終戦3日後に「殉教」 8月に戸田帯刀神父を偲ぶ追悼平和祈念ミサ

2019年7月30日09時54分 印刷
+戸田帯刀神父
戸田帯刀神父(写真:佐々木宏人氏提供)

終戦3日後に教会内で射殺されたカトリック横浜教区長(当時)の戸田帯刀(たてわき)神父(1898~1945)を偲ぶ追悼平和祈念ミサが、74回目の帰天日となる8月18日に、カトリック吉祥寺教会で行われる。戸田神父の「殉教」はこれまで、カトリック教会内でも限られた人にしか知られていなかった。しかし近年は、事件を取り上げた書籍が出版されるなど関心が高まっており、東京教区内でこうした追悼ミサが行われるのは今回が初めてとみられる。

ミサは、事件を長年にわたって追ってきたカトリックのジャーナリスト、佐々木宏人氏(カトリック荻窪教会会員)が働き掛け、吉祥寺教会の後藤文雄神父らの協力で実現にこぎ着けた。毎日新聞の記者であった佐々木氏は、現役時代に事件を知ったが、定年退職後にカトリックの洗礼を受けたことで本格的に取材を開始。カトリック誌「福音と社会」で事件に関する連載を8年間続け、昨年にはそれをまとめて『封印された殉教』(上下巻)を出版した。後藤神父は、これまでも事件に関心を持ち、取材を続ける佐々木氏を支えてきた。佐々木氏は「何とか正式な主日のミサで戸田神父の追悼ミサを行いたいと思っていたため、肩の荷が下りる思いです」と話す。

吉祥寺教会は、事件とも関係がある。戸田神父が射殺されたのは、横浜市のカトリック保土ヶ谷教会だったが、犯人を名乗る男が約10年後に「自首」してきたのが、吉祥寺教会だった。しかし当時、この男はすぐに不問とされ、教会を後にしており、その後事件は迷宮入りしてしまう。

これまでの調査で、戸田神父を射殺したのは当時の憲兵である可能性が高いことは分かっているが、なぜ殺害されたのか詳しい理由は明らかになっていない。しかし、佐々木氏が取材する中で、戸田神父が当時のローマ教皇ピオ12世に、昭和天皇に対する終戦工作を提言したとする米戦略事務局(現在の米中央情報局=CIA)の大統領宛の報告書が、米国立公文書館で見つかっている。報告書内には事実と異なる記載もあり、真偽は不明だが、戦時中も平和主義を掲げていた戸田神父を当局が危険視していた可能性はある。

保土ヶ谷教会の敷地内には現在、戸田神父が横浜教区長就任時に語った言葉「私は自分の生命にかけて 日本のため 世界平和のために働きます」が刻まれた石碑が建てられている。佐々木氏は「平和の使徒・戸田神父を偲び、平和が問われる今、共に平和を考える追悼ミサとしたいと思います」と参加を呼び掛けている。

ミサは吉祥寺教会(東京都武蔵野市御殿山1-7-8)の聖堂で、午後3時から同4時まで、後藤神父の司式で行われる。終了後は信徒会館で茶話会も行われる。問い合わせは、佐々木氏(電話:080・6501・8374)まで。

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