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こころと魂の健康

こころと魂の健康(43)問題となるパーソナリティーと牧師:依存型 渡辺俊彦

2016年10月8日16時31分 コラムニスト : 渡辺俊彦
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関連タグ:渡辺俊彦

私たち日本人の人間関係の距離の取り方には、1つの特徴があります。それは、依存型の人が多いということです。依存型の人は、少しのことで落ち込みやすく、うつになりやすい傾向を持っています。

私たちは、日常生活の中で問題に直面することがしばしばあります。そんな時、依存型の人はすぐに誰かに助けを求めようとします。なぜなら、不安が強いからです。

しかし、完全な依存型、完全な独立型の人は存在しません。私たちにとって、健全な人間関係は相互依存関係です。互いに上手に迷惑を掛け合い、助け合う関係が相互依存です。その理由は、「人は1人で生きていけない存在」だからです。私たちは、健全な依存型のパーソナリティーでありたいものです。

完全な依存型や独立型は存在しないことは、前文で触れました。しかし、独立型は存在します。独立型の人は、7~8割は自分で何とかしようとします。そして、残りの2~3割は依存します。この割合が極端になると、病的になる人も出てきます。

この依存型と独立型の関係性について、1つの例を挙げると、日本人の夫婦関係です。日本人の夫婦関係は、妻が依存型で夫が独立型である場合が多いとされています。もちろん、逆のパターンもあります。

ただし、依存型や独立型そのものが問題というのではありません。なぜなら、これが人間性だからです。問題となるのは、この人間性から生じる弱さです。この問題について少し触れていきます。

人間性から生じる弱さには2つのタイプがあります。今回は、その1つだけ扱います。その1つが「受動依存型」です。

この受動依存型のタイプは、自分の判断や能力に自信がないため、自分で決断することを嫌がります。そして、自分でしなければならない決断を先延ばししてしまいます。そのうちに周囲が困り果て、本人に変わって決断してしまうのです。

その結果、生活の主要な領域で他の者に責任をとらせてしまうことになります。夫婦のどちらかが受動依存型の場合、なかなか決断しない相手にイライラし、怒りを溜めてしまいます。そして、相手に変わって自分が決断してしまうのです。

なぜ、このようなことになってしまうのでしょう。この受動依存型の人は、他者から肯定されたり、それでよいと承認されたりする経験が少なかったという傾向があります。そのため、他者から愛情や支持を得ようと、かえって不快なことをしてしまうことがあるのです。

受動依存型パーソナリティーの形成には、養育者が子どもに対して、肯定的で積極的な態度をとっていないことが影響しています。親の態度を感じ取って、子どもは「自分はだめだ」「まだまだ十分ではない」と思い込んでしまいます。そのため、自分に自信が持てなくなってしまうのです。

私たちの日常は失敗の繰り返しです。このタイプの人は、自分に自信が持てないため、失敗を認めるのが怖くなり、認めることが困難になってしまいます。また、自分に自信がないため、大切なことを決断しなければならないときに、なかなか決断できません。なぜなら、自分が決断したことによって物事が上手くいかない場合、人から責められるのではないかという不安でいっぱいになるためです。

このような受動依存型のパーソナリティーが内に形成されてしまうと、霊性にもさまざまな問題が生じます。教会に来られている方々の中に、イエス様を信じようと自分で決断することができない人がいます。イエス様を信じたら、今後の生活はどうなるのだろう。教会員として責任を果たせなかったら、責められるのではないか。心の中は不安でいっぱいなのです。

また、教会での人間関係や奉仕の姿勢などにも表れます。教会の人々との関わりの中で、なかなか自己表現できません。そればかりか、教会の高い倫理性に悩まされてしまう傾向があります。そのため、ちょっとしたことで傷ついたり、怒りを感じたりしてしまいます。

そして、不安が強いため、他人に頼ろうとし、他者に対して愛想よく親切で人当たりがよく振る舞います。とてもサービス精神が旺盛です。周囲の人々は、従順でよく仕えて「良い子」「いい人」と評価してしまいます。

しかし、この型のタイプは、相手の顔色や評価に大変に敏感です。そのため、自分の期待通りに人々の評価を得られないと、愛がないと言い出すのです。こうして、教会の人間関係に裁きが始まり、互いに傷ついてしまいます。結局、キリストの共同体までも傷つけてしまいます。

このような傾向を持っているパーソナリティーの人は、1人で解決し、抜け出すことが困難です。なぜなら、心の奥に分離不安があるためです。そのため、人から見捨てられないよう他者にしがみつくのです。

イザヤは「いと高くあがめられ、永遠の住まいに住み、その名を聖ととなえられる方が、こう仰せられる。『わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである』」(イザヤ57:15)と語ります。神様は、心砕かれへりくだった者となり、神に依存して生きることを期待しているのではないでしょうか。

これからの時代、牧師に求められるのは、専門的なアセスメント力、ソーシャルワーク力ではないでしょうか。これらの問題は、牧師だけではなく教会全体の課題だと痛感します。牧師も教会も、祭司的機能の中に対人援助が含まれていることを再認識することが求められている時代ではないでしょうか。

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◇

渡辺俊彦

渡辺俊彦

(わたなべ・としひこ)

1957年生まれ。多摩少年院に4年間法務教官として勤務した後、召しを受け東京聖書学院に入学。東京聖書学院卒業後、日本ホーリネス教団より上馬キリスト教会に派遣。ルーサーライス神学大学大学院博士課程終了(D.Mim)。ルーサーライス神学大学大学院、日本医科大学看護専門学校、千葉英和高等学校などの講師を歴任。現在、上馬キリスト教会牧師、東京YMCA医療福祉専門学校講師、社会福祉法人東京育成園(養護施設)園長、NPO日本グッド・マリッジ推進協会結婚及び家族カウンセリング専門スーパーバイザー、牧会カウンセラー(LPC認定)。WHOのスピリチュアル問題に関し、各地で講演やセミナー講師として活動。主な著書に『ギリシャ語の響き』『神学生活入門』『幸せを見つける人』(イーグレープ)、『スピリチュアリティの混乱を探る』(発行:上馬キリスト教会出版部、定価:1500円)。ほか論文、小論文多数。

■ 上馬キリスト教会ホームページ
■ 上馬キリスト教会ツイッター
■ 【渡辺俊彦著書】(Amazon)
■ 【渡辺俊彦著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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