セルチャーチ特集の第3回目は、より広い視野でセル運動の全体像を見渡すために海外に目を向けた。現在、全世界各地で同時多発的にセル教会の爆発的なリバイバルが興っている。代表的な例としては、ラルフ・ネイバー師の助けによって世界的なセル教会になったシンガポールのFCBC、コロンビア・ボコタのICM教会、米国ベタニ教会、これらの教会はセル化に転換したことで短い期間で劇的に成長を遂げ、世界を代表するセル教会として影響を及ぼしている。その他にも北米だけで数百のセル教会が活発に建てられている。韓国、エルサルバドル、エクアドル、タイ、ペルー、イギリス、ロシア、ウクライナ、オーストラリア、アフリカ、南米、香港、インドネシアなどの教会でも大きな成長が見られ、我々に大きな希望をもたらしている。今回は世界のセルチャーチ運動の現状を国際的なセルチャーチ研究のリソースを公開しているCell Church Solution(以下CCS)(http://www.cellchurchsolutions.com)の資料を元に紹介したい。
CCSのJoel Comiskey氏の論文によれば、現在、その規模において世界でトップ10のセルチャーチは次の通りである。これらの教会は主日礼拝に多くの教徒を集め礼拝を捧げている。
1位 ヨイド純福音教会、韓国、礼拝参加:25万人、セル数:25000
2位 恵みと真理教会, 韓国、礼拝参加:10万5千人、セル数:1000以上
3位 クムラン・メソジスト教会、韓国、礼拝参加:5万人 セル数:2700
4位 ナンブ純福音教会、韓国、礼拝参加:4万7千人、セル数:不明
5位 エリム・クリスチャン教会、エルサルバドル、礼拝参加:3万5千人、セル数:11000
6位 国際カリスマミッション教会、コロンビア、礼拝参加:3万5千人、セル数:14000
7位 シャワー・オブ・グレイス教会、グアテマラ、礼拝参加:2万5千人、セル数1000以上
8位 ワード・オブ・フェイス教会、ウクライナ、礼拝参加:2万人、セル数:不明
9位 ファミリーオブゴッド教会、インドネシア、礼拝参加:1万2千人、セル数:1000以上
10位 フェイス・コミュニティ・バプテスト教会、シンガポール、礼拝参加:1万1千人、セル数:700
印象深いのは、韓国の教会が上位4位を占めているということだ。また、1位のヨイド純福音教会は信徒数が世界で最も多い教会である。ヨイド教会のセルモデルはジョ・ヨンギ(David Cho)牧師が病床の中で主が啓示してくださった教会の形であるといわれている。特筆すべきことは、1位のヨイド教会のジョ牧師と2位の恵みと真理教会のジョ・ヨンモク牧師は実の兄弟でありながら、互いに独立してセル教会を建て、世界の1位と2位を占めていることである。また、韓国の上位を占めたセル教会のモデルは、ヨイド純福音教会をモデルにしている。
以下は世界の各地域のセル教会の状況をまとめた。
北米のセル教会
北米の教会はトップ10リストには載っていなかったが、ルイジアナ州のベタニ教会(Bethany World Prayer Center in Baker)が代表的に大きな成長を遂げた。700のセルグループと8000人の主日礼拝動員数を誇る。ベタニ教会だけでなく、オクラハマ州のU.S. Victory Temple in Tulsa教会(主日礼拝動員数:1万2千人)やその他多くのセル教会が発展している。
南米のセル教会
南米では、トップ10に三つの教会(Elim, ICM, Shower of Grace)が入っている。ブラジルには2000ものセル化した教会が存在する。Cell Church Mission Networkのディレクター・ネビル・チェンバリン氏は、「バプテスト教団やAssemblies of God教団のような所が、数百もあるすべての教会をセル教会に変更することを決めている。」と発言している。
東南アジアのセル教会
9位がインドネシアのファミリーオブゴッド教会である。1999年に273個だったセルが現在は1000個に増えた。セル化運動は10年前から始まり、現在は1万2千人が主日礼拝に参加している。また、この教会は昨年、25個の子教会を開拓した。この成功の鍵となったのが、彼らがいまセルセミナーで盛んに教えている「12の理論」である。この教育理論は多くのセル教会で大きな成果を挙げている。
10位のフェイス・コミュニティ・バプテスト(FCBC)教会は1986年に600人で始まった。ラルフ・ネイバー師の協力で、1988年セル教会として建て直しを行った。12年後700のセルと1万1千人の礼拝動員数を持つ教会に成長した。この教会はアジアで最も代表的な例として広く知られるようになった。毎年開かれるセルチャーチ・カンファランスでは1000人を超す牧師が集まる。
アジアのセル教会
香港セル教会はイエス様の失われた羊を探すために、情報を共有し、ネットワークを用いた良い先例を示している。シンガポールのシティーハーベスト教会は1万1千人のメンバーで構成され、週に400人がキリストのために堅信を決意する。約500のセルがシンガポールの福音化に寄与している。一方、タイはクリスチャン人口0.5%以下の国であるが、ホープバンコク教会は例外である。この教会は礼拝動員数9千人、1000のセルグループがある。この教会は神様がいかにセル教会を用いられているかを示している。
南アフリカのセル教会
南アフリカでは約3000の教会がセル化を進めており、静かな発展を見せている。南アフリカのセル化はユニークな方法で、数百の教会がともにセル化に転向した。うまくセル化した教会のリーダが他の教会のセル化を助けることで、完全なセル化のシフトを実現している。代表的なセル教会としては、ケープタウンのクリスチャンセンター教会やヨハネスブルグのクリスチャンファイミリー教会などがある。
東ヨーロッパと旧ソ連圏のセル教会
8位の教会がウクライナのワード・オブ・フェイス教会である。この教会は旧ソ連圏では最大規模の教会。G-12モデルを適用したことで教員数が2万人に達するほどに成長した。ウズベキスタンで最も大きい教会はChurch of God Tash Kent(教徒数:1万人、セル数:1000)。迫害の中にあってもこの教会は繁栄し続けてきた。ハンガリーのブダペストにはフェイス教会がある。ナメツ牧師が牧するこの教会は旧共産圏の中でも急速な発展を見せた。ブダペストには63の家庭セルがあり、平均して5000人が主日の礼拝を捧げる。フェイス教会と関連がある信者数は4万人である。
また、論文ではこれらの教会が大きく成長を遂げた原因を二つ挙げている。まずは、彼らは徹底して祈りに頼ったことだ。彼らの家庭生活そのものがセル教会の奉仕に満たされており、仕事もセル教会のための収入を得るためである。祈りの応えを待ち望み、主の下さる祈りの応えに喜び主を賛美した。次に、すべての人々のためのリーダシップがあったことだ。新たな人が伝道され主の弟子となったなら、ある特定の階級がリーダシップを取るのではなく、主を受け入れた人が恐れや不安なくリーダシップの中に取り入れられるようなセンスを持っていたということである。
論文では、この調査の目的について、どの教会が大きく、優れているかを調べたのではなく、神様がセルチャーチを用いてどのように働いておられるかを皆に示し、励みを受けるためだと述べている。セル(教会)はある特定の教会の細胞ではなく、イエス・キリストの巨大な体の一部であり、我々一人一人もまたイエス・キリストの体の一部である教会(セル)であるということを忘れてはならない。
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