ブレア首相、カトリック教会の訴えを却下 「差別禁止法」めぐり

2007年2月2日17時23分 印刷

 イングランド及びウェールズのカトリック教会を統括するオコナー枢機卿が、今年4月にイギリスで施行される予定の性的指向による差別を禁止する「差別禁止法」が施行されれば、カトリック教会系の養子縁組斡旋団体の活動を停止せざる終えないとして、イギリス政府に文書を送るなどの訴えを起こしている。ブレア首相は1月29日、養子縁組斡旋団体の同法免除を認めないことを明らかにした。しかし、「差別禁止法」の完全適用は、08年末まで延期されることになる。


 ブレア首相は、社会に差別があってはならないということが絶対前提であり、宗教団体であるとしても、公共の資金の提供を受けてサービスを運営する以上、差別を防ぐための法律から免除を認めることはできない、と見解を述べた。


 完全適用される08年末までに、同法は養子縁組斡旋団体に対して暫定的に適用され、それまでの期間、同性カップルからの養子縁組申請を受け付けない場合は、そのカップルを他の斡旋団体に委託することになる。


 「差別禁止法(The Equality Act2006)」は、すでに違法とされている性別や人種による差別に加え、性的指向に基づく差別を今までにない幅広い分野で禁止するもの。


 同法が施行されれば、養子縁組斡旋業においても性的指向に基づく差別が違法とされるため、「自らの信仰に反するため、同性カップルへの養子縁組斡旋はできない」としているカトリック系の養子縁組斡旋団体は、閉鎖に追い込まれる可能性がある。


 オコナー枢機卿は先月26日に声明を発表し、「イギリス政府は、もしカトリック教会が従来どおりの養子縁組事業を行うために地方自治体と協働したいのであれば、カトリック教徒は自分たちの信仰、良心に反して働けばいけないと言っている。これは、カトリック教会に対して、不適切で、不必要な、かつ不公平な差別である」と、同法施行に反対していた。


 英国国教会代表らも、自らの良心とは反する行為を強要することは、信教の自由を侵害するものであり差別であるというオコナー枢機卿の声明を支持している。


 今回のイギリス政府の決定に対して、カトリック教会側は英国カトリック教会に対する「挑戦」として非難している。


 カトリック教会系の養子縁組斡旋団体は、イギリス国内で年間約200件を扱う。イギリス国内の全縁組の約4%ほどであるが、養親を探すことが難しいケースを多くとり扱っており、今まで養子縁組斡旋業において業績を残してきた。


 今後、差別禁止法の08年末完全適用までの期間、カトリック教会や養子縁組斡旋団体が同性カップルの縁組を他団体に委託するという妥協案など、議論が続くとみられる。

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