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選挙の声と宣教の声

2005年8月30日11時13分
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第44回衆議院選挙が30日、いよいよ公示された。解散に至った経緯に対する是非、「刺客」候補に対する是非、選挙の論点、今回の衆議院選、実にさまざまな意見があることだろう。しかし、街頭では候補者たちの熱い声が響いている。一日に10ヶ所以上で演説をする候補者も珍しくない。選挙戦が熱くなる今、われわれクリスチャンの宣教、伝道へ向けた熱心さをもう一度考えさせられた。

われわれは果たして彼ら以上の熱心さを持って福音を伝えているだろうか。テレビをつければ、声をからすばかりの大声を上げて叫ぶ候補者たちが映っている。彼らがそこまでにして訴えたいもの、そこまでして守りたいものは何か。言うまでもなく、国会は日本のあり方を左右する場である。彼ら国会議員によってこの国の舵取りが決まるといっても過言ではなかろう。しかし、われわれクリスチャン一人ひとりには、政治家一人ひとりに委ねられているのと同等、いやそれ以上に尊い多くの人々のいのちがかかっているのではないだろうか。

キリスト教会の発展の歴史をひもといてみると、それは殉教の歴史であったとも言えよう。ステパノの殉教の事件を見てみると、彼はモーセと神を汚す言葉を語ったという理由で訴えられ(使徒6章11節)、石で打ち殺された。彼が死をいとわず叫んだものは何だったのか。自らの義を誇り、選民の特権意識を持って自分たちだけの神に固執していたユダヤ人。彼に向かって、イエスキリストが指摘したのと同じように、その神殿を壊し、神を人の手で造った神殿に閉じ込めるその信仰を壊しなさいと主張したステパノ。神殿を聖なるものとして大事に守ってきたユダヤ人にとってはまったく理解しがたい話だが、彼らの間違いを鋭く指摘し、憎まれ殺されてもその歩みをやめなかった。どのようなことがあっても、兄弟姉妹が救われることを願う心は使徒パウロにも見られた。「もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」(ローマ書9章3節)私たちをキリストから引き離すことはできない、と話したパウロが、そのありえないことをくつがえしてまでも、同胞、同国人の救われることを切なく願ったのである。彼らの中には自らの同胞たちへの強い愛があった。

候補者たちの口から聞かれるのは、この国のため、国民のためという言葉だ。彼らの本音がどうあれ、はたしてわれわれクリスチャンは彼ら以上にこの国のことを思い、自らの民への愛をもって、そしてそれを世の中へと叫んでいるだろうか。ステパノは、自分を殺そうとする人たちであっても、最後まで愛を持ってあきらめず、死の勢力の前にたっても倒されず、堂々と叫んだ。いま、白熱する選挙戦を前にして、もう一度福音宣教への情熱を考えさせられる。熱く国のためを語る候補者以上の熱心さを持って福音を伝えるとき、この国は変わるのではないだろうか。

クリスチャンのすべての基準は聖書にある。地上に立てられる全ての権威は神の統治のもとにあるが(ローマ13章1節)、様々な権威が立てられるとき、どのような基準を持って祈り、参加して行くべきだうろか。教会のように主が臨在されることを願う場所や集まりにおいては、神による大きな権威を与えられた監督者がたてられる。その監督者を選ぶときの基準は何か。使徒パウロはテモテに話した。<?テモテ3章>非難されることがない人、家庭を良く治める人、謙遜な人、評判よく証される人でなければならない、このような人ならばよく役割を果たすことができるだろうと。

教会に必要なときによい監督者が来ることを願い祈るクリスチャンが、御国を思い、世の中の権威のために祈ることが美しいことではないだろうか。私たちの参加する選挙が、神の真理と栄光を輝かせるものとなるために祈り、候補者たちに少しでも多くの主の働きかけがなされるために祈ることが必要だろう。

われわれが候補者たち以上にこの国の将来を憂うならば、まずは熱心に福音を伝えるべきだろう。すべてのことにおいて宣教が先にたつ。選挙の声よりも大きな声で、宣教の声をあげなければならない。その上で、聖書に基づいた真実な祈りをささげるとき、神はわれわれがそのときになすべき最善の道をも示してくださるに違いない。

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