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峯野龍弘牧師「弱さと言う尊いもの」

2006年7月17日14時30分
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峯野龍弘牧師+
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 日本福音同盟(JEA)理事長、峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)のコラムを連載します。


                             ◇


 峯野龍弘牧師は、淀橋教会にて牧会の傍ら、94年ビリー・グラハム東京国際大会実行委員長、日本メディア伝道協議会会長、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁、東京大聖書展実務委員長等を歴任。 今年5月には、米アズベリー神学校から名誉博士神学号を授与された。


 現在、JEA理事長、ウェスレアン・ホーリネス教団委員長、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン理事長などを務める。国内、海外のキリスト教界のみならず一般社会でも広く講演活動に従事している。


                             ◇


 「弱さ」を恥じる人がいる。小僕も未信者時代には、大いに自らの弱さを恥じていた。しかし、今は違う。むしろ弱さを恥じていた自分が恥ずかしい。のみならず今では弱さを持つ自らにこそ、真の自分らしさを感じ、大いに好意と喜びをさえ覚えている。


 その理由は、何か。以下の通りである。


 第一に、弱さは被造物である人間の本分であって、神ならぬ人間に弱さがあって当然である。神のみが全能であって、すべての被造物は有限であり、弱さに満ちている。人間も決して例外ではない。


 第二に、この弱さを知って、それを恥じず、臆せず、隠さず生きて行くところにこそ、真の勇気と真実がある。自分の弱さを隠し、強がりを言い、あえて強く見せかけるところに、大いなる虚偽があり、また罪がある。


 第三に、弱さを卑しめ、強さを誇り、弱さのないことをいたずらに誉めちぎるところに、人間の大いなる誤謬と傲慢とがある。そしてこの傲慢は、卑屈の裏返しの心理であって、傲慢な人こそ自らの弱さに直面すると卑屈になりやすい。実に弱さは謙遜のバロメーターであり、人が傲慢の罪に陥らないために神が人間に与え給うた最良の安全弁であって、弱さこそ神からの最善の賜物である。


 第四に、弱さは神の偉大な御力により頼み、ただひたすら全能の神を仰ぎ望むための王道である。人はこの弱さという王道を通して、いち早く神の偉大な力と恵みに与ることが出来る。己れの知恵と力を過信し、自らを誇る者は決して大いなる神の叡智と御業に与ることは出来ない。それゆえ自らの弱さを知って神の偉大さに信頼する人は、自らの強さを誇り神により頼まない人にはるかに優って、人生の勝利と祝福を神から受け継ぐ。


 第五に、かくして弱さは、決してお互いの人生にとって不利益でも短所でも、マイナスでもない。のみならず実に弱さこそ、神からの偉大な御力と祝福、真実と謙遜、叡智と勝利を獲得する最短の近道であり、最良の恵み、最強の力、最大の長所、プラスである。


 だから主は使徒パウロにこう言われた。「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ、十分に発揮されるのだ」(コリ?十二・9)と。そこでパウロもまたこう断言したのだ。「だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。それゆえ、わたしは弱さ・・・に満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです」(同10)と。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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