Skip to main content
2025年7月6日06時46分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム

【証し】 人は存在しているだけで価値がある 中島篤志

2008年2月21日23時05分
  • ツイート
印刷

1.プロゴルファー・中嶋常幸の弟としてゴルフ場を経営



 私はプロゴルファー・中嶋常幸の弟です。現在、国内外に4つのゴルフ場を経営しています。1つはすでに売却したため、現在は3つとなっています。これらのゴルフ場は、今は亡き父がバブルの直前からバブル後にかけて造ったものです。



 バブルの追い風と、中嶋常幸プロの家族が関係するゴルフ場ということで、会員を募集したところ、高額な会員権が飛ぶように売れた時期がありました。いたって順調なゴルフ場経営のスタートでした。そして、瞬く間に栃木県、福島県、ハワイ、海南島に4つのゴルフ場を完成させました。



2.ゴルフ場の倒産



 1995年、父が突然他界し、私がそれらの会社を引き継ぐことになりました。その約5年後に、グループ代表格のゴルフ場に会員預託金償還期が到来し、経営の危機が訪れました。会員保証金の預託期限の到来に伴い、多くの会員が退会を希望し、保証金返還の要求が殺到するようになったのです。しかし、会員募集で集めたお金はゴルフ場の建設で使ってしまい、すべての償還要求には応じることができません。「ゴルフ会員権の市場価格は額面価格を絶対に上回る」という甘い読みがはずれた結果です。



 「預けたお金を返してほしい!」と、償還請求が押し寄せるようになりました。中にはその筋と思える人を使って返金を迫ったり、「おまえの子供の通っている学校を知っているんだぞ!」と、脅すような人もいました。大金を預けている会員の立場から考えれば、そのような行動をとられることも当然かと思います。そのうちに50件を超える裁判が起こされ、それらの対応に奔走しました。このような状況の中で必死に頑張りました。



 けれども、経営を続けることが難しくなり、裁判所に民事再生の申立てをすることになってしまいました。民事再生法ができて最初の頃の申立てだったことや、有名な中嶋常幸プロの家族が経営するゴルフ場の倒産事件だということで、このニュースは世間に非常に注目されました。栃木県の地域新聞の一面に大々的に掲載されたり、全国のゴルフ雑誌にも大きく載るほどでした。



 さて、倒産ということになりますと、まず債権者説明会が行われますが、私にとってはこれが精神的に大変な試練の時でした。何百名という人が集まり、会場の中は重苦しい雰囲気でした。私を睨みつける多くの視線、多くの非難を受けた、長い長い数時間でした。



3.離婚と精神病院入院



 そんな中で、一緒に働いていた妻との関係もギクシャクしていきました。今思うと、仕事のストレスや将来の不安を妻にぶつけていました。結局、妻とは離婚し、愛する子供たちとも離れて暮らすことになりました。



 幸い、多くの心温かい会員の理解と支援、関係者の協力を得て、民事再生手続は無事に通過し、法律的には一応の決着がつきました。でも、もちろん道義的には依然として大きな借りを抱えています。どんなにがんばっても、個人の力では一生かかっても返すことのできない金額です。そのような意識から、ゴルフ場にいる時はもちろん、街を歩いていても、駅のホームで電車を待っている時でも、ゴルフをしていそうな人を見ると、「この人はうちのメンバーではないかな?」とか、「もしそうだったら失礼があってはいけない」と、いつも恐れてびくびくしていました。



 「ああ、これから一生かかっても返せない借財を背負って生きるのか・・・」。そう考えたり、愛する家族とも離れ離れになってしまった寂しさから、自分の中から急速に生きる力が失われていきました。やがて私は夜も眠れなくなりました。ベッドの中で、「この部屋は潜水艦の中なん、誰も来れない深海にいるんだ!」と必死にイメージしたりして、ほんの束の間の安らぎを得たりしていました。食欲もなくなりました。ついに自殺未遂の末、大学病院の精神科病棟に入院することになりました。



 入院生活はとても苦しいものでした。厚く重い鉄のドアに仕切られて、ベルト、髭剃りなど、身の回りのものを取り上げられ、病棟から外に出ることもままなりませんでした。なまりのように心は重く、体重はたちまち25キロも減りました。



4.兄の心にある神の愛



 入院した翌日、クリスチャンである兄の中嶋常幸夫妻から「聖書」をプレゼントされました。聖書を手に取るのは生まれて初めてで、「神さまの厳しい戒めが書かれているのかな」、くらいにしか思っていませんでした。うつ病の症状が重かったため、私にはそれを読むことができませんでした。それでも、その聖書の初めと終わりのページに、兄夫婦がマジックで大きく書いてくれた、「私の目にはあなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」ということばと、「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました」 ということばだけは頭の中に残りました。その時の私には、この聖書のことばを受け入れることはできませんでした。「私はもはや愛されるような価値のある存在ではない。生まれ変われるような立派なことはもう絶対できない」と思い込んでいたからです。



