南部アフリカに位置するザンビアは、1964年に英国からの独立を果たして以来、比較的安定した民主主義国家として知られてきた。政情不安や戦火に苦しむ近隣諸国に囲まれながらも平和を維持しており、1991年には当時の大統領が「キリスト教国家宣言」を出したほど、キリスト教が社会的に受け入れられている国だ。
国民の多くがキリスト教を信じており、現地の調査によればクリスチャンを自認する者の割合は86%近く、福音派の割合も25%を超えているとされる。 しかし、福音派が多いというのは、自動的に「御言葉に根ざした生活」が実践されていることを意味しない。
実際、ザンビアでは、伝統的なアフリカ先住のオカルト的呪術、先祖崇拝などが深く根付いており、信仰の中にそれらが混ざり合ったシンクレティズム(混合宗教)が形成されている実態も多く報告されている。教会指導者たちは、まさにこの「見えない敵」=呪術や霊的強制力に対して声を上げ、キリストに根ざした生活の重要性を説いているのだ。例えば、今年、首都ルサカでは魔術や呪術を巡る裁判が行われた。これはザンビア全体に霊的・文化的な緊張があることを浮き彫りにしている。
このような背景を前に、ザンビアの教会には二重の課題がある。1つは、信仰が名ばかりにならず、日々の生活に「聖書的な知識」「聖書的な霊的実践」が根を下ろすようにすることだ。もう1つは、霊的に強固な文化・習慣を抱える民族の中で、キリストにある新しいアイデンティティーを築くことである。つまり、文化的背景を否定せずに、真理と光に動かされる共同体を、礼拝を通して育てることなのだ。
私たちは、ザンビアのキリスト者たちが「神の御言葉を知る者」として真理に立ち、純粋で聖なる生活を送るように祈ろう。また、ザンビアが真に「神を畏れる国」となり、福音がその礎となるように祈っていただきたい。
■ ザンビアの宗教人口
プロテスタント 52・7%
カトリック 28・6%
土着の宗教 10・9%
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