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律法と福音

律法と福音(24)契約の箱の蓋(マーシー・シート) 山崎純二

2015年12月31日08時33分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二

さて前回、契約の箱(アーク)には「祝福と神罰」が伴うという事例を幾つか皆様と確認しました。そして神罰に関しては、それをもたらした契約の箱や律法(十戒)が悪いのではなく、私たちの内にある「罪」こそが問題であるという点も、何度も強調させていただきました。

しかし、いくら祝福が伴うといっても、「神罰」を受けてしまうのでは恐ろしくてしようがありません。そこで神様は、この契約の箱に覆いを与えてくださいました。簡単に言うと、その箱に蓋(ふた)を与えてくださいました。「蓋に何の意味があるのか」と言われるかもしれませんが、神様の正しい律法(戒め)に蓋があるというのは、私たちには大きな恵みなのです。

蓋があれば、その中にある神様の法にダイレクトに触れなくて済みます。実は、聖書の中の多くの人物は、神様に直接会ったり語り掛けられたりしたら、死んでしまうと考えていました。神様はあまりにも偉大で崇高で、聖なる方であるからです。聖書を少し確認しておきましょう。

彼らはモーセに言った。「どうか、私たちに話してください。私たちは聞き従います。しかし、神が私たちにお話しにならないように。私たちが死ぬといけませんから」(出エジプト20:19)

民はモーセに、自分たちと神様の間の仲介者になってくれるように頼みます。彼らは直接的に神様に面と向かうことを恐れたのです。同様に、神の言葉である律法(十戒)にも覆いが必要でした。直接に民がその言葉の面前に立たなくて済むようにです。

この契約の箱の蓋には名前があり、英語では「マーシー・シート(Mercy seat)」といいます。「恵みの座」という意味です。そうです、神の律法に蓋(覆い)があるというのは、恵みなのです。このことを理解するためは、もう少し説明が必要です。

蓋を開けたときに起こったこと 神罰

聖書の中に、この蓋が開けられた事件が書かれている箇所があります。この事件でも多くの人が神罰に遭うのですが、このことを知らないとなぜ「蓋」がそれほど重要なのかが分かりません。

前回、契約の箱がペリシテという民族に奪われてしまったが、神様によって彼らは悪性の腫物で打たれたため、イスラエルに送り返されたという箇所を確認しました。その時、ペリシテの人々は御者のない牛の車に乗せて、イスラエルに送り返したのですが、最初その箱はベテ・シェメシュという人々のところへ到着します。

ここで事件が起こります。このベテ・シェメシュの人々は気になってしようがなかったのか、神の箱の蓋を開けてしまうのです。その結果、大惨事が起こってしまうのですが、何が起こったのか、第一サムエル記を確認してみましょう。

主はベテ・シェメシュの人たちを打たれた。主の箱の中を見たからである。そのとき主は、その民五万七十人を打たれた。主が民を激しく打たれたので、民は喪に服した。ベテ・シェメシュの人々は言った。「だれが、この聖なる神、主の前に立ちえよう。・・・」(Ⅰサムエル6:19、20)

何と蓋を開け、中を見たときに、おびただしい数の民が神様に打たれて死んでしまったのです。この物語は旧約時代に起きた事件ですが、現代のように多くの人口がいたわけではありませんので、五万人以上といいますとほぼその地域の人々が全滅に近い状況だったはずです。このまま読むと、神様が一方的に神罰を与えた事件としか読み取れませんが、どのようにこの事件を理解したらよいのでしょうか。

少し聖書に詳しい方は、この契約の箱を扱えるのはアロンの一族である祭司たちだけに許されているということを知っているでしょう。そして、一般の人が、それも勝手に箱の中をのぞこうとして、神の法と聖さを犯したので、神様に打たれたのだと思われるかもしれません。もちろん、この説明も間違いではありません。しかし、この事件は、ただ単に神罰が下ったということ以上に、実は象徴的に非常に重要なことを語っています。

では、箱の中に何が入っていたか覚えているでしょうか。「石の板に刻まれた十戒」と「マナ」と「芽を出したアロンの杖」でした。その中で今回注目するのは「石の板に刻まれた十戒」だと言いました。もうお分かりかもしれませんが、この事件は、箱の中にある律法(神の戒め)に直面する者は、死に至るしかないということを象徴的に教えているのです。

