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愛による全面受容と心の癒やしへの道

愛による全面受容と心の癒やしへの道(43) 峯野龍弘牧師

2013年11月21日14時43分 コラムニスト : 峯野龍弘
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第3章 ウルトラ良い子の抑圧の最大要因
Ⅳ. 両親からの抑圧と諸問題
1)父の役割と母の役割の欠如による抑圧の素地

①満3歳頃までの愛による十全な全面受容の欠如
②満3歳からの本質的善悪に対する識別力・分別の育成の欠如
③真善美、神愛聖、命霊祈、天永滅などの見えざる尊いものへの畏敬心の啓発の欠如
④夫婦愛を通じての人間愛の伝授の欠如
⑤尊厳ある父親像と敬虔なる母親像の欠如

さて、以上のような五つの側面からの両親の役割の欠如が、いつしか子供たちの心の内に、世俗的価値観やその他の様々な言動からやってくる抑圧を、より受け易くしてしまっているという、悪い素地作りについてよくよく学んできた。そこでどうか両親方よ、これらの諸点をしっかりと心に踏まえて、この過ちを決して犯さないように留意して欲しい。

しかし、極めて残念なことではあるが、今日の教養ある両親たちのほとんどが、これらの諸点を見過ごしにしたまま、大切な我が子に対する教育や躾に無我夢中になっている。誠に本末転倒である。

そこで今ここで、とりわけ生まれながらにして鋭敏な良き感性を持ち合わすウルトラ良い子の両親たちに、心からお願いしたい。どうかあなたのお子さんの特性とその心を大切にし、是非とも何よりも優先すべき幼少時代に施すべき前述したような両親の尊い役割を欠如することなく、存分子供を受容し、愛の内に養育し、抑圧の素地を造ってしまわないようにして欲しい。

そこで更に次の項目について学ぶことにしよう。これまた謙虚な教えられ易い心を持って、しっかりと心に留めていただきたい。

2)子供の自立心や自尊心を損なう両親の言動が惹き起す諸問題

次に子供の自立心や自尊心を損なう両親の言動が惹き起す諸問題について言及してみよう。その典型的な幾つかのケースについて紹介しよう。

①甘やかせ

世間には子供に優しい物分かりの良い親がいる。真に結構なことである。しかし、それも度が過ぎると、その優しさや物分かりの良さが仇となり、子供の自立の妨げとなり、その自立心をすっかり損なってしまうことになる。

余りにも親が配慮し過ぎ、行き届くため、子供はすっかり親に甘えてしまい、子供自らが幼少時代に大いに取り組み、労苦することによって身につけて行かなければならない重要な感性や資質を養い損ねてしまうのである。優しく物分かりが良いということが、子供自らが努力し、労苦し身につけて行かねばならないことまで親が肩代わりしてしまうとき、これを“甘やかせ”と呼ぶのである。

そしてこの“甘やかせ”こそ、子供の自立と自立心を奪う恐るべき親の大罪であって、やがては我が子が何一つ自分自身では物事の是々非々を正しく判断し、行動することのできない、優柔不断な人間としてしまうか、さもなければ我儘で自己中心的な独善的人間を育成してしまうことになる。

彼らは依存心が強く、よろず他者依存し易く、恥じず憶せず勇気をもって矢面に立てず、他人を恐れ、引きこもり易く、対人関係不全に陥り易い。かつ自らの意図せず、気に沿わない出来事や他者の言行に触れるとき、もはや自制することができず、恐怖したり、泣き叫んだり、時には狂気して暴力をふるったりすることさえある。

この状態を時に異常心理、異常行動と呼ぶこともある。ともあれこれらはすべて自立心、自立力を“甘やかせ”によって損なってしまった結果に他ならないのである。

②放任主義

また他方、この“甘やかせ”と本質的に同様な問題を惹き起すものが、“放任主義”である。両親が子供に対する子育ての責任を放棄若しくは回避して、無責任にも子供の自立心や自立力を養い育てるべく、健全にして適正な子育てをせず、子供を野放しにしておく場合、結果として子供は自らの好きかってな生き方、考え方を身につけてしまい、真の自立力、自立心を身につけ損ねてしまうのである。

その結果、“甘やかせ”と本質的にほぼ変わらない自己中心で、他者の感情や気持ちを充分察することのできない自制の効かない子供になってしまうのである。しかし、時としてはこの放任が幸いにも良い人々との出会いにより、また他者との辛いやり取りなどを通して、他者配慮やけじめ、努力や忍耐、義務や約束の履行の重要性などをいつしか身につけるようになったり、更にまた、彼らはそもそも放任されていることから、いやが上にも自由奔放に生きることによって、勇気や大胆な発想力を身につけたり、いわゆるガッツある生き方を習得する結果になることもある。

これはあくまでも例外的であって、大部分の子供たちは放任されることによって前者のような弊害を被ってしまうことになるので、よくよく両親たちは子供を放任しないようにしなければならない。(続く)

◇

峯野龍弘(みねの・たつひろ)

1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、65年~68年日本基督教団桜ヶ丘教会で牧会、68年淀橋教会に就任、72年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。また、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会および同教会の各地ブランチ教会を司る主管牧師でもある。

この間、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁(現名誉会長)、東京大聖書展実務委員長、日本福音同盟(JEA)理事長等を歴任。現在、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。

主な著書に、自伝「愛ひとすじに」(いのちのことば社)、「聖なる生涯を慕い求めて―ケズィックとその精神―」(教文館)、「真のキリスト者への道」(いのちのことば社)など。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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