【CJC=東京】イスラエルとパレスチナ自治区の間の抗争激化に国際社会は懸念を強めている。双方に停戦を求める圧力を強め、エジプトなど関係国が停戦努力を続けている。
イスラエル政府代表団が停戦協議のため11月18日、エジプトのカイロを訪問した。エジプトのムハンマド・モルシ大統領は、「ハマス」の政治指導者ハリド・メシャル党首や「イスラム聖戦機構」の指導者ラマダン・シャラハ氏と会談した。ただエジプト大統領府の声明は、会談が何らかの結論を導くものだったかについては言及していない。
エジプトのヒシャーム・カンディール首相は11月16日、パレスチナ自治区ガザに入り、同地を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ首相と会談、イスラエルによる占領継続を強く批判した。14日のイスラエルによる大規模空爆開始後、ハニヤ氏が公の場に姿を見せたのは初めて。ハニヤ氏は「革命後の新しいエジプトを象徴する訪問だ」とたたえた。
約3時間にわたる訪問の間もイスラエル軍による攻撃は続けられた。イスラエルは、カンディール首相の訪問中は全ての軍事行動を停止すると宣言したが、それにはハマスが同様に攻撃を停止するという条件がついており、結果として、砲弾の応酬は停止されなかった。
エジプト首相の訪問の目的は、イスラエルを批判しパレスチナ支持を誇示することではなく、イスラエル砲撃を停止するようハマスを説得することだったとの指摘もある。中東紛争のエスカレートや軍事衝突回避を目的としたものだ、という見方は、米国のバラク・オバマ大統領が、エジプト政府をハマスとの交渉における重要な仲介役と見なしていることからも出ている。オバマ大統領はモルシ大統領と対話を行っている。
ロシアも今回の危機が先鋭化することに危惧を抱いており、両当事者に攻撃を停止するよう呼びかけている。
国連の潘基文(パン・キムン)事務総長は18日、イスラエルとハマス双方に、停戦に向けてエジプトと協力するよう呼びかけた。
潘事務総長は、「エジプトが主導する即時停戦に向けた努力に協力するよう、私は全当事者に強く求める」と述べるとともに、自身も中東を訪問する予定であることを明らかにした。
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