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使徒の働き味読・身読の手引き

使徒の働き味読・身読の手引き(94) 宮村武夫牧師

2013年12月30日15時31分
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宮村武夫牧師+

こうして、私たちはローマに
使徒の働き28章11節~15節

[1]序

今回は、使徒28章11~15節。カイザリヤからローマへ向けての船旅の最後の段階、ついにローマに到着する感動的な場面を味わいます。

14節後半の、「こうして、私たちはローマに到着した」との表現に従い、「こうして」と「私たちはローマに到着した」との二つの部分に分け見て行きます。

「こうして」の部分では、まず11節以下に見る、パウロの一行が乗船した船に注目し、また船旅全体を通じ終始一貫してパウロに対して好意的で彼なりの役割を果たしている、百人隊長ユリヤスについて考えて行きます。

次に、「私たちはローマに到着した」の部分では、この事実が使徒の働き全体の流れの中でどのように重視されているかを確認したいのです。またローマ人への手紙1章9節以下や15章22~29節で明らかにしている、パウロの願いや計画と比較し、28章11節から15節を味わい、ローマについての約束がどのような経過で成就されて行ったか注目したいのです。

[2]「こうして」

(1)船首にデオスクロイの飾りのある船
マルタ島で、11月から2月まで冬の期間を過ごした後、再びロ-マに向け船旅を続ける様子を、「船首にデオスクロイの飾りのある、アレキサンドリヤの船で出帆した」とルカは詳しく報告しています(参照・27章2、6節)。

「デオスクロイ」とは、新改訳聖書の欄外注に、「直訳『ゼウスのふた子』」とあるように、ギリシャ神話にかかわるもので、ゼウスとレダから生まれたカルトルとポルックを指します。そうです。パウロが乗船した船は、偶像礼拝の悪影響を受けている人々の持ち船でした。パウロは、この船を自分から選んだのではなく、強制的に乗り込まされたわけです。(参照・27章1、2節)。偶像にささげられた船に乗り込まざるを得ない中で、パウロは偶像礼拝に一切かかわりを持たず、船旅を続ける。これがパウロが指し示す基本的な態度です。

(2)百人隊長ユリアス
カイザリヤからローマへ向かう船旅に参加している人々の中で、特に興味深い人物の一人は、百人隊ユリアスです。

①あのこと、このこと
ユリアスはパウロなどの囚人を護送する護送隊の責任者であり、乗船している人々の上にローマの権威を身をもって現す人物です。

ユリアスは、船旅の最初からパウロに対して好意的でした。パウロがシドンで友人たちのもてなしを受けるのを許しました(27章3節)。またマルタ島で島の首長ポプリオがパウロの一行を招くにあたっても、その背後でユリアスは役割を果たしていたと推察されます。さらに28章14節に見るように、パウロがポテオリで七日間滞在し、主にある兄弟たちと交わりを持てたのも、ユリアスの好意ある取り扱いによるものです。またローマから出迎えに来た兄弟たちとパウロが一緒になってローマまでの道を歩めたのも、百人隊長ユリアスの好意ある取り扱い抜きには考えられず、このために果たした彼の積極的な役割に負うところ大であったと見るべきです。

ユリアスは、パウロにそれなりの行動の自由を認めている。特に信徒同士の交わりを持つことを認めている事実に注目せざるを得ません。ユリアスは、囚人としてのパウロを護送する場合でも、パウロの基本的な自由を認める方向を指し示していると言えないでしょうか。

②教会と国家の関係
教会と国家の関係をめぐる長い戦いを通して、聖書が指し示している基本的な権利が明らかにされて来た歴史を背景に、日本国憲法第二十条と二十一条を注意したいのです。

第二十条には信教の自由、国の宗教活動の禁止について、「信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」とあります。

同じく第二十一条集会、結社、表現の自由、通信の秘密の条文では、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」と続いています。

ユリアスがパウロに対して認めた自由を単にユリアス個人のパウロに対する好意としてのみ見るのではなく、教会と国家の関係における政教分離の方向を示唆するものと受け取るべきです。その線上に、日本国憲法第二十条と二十一条を見、大切にすべきことを教えられます。

[3]「私たちはローマに到着した」

11節から15節、そして16節でローマに到着した事実を、ルカは繰り返し強調しています。

(1)使徒の働き全体の流れの中で
使徒の働きを読み始めたときから、1章8節の重要性を確認し、この節をいつも意識しながら使徒の働きを読み進めて来ました。

1章8節に見るように、福音はエルサレムから地の果て・ローマにまで伝えられ、弟子たちはキリストの証人として用いられると主イエスは弟子たちに約束なさったのです。この約束が実際にはどのようにして成就したかを使徒の働き全体を通してルカは描いています。

パウロの一行のローマ到着は、主イエスの約束の成就が頂点に達した事実を意味しています。また直接パウロに限っても、ローマ到着は最重要の出来事です。

パウロは、エルサレムからローマへとの導きを受けながら(19章21節)、アジアを後にエルサレムに向かいました。そのエルサレムにおいて、「あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない」(23章11節)と命令を受けました。さらに、ロ-マへ向かう船旅の危機的状況の中で、27章23節と24節、「昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです』」に明らかにされている約束を与えられました。このような背景の中で、神の約束通りに、パウロの一行はついにローマに到着したのです。

(2)パウロの願い・計画とのかかわり
このローマ到着より約三年前、パウロはロ-マの教会に手紙を書き送りました。そのロ-マ人への手紙1章9節以下、15章22節~29節において、パウロはローマを目指している自分の願い・計画を明らかにしています。おそらくパウロ自身が考えていなかった、ローマの囚人として護送される身でローマへ到着したのです。

[4]結び

パウロは、今、ローマ教会から出迎えに来てくれた人々と一緒にローマへ向かいながら、主なる神がご自身の約束をいかに忠実に成就なさるお方か、神の真実に圧倒され「神に感謝し、勇気づけられ」て、ローマで福音宣教の使命を果たすため進みます。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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