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スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ

2022年6月23日13時50分
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関連タグ:阿部正紀
最先端宇宙論の未解決問題とは? 「神の存在と科学は矛盾しない」東工大名誉教授が講演+
阿部正紀・東京工業大学名誉教授

最先端科学の謎から科学の本質について考える「オンライン・サイエンスカフェ」(インターナショナルVIPクラブ西落合・ルワンダ主催)が5日に開かれ、本紙でコラム「科学の本質を探る」を連載していた阿部正紀・東京工業大学名誉教授が講演した。今回が4回目のオンライン会議形式の集会に、約50人が参加した。電子物性工学が専門の物理学者である阿部氏が今回取り上げたテーマは、量子力学。その原理をめぐる論争の根底に「世界観の対立」があることを分かりやすく解説し、科学の本質に迫った。

「実は、量子力学や宇宙論などの物理学理論のみならず、進化論などの重要な科学理論は、世界観と深く関わり合っています。それ故、世界観に根ざした論争が起きているのです」。阿部氏は講演の冒頭でそう語り、量子力学の正統的解釈とそれに反対したアインシュタインの主張を対比しながら、それらの根底にある世界観について見ていった。

阿部氏は量子力学について、「原子より小さなサイズのミクロ世界の現象を解明し、エレクトロニクス社会をもたらして世界を変えた理論」と説明。例えば、DNAの分子構造が作られるメカニズムは、量子力学がなければ理解できない。太陽光パネルやパソコン、スマホを動かす半導体の原理も量子力学に基づいている。量子力学はもはや、科学技術の進歩に欠かせない重要な役割を果たしている。にもかかわらず、量子力学は今もなお、難解で謎めいた大問題を抱えているというのだ。

科学者たちを悩ませるのは、電子や光子(光の粒)といった量子の不思議な振る舞いだ。20世紀初期にアインシュタインが、ミクロ世界では「光は波動であるが粒子でもある」ことを示し、ノーベル物理学賞を受賞。さらにその後、「電子は粒子であるが波動でもある」ことが示された。この2つを合わせて「粒子・波動の二重性」と呼び、量子力学研究の基礎となった。

まったく別物である粒子と波動が結び付くことは、通常の概念では理解し難い。しかし「光は波動であるが粒子でもある」ことは実際に、太陽光パネルで光がフォトンと呼ばれる粒子として発電していることで実証されている。また「電子は粒子であるが波動でもある」ことは、電子顕微鏡で電子が波動として、光学顕微鏡と同じ原理で像を拡大していることによって証明されている。

スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ
忍者のイラストやアニメーションを使って量子力学の正統的解釈を説明する阿部氏

デンマークの物理学者ニールス・ボーアは、電子が粒子でもあり波動でもあるという謎めいた性質について、「電子は、観測しなければ波動として存在し、粒子としては存在しない」と説明した。ボーアはさらに、「観測すると波動が一点に収縮し、そこに粒子として出現する」と主張。電子がどの場所に出現するかは確率で決まり、予測できないとした。この解釈は「量子力学の正統的解釈」と呼ばれ、現在多くの科学者に受け入れられている。

しかしアインシュタインは、観測する前の電子については何も知り得えないとしたボーアの解釈を「反実在論」と指摘。知ることを断念する反実在論は科学の原則に反すると批判し、電子が常に存在している実在論的な真の理論を作るべきだと主張した。

アインシュタインの主張はその後、理論的にも実験からも否定されることになる。ところが、ボーアの反実在論的な正統的解釈に反対する物理学者が、実在論的な代替案として「多世界解釈」を唱えた。

多世界解釈では、この世界以外に多くの世界、つまり多世界が存在すると考える。まさに、正統的解釈よりもさらに奇想天外な考え方だ。その上で、電子を観測する前の世界は、観測によって異なった場所に電子が出現するそれぞれの世界が、重ね合わされた状態にあると仮定する。それを観測すると重ね合わせが解消し、多くの世界に分離。観測者はいずれかの世界で、出現した電子を見いだすと考える。ただし、電子の現れる場所は確率で決まり、予測できない。つまり、観測前にも電子が各世界で実在するという実在論を確保しつつ、正統的解釈と同じ観測結果が得られるというわけだ。

スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ
スライドで図を示しながら「多世界解釈」について分かりやすく解説する阿部氏

しかし、多世界解釈には大きなデメリットがある。仮に訪問や通信によって「他の世界」の存在が確かめられたら、その世界はこの世界に属することになる。つまり、証明が不可能な多世界の存在を仮定しなければならないのだ。そのため、多世界解釈は多くの科学者からSFめいた奇説と見なされている。一方で、反実在論的な正統的解釈よりは、多世界解釈を仮定する方がましだと考える科学者も少なからず存在する。現に、社会に大きな変革をもたらすと期待される量子コンピュータの原理は、多世界解釈を支持する科学者の発想から生まれた。

「量子力学を真に理解している者は一人もいない。にもかかわらず、使い方だけは分かっているという、謎めいて混乱した学問領域である」。阿部氏は、1969年にノーベル物理学賞を受賞した米国の物理学者マレー・ゲルマンの言葉を引用しながら、「科学の限界を知ることが真の知恵と言えます。究極のミクロ世界の解明を目指す量子力学は、科学によっては自然の究極のリアリティーを知り得ないことを示唆しています」と語った。

次回からのテーマは「創造論」。次回も講師を担当する阿部氏は、「進化論と宇宙論の実態を分かりやすく説明し、公平な立場から見極めることによって、創造論を論証します。進化論と宇宙論の正しさは、それぞれの理論の中でしか証明できないことをパラダイム論に基づいて示します」と話した。前回までの講演内容を含め、講演会の関連情報は、ホームページで随時発信していくという。

関連タグ:阿部正紀
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