 そんな私のいじけた心に関係なく、兄は毎週欠かさずにお見舞いに来てくれました。入院は7月から11月という期間でしたが、その頃はまさにプロゴルフ・ツアー(試合)の真っ最中です。秋口は日本オープンをはじめ、大きな競技会が続きます。それなのに、自宅からも東京からもはるかに遠い、栃木の田舎の病院にまで兄は面会しに来てくれました。日曜日にトーナメントが終わり、水曜日にはプロアマが開催され、翌日からトーナメントが始まります。トーナメントでの疲労や緊張に加え、この練習ラウンドや移動のことを考えると、お見舞いなんか行ける余裕はあるはずがありません。それでも兄は笑顔で来てくれました。



 その兄の行動によって、仕事につまずき、家庭も壊れ、生きる気力も失いボロボロになったこととは微塵も関係ない、つまり、私が何をしたかではなく、私の存在そのものへの愛から兄は訪問してくれているのだと感じました。兄の愛によって少しずつ癒され、私の心の氷が融け始めました。私は子どもの頃から兄と接していましたのでよくわかるのですが、今思うと、この時、兄にこのような愛の行動を取らせたのは間違いなく神さまであると確信しています。



5.病棟内での悲鳴事件



 さらに私の心の氷を融かす事件が発生しました。今回も神さまの仕業です。それは秋に入った小雨の降る寒い夜のことでした。体重が25キロも落ちると夏でも寒いのです。その日は土曜日ということもあり、多くの患者さんが一時帰宅され、宿直の看護師さんも僅かしかいない静かな夜でした。私は一人きりになった病室で、今までに感じたことのない大きな孤独感に襲われました。まるで「この地球上には自分一人だけしか存在していないのではないか」と思うほどの絶望的な寂しさでした。



 私はベッドの中で毛布を頭からかぶって寒さと寂しさのあまり凍えて震えていました。するとその時です。入院してきたばかりの女性の患者さんが、近くの部屋で突然、「ギャー!!!」と、耳をつんざくような大きな声で叫んだのです。その叫び声を聞いて、「あー、人がいてくれた」と、私は本当に慰めを受け、平安を取り戻しました。精神病棟に入院し、しかも 悲鳴をあげるほどの状態は、「最悪!」の状態です。そのような状態の人にも私は慰めを受けました。その人がいてくれたことを私は心から感謝したのです。



6.人の存在そのものの尊さ



 この出来事を通しても、「人は存在するだけで、そこにいるだけで価値がある。何かいいものを持ってるとか、他の人よりも何かが優れていることだけに価値があるのではない」ということを知りました。



 「わたしの目にはあなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」という聖書のことばは、私たちへの神さまの愛の告白です。そこには、「あなたが優秀だから愛している」とか、「あなたが美人だから愛している、ハンサムだから愛している」などの条件は何も書かれていません。私の存在そのものを、「ありのまま」で神さまは愛してくださっている。そのことを本当に実感できた出来事でした。兄の中島常幸が弟の私に示してくれた愛と、この精神病患者さんの悲鳴事件によって、私は自分の存在そのものを価値あるものとして少しずつ愛せるようになりました。



7.180度の人生転換



 だんだん元気になって、聖書も読めるようになりました。聖書のことばは、まるで乾いた土地に降る雨のように私の心に浸み込んで、ゆたかな命の糧となりました。この聖書の神さまに自分の人生をお任せする決心をして、4ヶ月半の入院生活の後、私は退院して間もなくキリスト教の洗礼を受けました。



 精神病棟に入院した時は、「自分の人生にはもはや消すことのできない罰点がついた」「自分はもう終わったんだ」と思いました。けれども、この極限の苦悩のおかげで、私の存在そのものを愛してくださる神さまに出会うことができました。自分でも嫌っていた自分自身。臆病で、傲慢で、自己中心な私。そんな私を「そのまま」で「ありのまま」で愛してくださる神さま。いつも一緒にいてくださり、「大丈夫だよ!わたしはいつもあなたと一緒にいるよ!」と励まし、導いてくださる神さまに出会って、私の人生は180度転換しました。



 これからは、このすばらしい神さまとその無条件の愛を、多くの人たちに伝えていきたいと思っています。



  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 聖書のイエス(12)「初めに、ことばがあった」 さとうまさこ

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(7月6日):タイ 麗しきかな、良き知らせを告げる者の足は

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • シリア語の世界(27)シリア語旧約聖書の各書名と1章1節の和訳 川口一彦

  • ワールドミッションレポート(7月5日):コロンビア コカ農家から最前線の福音伝道者へ

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.