アンティグア・バーブーダは、カリブ海に位置する小さな島国であり、1981年11月1日に英国から独立し、現在は立憲君主制の下で議会制民主主義が採用されている。
観光業が経済の中心で、一人当たりの所得は約2万3千ドルで、世界182カ国中47位だ。一方で、資金洗浄や薬物取引、ギャンブル、暴力などの闇の経済活動も存在する。これらは政府の管理下に置かれつつも、依然として社会の一部に深く根を下ろしている状況だ。こうした環境の中で、教会が単なる宗教的活動にとどまらず、地域社会に積極的に関わる必要性が高まっている。
キリスト教が国民の大多数を占めており、4人に1人は福音派だ。アンティグア・バーブーダの人々のほとんどはキリスト教徒の家庭で育ち、多くは福音派に属している。しかし、長年の平和と安定の中で、道徳や霊的な課題に対する危機感は薄れ、教会の活動も日常の習慣として留まる傾向がある。
国内のキリスト教会は統一された活動が課題となっており、各教会や団体間の協力関係が求められている。2つのキリスト教ラジオ局があり、福音発信の拠点として可能性を秘めている。教会の牧師やリーダーたちは、これらの放送メディアやネットメディアを通じて、地域社会への霊的な影響力を広げるよう努めているが、まだ十分とは言えない。
こうした現状を踏まえ、政府が知恵と洞察力をもって社会悪に対抗し、教会が霊的な覚醒と地域社会への積極的な関わりを実現できるように祈ろう。さらに、教会間の協力と一致が深まり、ラジオ局が強力な福音宣教の働きをもたらすように祈っていただきたい。
■ アンティグア・バーブーダの宗教人口
プロテスタント 33・8%
聖公会 33・9%
カトリック 9・4%
イスラム 0・6%
バハイ 1・0%
無神論 2・1%
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