した米国人のうちの68パーセントが米憲法が教会と国家が分離されたものと見なしていることに賛成しており、貿易センター跡地の十字架の建設については72パーセントが憲法上問題ないと見なしていることが明らかになった。一方十字架を建てたことが憲法上問題であると答えた人の割合は10パーセント、「分からない」と答えた人の割合は17パーセントとなった。
9.11テロ事件から10周年を迎えようとする米国において、先週米無神論者らが貿易センター跡地および隣接する博物館から十字架を取り除くように要求する訴訟を起こしていた。訴訟を起こした無神論者のグループは、「他宗教の象徴となるものも十字架と一緒に建てることができないのならば、十字架は取り除かれるべきだ」と訴えている。
全米法律正義センター(ACLJ)は世界貿易センター跡地に建てられた「鋼鉄の十字架」が米国法に違反した宗教的なものであるという米無神論者らの訴えについて、法廷助言者を立てると発表していた。
無神論者のグループは貿易センター跡地、博物館での十字架の設置は「政府が所有する土地において不法に特定の宗教を宣伝している」と訴えている。訴訟では十字架が設置された博物館、ニューヨーク州、ニュージャージー州およびニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ氏を被告として挙げている。
ブルームバーグ市長は同訴訟について、最近のラジオ放送で「米無神論者らは訴訟を起こす合法的な権利があります。一方で十字架に希望と強さを見出すことのできる人たちにとっては十字架というキリスト教のシンボルを大切にし、またそれが大切であると表現する自由があるでしょう。十字架の展示は人々に影響を与えます。十字架によってそれを見る人々に強さを与えてきました。博物館に来る人たちは、それが正しいと思うかどうかは別として、9.11テロ事件後の人々に影響を与えたバックグラウンドとなっているものは何か知りたいと思われるでしょう。それが歴史というものです。博物館は歴史のために存在しており、人々に展示によってその歴史を教える役割があります。一方でその展示物を見た結果、博物館を訪れた人が何を感じどういう行動をするかは自由です」と述べている。一方でブルームバーグ氏は、ダビデの星や聖書など、他の宗教的象徴を9.11テロ事件跡地および博物館で展示することも考慮に入れているという。
米共和党議員で米議会祈祷部会議長を務めるランディ・フォーブス氏は先週の無神論者らによって行われた訴訟について「(十字架の意味を)誤解しており、遺憾に感じます。十字架を取り除こうとする試みは、公共空間からすべての宗教的シンボルを取り除こうとする絶え間ない試みの一環にすぎません。多くの人々の命を奪った歴史に残る悲しみの日の象徴として建てられた十字架を取り除くことは、その十字架によって慰めを受けてきた多くの被害者・遺族の方々に屈辱を与える行為です」と述べている。
2001年9月11日に生じたテロ事件後に建てられた「鋼鉄の十字架」は貿易センタービル崩壊後の残骸から偶然見つかった十字架の形になった鋼鉄の角材をシンボルとして跡地に建てたものである。元々はニューヨークでもっとも伝統あるカトリック教会である聖ペテロ教会に建てられていた。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(236)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(中編) 広田信也
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
WCC常議員会、中国の公認教会指導者らと会合 発表文書では非公認教会の弾圧に触れず
-
逆境は人生を開く 穂森幸一
-
ワールドミッションレポート(11月30日):アフリカ・サヘル地域、死の陰から生まれた祈りの軍隊(5)
-
主からの “いのちの水” を獲得しよう 万代栄嗣
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(16)「生きているだけで丸もうけ」 臼田宣弘
-
ワールドミッションレポート(11月26日):アフリカ・サヘル地域、死の陰から生まれた祈りの軍隊(2)
-
ワールドミッションレポート(11月29日):アフリカ・サヘル地域、死の陰から生まれた祈りの軍隊(4)
-
15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」
-
チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
欧州の反キリスト教ヘイトクライム、依然として多発 年間2200件超発生
-
中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
逆境は人生を開く 穂森幸一
-
青山学院と山梨英和学院が協定締結、授業連携など視野に
-
武装集団がカトリック神父の住居を襲撃、神父ら数人拉致し1人殺害 ナイジェリア
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(16)「生きているだけで丸もうけ」 臼田宣弘
-
オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過
-
15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」
-
チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心
-
メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優
-
聖心女子大学で企画展「カトリックは日本社会の窓だった!」
-
ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

















