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トルコ訪問を終えローマ法王帰国へ、1000年ぶりの和解

2006年12月4日17時26分
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 トルコ訪問の全日程を終えたローマ法王ベネディクト16世は1日、イスタンブールからローマに向かった。同日午前にはイスタンブールで法王が宿泊するバチカン関連施設近くのカトリック教会でミサを行った。


 今回の訪問について、法王は、イスラム教と暴力を結びつけたと受け取られた9月の発言を念頭に「私たちは他の宗教を尊敬しなければならない」と述べるなど、イスラム教徒の反発を和らげることに腐心した。


 また、エルドアン首相との会見で「トルコの欧州連合(EU)加盟を望む」と発言。就任前にイスラム国との理由で加盟反対の考えを示していたが、EU加盟を求める東方正教会コンスタンティノープル総主教庁の意向も入れて立場を変えた。


 一方、ローマ法王ベネディクト16世は11月30日、イスタンブールで東方正教会のコンスタンティノープル総主教バルトロメオ1世と共同宣言を発表し、「欧州はキリスト教的ルーツや価値観を保ちながら連合しなければならない」と、欧州連合(EU)の精神的土台をキリスト教に置くべきとの立場を強調した。 トルコのEU加盟が論議される中、イスラム教徒が99%のトルコをどう扱うかについて宣言は微妙な影響を与えそうだ。海外メディアが同日伝えた。


 トルコを訪問中のローマ法王は前日夕、イスタンブールの聖ジョージ教会を訪れた。今回の訪問の目的は、東西キリスト教会の相互理解にむけて、さらに一歩交流を進めることにある。聖ジョージ教会では、総主教が「愛する兄弟よ」と呼び掛けると、法王は「ともに神に祈れることを幸せに思う」とあいさつし、両者は東西教会の一体感を強調した。


 訪問前には抗議運動の再燃も懸念されたが、厳重な警備もあって目立ったトラブルはなかった。

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