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避難生活から見出される「神様の世界」

2011年4月5日13時20分
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東京電力福島第1原発事故から3週間が経過したが、未だ原発付近は強力な放射線に包まれ、原子炉の状態について不透明な状態が続いている。そのような中、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部では4日から、原発の安全性の確保・向上を目的とした「原子力安全条約」の検討会合が開催された。

世界中から福島原発への注目が集まる中、天野之弥IAEA事務局長は、福島原発の状態について「極めて深刻な状況が続いている」と述べた。IAEAの原子炉専門家らが、数日内に福島原発危機管理室を訪れ、情報を共有し、その後IAEAが本格的に福島原発事故の評価を行い、今後の原発の安全性に関する本質的な改善に取り組んでいく予定であるという。

福島第一聖書バプテスト教会(保守バプテスト同盟)は、原発の放射能漏れにより、立ち入り禁止のゴーストタウン区域の中にあり、教会員がそろって避難所生活を強いられることになった。同教会牧師の佐藤彰氏は避難生活の様子を克明にホームページで報告している。

国内主要メディアでは、今回の大震災による福島原発事故・津波による被害から得る教訓の重さについて言及されているが、まだ今後に対する明確な教訓の指針はつかめていない。そのような中佐藤氏は、今回の震災で教会員が集団で避難生活をする事態について、夫人が20年以上前から、教会員が合宿しながら各地を旅する夢を何回も見ていたことを証しした。佐藤氏は「神はもしかしたら、夢を通して私たちの潜在意識のなかに、大震災に遭遇しても心のどこかで見たことのある風景のように、狼狽し、うろたえすぎることのないように、今回私たちが遭遇した厳しい現実に、決して押しつぶされず、壊れて、崩れ落ちてしまわないために、あらかじめこの情景を心のどこかに焼きつけてくださったのだと思います」と述べている。

震災ですべてを無くし、教会や自分のスケジュールも白紙になったとたん、初代教会がエルサレムから散らされて旅する光景など聖書の世界に現実を通じてワープすることができるような、艱難の中にあってこその恵みを得ているという。予定が白紙状態になったものの、「気がつくと今は、毎日が神様の不思議スケジュールで動いています。地上のものが薄らぐと、神様の世界が浮き上がってくるのでしょうか。大きな流れの中に身をゆだねるよう導かれたのですから、じたばたせずに引き出されたものらしく、神様がコーディネートとされた別世界を、楽しむことといたしましょう」と証ししている。

放射能漏れのためゴーストタウンとなった福島原発近辺の町では、泥棒による被害も懸念されており、福島第一聖書バプテスト教会教会員は銀行や郵便口座を停止し、電気・ガス・電話も停止する手続きをとったという。同地域では未だに死者・行方不明者数が発表されておらず、皆相当の疲労と心労をかかえており、現実は深刻であるという。

一方で、佐藤氏は今回の出来事を受け全国・世界中の教会から支援を受けており、「私の人生は震災の後、御礼の旅をするだけでも、短すぎます。震災の後怒涛のように押し寄せた苦しみをはるかにしのいで余りある、山のような恵みに圧倒されています。『私の杯は、あふれています。(詩編23篇6節)』」と証ししている。

人間の計画や力では制御し得なかった大震災による被害を現実として経験し、すべてを無にして歩むことで、福島第一聖書バプテスト教会では、心の中から神様の事情・ご計画と思いをひとつにし、主に感謝するリバイバルの光が見え始めている。

福島第一聖書バプテスト教会では、スペースの都合などのため物資の受付は終了しているが、引き続き義援金を募っている。義援金は避難生活の他、教会復興再建のために用いられる予定であるという(義援金振り込み銀行口座はホームページまで)。

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