神の法に人間が直面できないということを象徴する事件が、もう一つあります。前回、モーセが十戒を受け取って、山から下りて来てすぐの場面を確認しました。その場でモーセは、民に対する処罰を断行するのですが、その前にモーセが行ったある行為があります。

それは・・・

なんと今しがた神様から直接頂いたばかりの十戒の書かれた大切な石板を叩き割ってしまうのです。ちょっと聖書を確認しましょう。

宿営に近づいて、子牛と踊りを見るなり、モーセの怒りは燃え上がった。そして手からあの板を投げ捨て、それを山のふもとで砕いてしまった。(出エジプト32:19)

ここではモーセが怒りのために、手に持っていたものを投げ捨てて砕いたかのように書いてあります。しかし、モーセが砕いたのは、ただのお皿やコップではありません。神様から直接頂いた神の言葉です。神の言葉を誰よりも大切にするモーセが、怒りのゆえに神の言葉の書かれた板を割るなどあり得ないことです。

考えてみてほしいと思います。もしもあなたが大統領や非常に尊敬する人物から、とても高価なお皿のセットを頂いたとしましょう。そしてそのお皿を使って食事をしている最中に、夫婦喧嘩になったとします。その時、あなたは、手に持っているその高価なお皿を割って怒りを表現するでしょうか。もしも、手に持っているお皿が喧嘩の相手に買ってもらったものだとしたら、腹いせに割るということはあり得るでしょうが、他の人からのプレゼント、しかも自分の尊敬する人から受け取ったものなら、それを割って怒りを表現したりはせず、何か別の物を割るなり、他の手段で怒りを表現するでしょう。

しかし、モーセは民の罪のために、神様から頂いた神の言葉の石板を割ってしまうのです。この時のモーセの真意は書いてありませんので分からないのですが、私たちが聖書を読むときに、この事件と先ほどの蓋を開けた事件の間に、ある同質の意味合いを汲み取ることができます。実は、モーセがシナイ山で十戒を受け取り降りてきたときには、まだ契約の箱はありませんでした。それはその後作られたからです。

つまり、まだ神の言葉を覆うことのできる蓋が存在しなかったのです。このままでは、民は神の言葉に直面しなければなりません。この時は、3000名の者が、この罪の故に処罰されたと確認しましたが、神の言葉にダイレクトに直面したとすると、彼らは全員滅ぼされていても不思議ではありませんでした。

ですから、民が金の子牛の偶像を作ったのを見たモーセが、その場で十戒の書かれた石板を叩き割ったことは、(彼が意図していたか否かにかかわらず)結果的に神の言葉に民を直面させないような意味合いになったのです。そして、モーセが民の一部を処罰することで、それ以上の神の裁きをとどめたのです。

文字として書かれた神の戒め(律法)は、正しく良いものではあるのですが、人々に命を与えるものではなく、死を与えるものです。新約聖書でこの概念について明確に書いてある箇所があるので、確認しておきましょう。

神は私たちに、新しい契約に仕える者となる資格を下さいました。文字に仕える者ではなく、御霊に仕える者です。文字は殺し、御霊は生かすからです。(Ⅱコリント3:6)

「文字」とは十戒を指し、律法を指しています。そして「文字は殺し」とあります。つまり、神様の正しい律法(戒め)に直面すると、罪人である私たちは皆、裁かれ滅びなくてはならないのです。かといって、神様は義なる方なので、これを曲げることはできません。そこで神様は、福音によって、これに覆いをかけてくださったのです。そのことを私たちは、契約の箱と、その中にある十戒の書かれた石板と、蓋の構造を通して垣間見ることができるのです。

これが律法と福音の関係であり、神様の恵みなのです。だからこそ、この蓋は「マーシー・シート」すなわち「恵みの座」と呼ばれるのであり、私たちは聖なる神様の前に幼子のように大胆に出ていくことができるのです。

【まとめ】

  • 契約の箱の蓋を開けた民は大勢亡くなり、モーセは神の戒めの書かれた石板を砕いた。
  • 新約聖書には「文字は殺し」と明記されている。
  • これらのことは、私たちが神の正しい言葉に直面できないことを示している。
  • 正しい神の言葉に、「Mercy seat(恵みの座)」という名の蓋が与えられた。
  • このことは、律法の裁きを福音によって覆ってくださることを示した型である。
  • これは神様の恵みであり、それにより私たちは大胆に神様に近づくことができる。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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