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世界宣教祈祷課題

世界宣教祈祷課題(7月5日):トルコ

2023年7月5日13時08分 執筆者 : 奥山実
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関連タグ:迫害トルコ
世界宣教祈祷課題(6月2日):トルコ+
トルコ最大の都市イスタンブール(写真:Alexxx Malev)

トルコで奉仕しているベリック(仮名)は、カザフスタン出身の教会開拓者だ。2月の地震がトルコを襲ったとき、彼は当局によって不当に収監されていた。

ベリックはトルコに召されていると確信していた。彼はトルコに行く前に、家族と共にカザフスタンのトルコ語系住民が住む村に移り住んだ。ここで彼は準備のために言葉を学び、村人たちに伝道した。準備が終わると彼は持ち物を売り払って、トルコのイスタンブールへ移住することになった。

彼は、流ちょうなトルコ語とロシア語に加え、クルド語を学び、ラジオ伝道団体と協力して、放送を通して連絡してきた人々のフォローアップを始めた。トルコ人やクルド人に聖書を配り、イエスについての疑問や質問に答えた。また、彼らを弟子化し、さらに彼らが他の人を弟子化するように導く。その結果、弟子が弟子を作り、第4世代に突入していた。

以下はベリック自身の言葉による証しだ。

親愛なる友人たち、今は困難な時代ですが、主は私たちに打ち負かされない力を与えてくださいました。主を賛美します!

私は、トルコのさまざまな被災キャンプを回っていましたが、3カ月間ほど刑務所にいたことを皆さんに知っていただきたいと思います。

事が起きたのは1月のことでした。私は教会に設置する消火器を買って帰ろうとしていました。ところが警官隊に呼び止められ、身分証の提示を求められました。パスポートを見せると、警察官の一人に「5分間チェックするから警察のバスに乗りなさい」と言われたので、その通りにすると、彼らは私の持ち物や携帯電話を取り上げ「あなたの身分を調べる」と言うと、そのまま私を移民センターに連れていったのです。しかし事実上、そこは刑務所だったのです。

「どうか私の書類を調べてください! なぜこんな所に勾留するのですか?」と聞きました。彼らは「お前がここにいたって誰も気にかけはしないさ」と答えたのです。15人ほどと一緒に留置されましたが、横になるスペースもなく座って夜を明かしました。朝早く、手錠をかけられ、待機しているバスに乗せられ、16時間後、別のキャンプに到着しました。そこで2、3日間過ごしました。

神は私に、私の周りにいる逮捕者に仕える機会を与えてくださいました。私は彼らに希望を語り、福音を伝えました。病気の人のために祈ることもできました。

数日後の朝、また大きなバスがやって来て、トルコ東部の別の都市に行くことになり、12時間の移動で、高い山々を越えました。あるカーブでは、バスが横転しそうになり危うく崖から落ちそうになったのです。感謝すべきことに神様の守りがありました。

翌日、新しいキャンプに到着すると、600人が収容される4階建ての建物に入れられましたが、そこは狭く、騒々しかったのです。そこでも囚人たちは私のところに来て、自分の出身や人生について話しました。彼らの多くは怒りや傷ついた心を抱えた人たちであり、中には重病人もいました。私は自分の房に来る人たちを慰め、励まし、毎日祈りました。ある男性は、脛(すね)が水で腫れて痛みがありました。私は彼のために5日間祈りました。すると彼は癒やされたのです。彼は主イエスを受け入れました!ハレルヤ!

キャンプでは毎日のように争いやけんかが絶えず、看守たちは暴力も使いました。キャンプの中には庭があったので、私はそこで毎日祈りました。「主よ、このキャンプに秩序をもたらしてください、あるいはキャンプの看守を変えてください」と。ここの人々は随分粗末に扱われていたのです。

ある日祈っていると「マラティアの地震」という言葉がはっきりと聞こえました。地震が起こる3日前です。

2月6日の午前4時、あの大地震が発生しました。壁に大きな亀裂が入り、建物が上から下まで真っ二つに割れているのが見えました。この日の地震で、トルコの広い地域で多くの人が死んだことを知りました。しかし看守は、建物の外に出ることを許さず、ドアは閉ざされたままでした。

ある囚人のグループが、無理やりドアを壊し始めると、たくさんの看守たちがやって来て、彼らを殴りつけたのです。収容所の全員が自分の部屋に戻ることを余儀なくされ、ドアの鍵はかけられたままでした。

水も食料もなく、耐えるしかありませんでした。同じ日の午後2時、最初の地震よりも強力な2度目の余震がありました。建物は揺れ、屋根は落ちました。私はコンクリートの柱に手をついて「おお、主よ、どうか私たちをお救いください」と祈ると、ちょうどその時、庭に出る許可が出たのです。神様をたたえます。その日は雪が降り、寒い日でした。

そのキャンプの建物は使えなかったので、私たちは人でごった返したコンテナに連れていかれ、そこに5日間も滞在しました。私は、同じコンテナにいたアフガニスタンの少年たちに福音を伝えました。その後、私たちは、1200人が収容されている他のキャンプに移されました。主はそこで多くの人々の心に触れてくださり、多くの人が救われました。聖霊に満たされ、癒やされる人もありました。

私がようやく解放されたのは4月5日のことでした。解放後に分かったのですが、私のために毎日10組の人たちが祈っていたのです。主に感謝します。特に妻と子どもたちに感謝します。彼らは信仰の祈りをささげ、私と共に立ってくれました。祈ってくれた友人たち、全ての人に感謝します。(ベリックの証し終わり)

外国人によるキリスト教伝道を取り締まるためだろうか、ベリックはトルコ当局によって不当に逮捕収監された。しかし、奴隷の囚人であったヨセフを立てた神、ピリピの牢獄に収監され、賛美を歌っていたパウロとシラスを地震によって解放されたのと同じ神は、囚人の身となったベリックを用いて、多くの人々に神の愛を示し、救いのメッセンジャーとして遣わした。

「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています」(ローマ8:28)

この聖書の御言葉と同じことが、まさしくベリックの上に起きた。神は、震災の悲しみや不当な逮捕の逆境から、喜びの種と希望の種をまいてくださる。ベリックや震災奉仕に就く兄弟姉妹を用いて、神が多くの救いと喜びの御業をなしてくださるように祈っていただきたい。

■ トルコの宗教人口
イスラム 96・6%
プロテスタント 0・03%
カトリック 0・06%
正教 0・03%
ユダヤ教 0・02%

※ この記事は、世界宣教センター所長の奥山実牧師のフェイスブックに掲載された「世界宣教祈祷課題」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:迫害トルコ
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