Skip to main content
2021年3月5日15時41分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

【書評】再生と希望・・・闇から光へ 五十嵐弘志さん半生つづる 『人生を変える出会いの力』

2016年7月30日21時00分 記者 : 坂本直子
  • ツイート
印刷
関連タグ:五十嵐弘志マザーハウス
【書評】再生と希望・・・闇から光へ 五十嵐弘志さん半生つづる 『人生を変える出会いの力』+
五十嵐弘志著『人生を変える出会いの力』(画像:ドン・ボスコ社提供)

人生の中で失敗しても、本当にやり直せるのだろうか? 特にその失敗が、「前科者」というレッテルが貼られてしまうような犯罪だとしたら?

「私は前科三犯、延べ約20年間を刑務所の中で過ごしてきた人間です」という告白で始まる本書は、元受刑者の社会復帰を支援するNPO法人「マザーハウス」代表の著者が、自身の半生をつづったもの。3度目の逮捕で留置場に勾留されていたとき、後から入ってきた日系ブラジル人との出会いを通して聖書を知り、イエス・キリストに出会ったことで、その後の人生が大きく変えられた。その回心と償い、そして再生と希望の物語だ。

誰かに「出会う」ことは、誰かと「つながる」ことだ。しかし、複雑な家庭環境の中で育った著者は、幼い頃から母親の愛情を感じることができず、「自分は邪魔な存在なんだ」という自己否定の思い込みから抜けられなくなった。誰かと出会っても「ぶつかる」だけで、誰とも「つながる」ことができないまま、初犯、再犯、そして3度目の逮捕・留置へと追い込まれる。

自分の鬱憤(うっぷん)を晴らすために犯す犯罪は、著者にとってはゲームのようなものだったのかもしれない。しかし、3度目の逮捕の時、それまで疎遠になっていた母親や妹に、これまでの犯罪も併せて知らされてしまう。その時に、「お兄さんのおかげで私はめちゃくちゃになった」と妹に言われたことで、初めて自分の犯してきたことがどれだけ人を傷つけ、苦しめているかに気付いたという。これまで自分のことしか見えなかった著者の心に、悔恨の思いが湧き起こった瞬間だった。

「神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を 神よ、あなたは侮られません」(詩編51:19)の通り、神は、著者の悔いた心を喜んで「出会い」を準備された。良い出会いの背後には、必ず、神の愛が働いている。

刑務所の中で聖書を知り、イエス・キリストに出会い、生まれて初めて心から謝罪の気持ちがあふれた著者は、自分の罪と向き合い、「生き直したい」と真剣に願うようになる。そこで出会ったのが、マザー・テレサだ。著者は、マザー・テレサを自身の「信仰の母」と呼び、その後の人生の道しるべとしている。「マザーハウス」を立ち上げたのも、彼女の影響だ。

本書の後半では、マザーハウスの働きや元受刑者の現状、再犯の問題について書いている。著者は、口では元受刑者を理解しているようなことを言いながら、陰で差別するのは、全ての犯罪者を死刑にして、二度と社会に出さないようにすべきだと言うより冷たいことだと、鋭く指摘する。

敬愛するマザー・テレサが奉仕活動を行ったカルカッタ(コルカタ)と、自分のいた刑務所を重ねる著者は、誰からも愛されない受刑者や元受刑者を支え、再犯をなくす活動に全てをささげている。

再犯を減らすことができる方法は、社会の「受け入れ」だと、著者は力を込める。幼い子どもの父親である著者は、「自分たち元受刑者が社会に受け入れられない限り、自分の息子も受け入れない」と訴える。元受刑者たちの「受け入れ」について、これまでどれだけ真剣に考えていただろうか。胸を刺される思いだ。

本書で著者は、「やってしまったことは元には戻せません。でもそこで、ゆるしてくれる人、ゆるしの場所があれば、立ち直っていくことができます」と証しする。「ゆるす」ことは、甘やかすことではない。愛することだ。ダメなことはダメだと、その人のために言える勇気を持つことなのだ。著者は、そんな出会いをつかみ取ってきた。まるで、ペヌエル(ヤボクの渡し)で格闘し、祝福をつかみ取ったヤコブのように。

人生の中で、どんな失敗をしたとしてもやり直すことはできる。しかし、それは自分1人の力ではできない。――これが冒頭の答えだ。

人生を変えるには、自分を愛してくれる人、無条件で受け入れてくれる人が必要だ。クリスチャンは、誰もが闇の中から光の中に引き上げられた経験を持っている。そして、それが誰によってだったかも知っている。

著者の「おやじ」であり、永久身元引受人である弁護士の佐々木満男さんが述べるように、「人はまさに、キリストに出会うために生まれた」。先に最高の出会いを経験した全てのクリスチャンは、このことを伝える責任がある。

元受刑者への風当たりの強さは、教会でも例外ではないらしい。しかし、それでも神の祝福を信じ、御言葉を宣べ伝え続ける著者は、人生に絶望している人や孤独の中にいる人に、今日も光を届けている。本書につづられた著者の半生に、多くのクリスチャンが励まされることだろう。

五十嵐弘志著『人生を変える出会いの力』2月19日初版、ドン・ボスコ社、定価800円(税別)

関連タグ:五十嵐弘志マザーハウス
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 「愛の実践のために」 NPO法人マザーハウス理事長・五十嵐弘志氏

  • カト・プロの元受刑者が教派超えてトーク 勇気をもって自分を変えよう

  • 【書評】篠原元著『100人の聖書』―あのすごい人も、聖書を読んでいた!

  • 冤罪で失われた48年の時を経て、人間を取り戻す「袴田巌 夢の間の世の中」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • いのちより大切なもの 菅野直基

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • (み使いダニエル・信仰者編)ユミのものがたり

  • 「大きな味方」はきっといる 貧民街の聖者、賀川豊彦の生涯を朗読

  • コロナ禍で宗教グループが「スケープゴート」にされている 世界各地で事例報告

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 世界宣教祈祷課題(3月5日):ウィクリフ・アソシエイツ

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • コロナ禍で宗教グループが「スケープゴート」にされている 世界各地で事例報告

  • 聖隷福祉事業団、新理事長に青木善治氏

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • コロナ禍で宗教グループが「スケープゴート」にされている 世界各地で事例報告

  • 聖隷福祉事業団、新理事長に青木善治氏

編集部のお勧め

  • 「クリスチャンだからこそ、もっと知って祈って関わってほしい」 人身取引に取り組む「ゾエ・ジャパン」

  • パンデミック時代の宗教の可能性探る IPCR国際セミナーで日中韓のキリスト者も発題

  • コロナ禍で増える自殺、奥田知志牧師「宗教にできること、いっぱいあるのでは?」

  • 日本から遠く離れた地の日本人伝道最前線 駐在員家族120人に福音伝える英語教室

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.