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感謝の力 安食弘幸(57)

2016年11月28日00時12分 コラムニスト : 安食弘幸
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「わがたましいよ。主をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」(詩篇103:2)

本当に豊かな人とは、心の豊かな人のことです。いつも心が平安や喜びや希望に満ち溢れている人です。その鍵は「感謝の心」です。

Think(考える)の語源は、Thank(感謝)と同じです。私たちは時々、立ち止まり、感謝すべきことに思いを向ける習慣を身に付ける必要があります。

感謝は、私たちの心と人生を実に豊かにしてくれる不思議な力があります。

1. 感謝は状況を変える力がある

ナポレオンの時代に、シャロネットという男が無実の罪で牢獄に入れられました。何カ月もそこで過ごした彼は自暴自棄になり、死を覚悟しました。

その独房には毎日、わずかな日の光が差し込むスポットがありました。ある朝、驚いたことに固い土の中から小さな草が芽を出しているのに気が付きました。彼は、それが、神が与えてくださった希望の光のように思えたので、感謝と喜びをもって、毎日その草に水をやりました。やがてその草は大きくなり、ついに美しい紫と白の花を咲かせました。

この一連の出来事を見守っていた看守たちは、この話を家に帰って妻たちに話しました。やがてこの話は、ナポレオンの妻ジョセフィーヌの耳にも届きました。彼女はこの話に心を動かされ、これほど花を愛する者が犯罪者であるはずがないと確信し、ナポレオンに裁判のやり直しを願い出ました。そしてその結果、彼は疑いが晴れて釈放され、自由の身となったのです。

2. 感謝は心を前向きにする力がある

心の目を開くとき、私たちが感謝すべき材料はいくらでもあります。聖書学者のマシュー・ヘンリーは、ある時、強盗に財布を盗まれました。彼はその日の日記にこう記しています。

「今日は感謝な日だった。まずは強盗に遭ったのは初めてであり、今まで守られてきたことを感謝する。次に財布は盗まれたが、命は奪われなかったことに感謝する。さらに全財産を盗られたが、その額はたいしたものではなかったことに感謝する。最後に自分は強盗に遭ったのであって、自分が強盗をしたのではないことに感謝する」

3. 感謝は人を謙遜にする力がある

西アフリカのマサイ族のために、聖書を翻訳していたチームが興味深いことを伝えています。それは、マサイ族は感謝の気持ちを面白い方法で表すのです。「ありがとうございます」と言う代わりに「私の頭は土の中です」と言い、言葉通りに、自分の頭を地面につけるのです。

私たちも感謝を表すたびに、謙遜な者へとつくり変えられていくのです。

4. 感謝は神への信仰を強める力がある

主の祈りに「我らの日用の糧を今日も与えたまえ」とあります。この意味についてマルティン・ルターはこう言います。

「神は『食物を与えてください』と祈る者にも祈らない者にも、日々の食事を与えてくださる。それでも私たちが『糧を与えてください』と祈るのは、その食物が神から賜ったものであり、感謝を持って受け取るべきものだと認識するためである。日用の糧とは、私たちが必要としているもの全てを指す。衣食住、畑や家畜、金銭や品物、両親や子ども、国民の幸せを実現しようとする政府、平和と健康、真の友だち、環境や自然など、全てである」

5. 感謝そのものが神への最上のささげものとなる

「感謝のいけにえを神にささげよ」(詩篇50:14)

「『主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで。』主に贖われた者はこのように言え」(詩篇107:1、2)

「すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです」(Ⅰテサロニケ5:18)

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◇

安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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