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峯野龍弘牧師(7)「真に重要、不可欠なこと」

2007年1月20日06時48分
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峯野龍弘牧師+

 ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会、峯野龍弘主管牧師のコラム7回目です。


                             ◇


 人は小さいこと、貧しいこと、弱いこと、低いことを恥じ、臆し、恐れ、悲しみ、かつ不幸なことと思いがちである。


 しかし、本当にそうなのだろうか。いや決してそうではない。


 そもそも小ささ、貧しさ、弱さ、低さを恥じ、臆し、恐れ、悲しむのは、お互いが欲に捕らわれ、世俗の価値観に支配されているからである。そして自分と他者とを比べ優劣を競っているからである。


 しかし、愛と信仰と霊の眼を持って見るならば、換言すれば神の御心と人間の真の本質から見るならば、お互いにとって小さいこと、貧しいこと、弱いこと、低いことなど、少しも問題ではない。


 人は、お互いの外見を見て相対的に優劣を競うが、神は人間の内実(本質)をご覧になり、絶対評価なさる。(サム上16・7参照)。神のなさる絶対評価とは、何か。それは聖いか、真実か、美しいかである。そして神の御前に立つお互いにとって何よりも重要かつ不可欠なことは、その人間性の本質においてお互いが、如何に聖いか、真実か、美しいかにある。


 そして更に大切な一事を記そう。それはこのお互いの人間性の中に宿ったかかる聖さ、真実さ、美しさが、お互いの一人格の中に凝縮した時、それが「愛」(アガペー)と呼ばれるものと成るという一事である。


 そこでお互いは、小さいこと、貧しいこと、弱いこと、低いことを恥じたり、臆したり、恐れたり、悲しんだりするのは止めよう。そうではなくお互いの内に、聖さ、真実さ、美しさ、つまり「愛」の一事が欠如していることを、恥じ、臆し、恐れ、悲しもう。その時お互いは心底から「愛」を求めるようになり、そして聖さと、真実さと、美しさを渇望するようになるからである。かくしてお互いは、もはや欲や世俗の価値観に支配されず、外見や優劣に捕らわれず、真に重要かつ不可欠な本質的人間性、つまり聖く、真実で、美しい「愛」(アガペー)に満ち溢れた尊い自己を、そこに築き直すことが出来るのである。


 小ささ、貧しさ、弱さ、低さは決して恥ずかしがり、臆し、恐れ、悲しむべき何ものでもない。真に恥ずべきこと、臆し、恐れ、悲しむべきことは、「愛」(アガペー)無きことである。


 それゆえ使徒パウロは、こう言ったのである。


 「たとえ、…であろうとも、愛がなければ、無に等しい。…愛がなければ、わたしは何の益もない。…最も大いなるものは、愛である。」(コリ一13・2,3)と。


                            ◇


 <峯野龍弘牧師プロフィール>


 淀橋教会にて牧会の傍ら、94年ビリー・グラハム東京国際大会実行委員長、日本メディア伝道協議会会長、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁、東京大聖書展実務委員長等を歴任。 今年5月には、米アズベリー神学校から名誉神学博士号を授与された。


 現在、JEA理事長、ウェスレアン・ホーリネス教団委員長、日本ケズィック・コンベンション中央委員長などを務める。国内、海外のキリスト教界のみならず一般社会でも広く講演活動に従事している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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