【CJC=東京】世界正教徒の霊的指導者がギリシャ正教会に、同教会の1指導者の反エキュメニカル声明を非難する書簡を送った。ENIニュースが報じた。
「エキュメニズムに批判的な意見はギリシャ教会内部で長く聞こえてきた。これまでは抑制されたものだったが、最近では認められないレベルになっている」とコンスタンティノープルのエキュメニカル総主教バルソロメオス1世は指摘している。「そのような意見は、正教会の精神に反しており、苦痛と悲嘆とを招くものだ。広くは諸教会の一致に、特にわたしたち聖なる正教会の一致に、予期しない結果をもたらす危険を冒している」と言う。
「アテネと全ギリシャのイエロニモス大主教」に宛てた書簡で、バルソロメオス1世は、特にピレウスのセラフィム(メンツェロプーロス)府主教が、ローマ教皇、プロテスタント、ユダヤ教徒、イスラム教徒やエキュメニストを「呪われたもの」とした最近の声明に懸念を表明している。
正教会の日曜日にあたる3月4日の声明で、セラフィムは、「堕落した大異端」、教皇べネディクト16世、その同一教派に属する人々、また「宗教改革によって派生した全ての異端」、「ユダヤ教のラビとイスラム教徒」、「キリスト教内の、また諸宗教間の混交的なエキュメニズムという異端説を教える人」たちを呪った。
バルソロメオス1世は、イスタンブールに本拠を置くエキュメニカル総主教座とギリシャ教会が、世界教会協議会など超教派組織では「正教に対するエキュメニカルな証」として互いに支持し合う伝統があった、と言う。
正教徒でない人々についても言及して、「このような正当でない危険な声明を否定し、反対の行動を起こすよう促す。それらの声明は、「異端説」との双方向的、多角的な神学対話に参画するために、正教諸教会によって共同して採られた決定に反する」と指摘した。ギリシャでは憲法が正教を「主要な宗教」と認めており、宗教的少数派はしばしば、ギリシャで疎外されることに苦情を述べていた。
セラフィムの指摘は、テッサロニキのアリストートル大学教授陣からも批判された。教授陣は、ギリシャ教会総会に宛てた書簡で、「異なった宗教の人たちに対して出された1主教の正当な理由のない乱暴な攻撃から霊的、司牧的利益を識別したり推測することは不可能だ」と言う。
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