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田中時雄牧師(13)・・・昭和のリバイバルの光と陰

2010年6月23日13時33分
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田中時雄牧師+
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 中田重治全集は昭和50年に、いのちのことば社から発売されている全7巻があります。その第2巻の「序」で故・安藤仲市牧師は、第2巻の内容の主な部分は、戦前ホーリネス教会の分裂のきっかけとなったものとして理解している、と述べています。



 さらに、千代崎秀雄牧師は、この第2巻の巻頭に「聖書より見たる日本」の注として執筆を依頼され、コメントしています。中田監督の場合、やはり聖書によって時代の流れを超克した面と、それができなかった面があり、特にこの「聖書より見たる日本」においてその両面が顕著に見られます。そして本書が刊行された年(1933年)のホーリネスの分裂は、決して無関係ではないとされています。



 さて、回りくどくなりましたが、今回は中田重治監督のユダヤ民族に関しての立場がなぜ、リバイバル運動の中心にあった旧ホーリネスの分離分裂にまでなったのかを見ていきたいと思います。



 リバイバルが起きた翌年の11月に中田監督は、彼の心の中に長年温めていた考えについて大胆にあちこちで講演するに至ります。彼が受けた「光」は講演本文から、1903年頃から特に強く示唆されてきたことが分かります。イスラエルを救済するために、東方から日本がエルサレムへ向けて立ち上がっていくというものです。



 特に、黙示録7章2節にある「東より登り来たる天の使い」(文語訳)が日本民族そのものを指すとしました。そして、ついには昭和8年(1933年)に、本として発行されるや否や、版を重ねる好調な売上げとなっていきます。彼の考えの主旨は、1.日本民族の独自性と優秀性を説く、2.ユダヤ民族と日本民族の関係の立証に努め、それにより一種の選民思想を打ち立て、それに基づく使命感をホーリネス教会の中に徹底しようとすることが講演の目的であると述べています。



 中田監督は日本が国力隆盛を極めて海外飛躍し、欧米先進諸国を席巻するほどのものとなり、イスラエルを解放して助けることが日本の、神から与えられた使命であると説き明かしました。イスラエル回復のための祈りが、熱心に捧げられました。伝道熱心で、民族福音化のために全身全霊を込めて取り組んできた晩年の中田監督の胸中には、国内だけの伝道ではなく、アジア各地に伝道戦線が拡大され、南北アメリカ大陸にも及ぶホーリネス教会の勢いは衰えるところを知りませんでした。



 しかし、神の経綸という広い観点から見るときに、今は全力を挙げて祈る時であり、祈ることこそ我が群の使命であるという思いに捕らわれていくようになります。ただし、旧ホーリネスは出版のその年に分裂することになります。



 これは巷間指摘されていることですが、中田監督が自説を構築していく上で参考にした文献がいくつかあったことです。その一つは、小谷善一郎著『日本及び日本人の起源』とされており、著者も原書と復刻版を持っていますが、確かに講演の中で中田監督が参考文献として挙げているだけのボリュームがあります。その他にも、一般では、源義経が奥州平泉から武蔵坊弁慶らとともに間宮海峡を渡海してチンギス・ハーンになったとか、諸説云々の日本民族ルーツ探しが明治以来、綿々と続いていました。



 また、19世紀にイギリス中を席巻していた一つの大きなムーブメントがありました。当時のイギリスはビクトリア女王統治の大英帝国全盛時代で、その女王居城のバッキンガム宮殿の正面に堂々と看板を掲げていた団体がありました。英猶同祖協会という団体でした。英猶同祖論に立つこの団体は、イギリスの当時のあらゆる宗派の教職信徒から支持を受けて、失われたイスラエルの十部族はイギリスに渡来していて、我々はその子孫だという思想を、イギリスのみならず北米大陸へまで、伝播者を派遣して思想の拡大に奔走しました。



 それを提唱し始めたのはB・リチャードという人物でした。曰く、イギリスと合衆国は、十部族の中ではマナセ族とエフライム族に当たるものだと喧伝して歩きました。また、当時のイギリスの十部族論に関心を持つ者は、世界中に貿易などで進出していた先々で、そうした痕跡がないかをしらみ潰しに探索した時代でもありました。



 日本にも明治初期に貿易できていたスコットランド系のマックレオドは、日本の風俗習慣に十部族の面影を見出そうとして、本まで出版しました。その背景は、母国イギリスでブームであった十部族論の流れの一環であったことは言うまでもありません。



 こうしたイギリスの十部族論は、国力の衰退とともに現在ではほとんど影を潜めています。合衆国へも当時かなり影響が及んでいて、アングロサクソン系の教会では真剣に受け止められていたようです。19世紀末から20世紀初頭にかけて合衆国へ留学した者の中から、帰国後、日猶同祖を標榜する者が幾人も現われ、その多くがキリスト教徒でした。しかも大方、英猶同祖論の日本的焼き直し版というようなものでした。この説は日本の一般社会にも少なからず影響を与えていきました。



 しかしながら、冷静に見ていきますと、この日猶同祖論は英猶同祖論に驚くほど似ていることが理解できます。中田監督が、英猶同祖論から直接、間接的に感化を受け、導かれたのかどうかは定かではありませんが、少なくともアメリカやイギリスでの生活経験がある同氏ですので、なにがしかの影響があると考えた方が自然かも知れません。



 彼の教説のエッセンスは、前述した『中田重治全集第2巻』に詳述されており、その思想は誰でも接することが可能です。しかし、いくらか脱線したのではというのはともかく、異端的であるとの判断は慎重を期することが肝要かと思うのです。終末論はいつの時代も様々あるのですから。



◇



 田中時雄(たなか・ときお):1953年、北海道に生まれる。基督聖協団聖書学院卒。現在、基督聖協団理事長、宮城聖書教会牧師。過疎地伝道に重荷を負い、南三陸一帯の農村・漁村伝道に励んでいる。イスラエル民族の救いを祈り続け、超教派の働きにも協力している。

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