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津波真勇牧師「神さまの無条件愛に生きよう―赦しの奇跡の分かち合い―」(11)・・・和解のために奉仕する任務

2010年4月16日12時13分
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津波真勇牧師+
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 神は、キリストを通してわたしたちを御自身と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。(コリントの信徒への手紙二、5章18節)



 満開の桜が風に吹かれて舞い上がっている頃、A先生(外科医)は、人生の旅80年の「時間の制約」を離れて「永遠のとき」へと移され、天の故郷に旅立って行かれました。新約聖書ヨハネの黙示録に、こう記されています。「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである」(黙示録21章3〜4節)。前夜式、告別式、出棺式の後に続く「火葬前式」のときに導かれた御言葉です。



 お葬儀の司式を担いつつ、牧師としての召しを授かったことの責務を再確認しました。その責務とは「和解のために奉仕する任務」のことです。それは自分で見つけた奉仕ではなく、神さまから召し出され、和解の奉仕のために授かったキリストの使者としての務めなのです。葬儀において重要なことは、奉仕の務めを担う司式者の「言葉と行為」です。葬儀の務めを執り行う牧師は、委ねられた和解の福音の御言葉を通して神さまと和解を導きます。罪責を指摘し、悔い改めを迫ることが牧師の務めではありません。



 インターネットのブログ日記を通してお互いの思いを分かち合う機会が与えられていることは、神さまが技術者を通して実現してくださったインターネット社会の恵みです。それの実現のために、戦争悪を通して働く人間の悪知恵があります。医学も科学も、戦争に備えて進歩していく側面があるのは、何とも言いようのない人生の不条理です。



 とは言え、インターネットのブログ日記を通して、お互いに違う生き方、人生の「思いや考え方」を分かち合うことができます。中には、ご自分が気がついた事柄を短絡的に即断し、気がつかない(と思い込んでおられる)人を責める傾向の日記を書く方がおられます。例えば「神さまは愛です。あなた方は愛し合ってますか。なのにあなた方は裁き合っていませんか。それでもキリスト者ですか」という論法です。



 何かの神学書で知りましたが、それを「宗教の神経症化」と言うらしいのです。神さまの愛を語りながら、愛によって愛し合えない現実を裁いてしまう傾向は、よろしくありません。愛は多くの罪を覆うものだからです。



 かつて高校生の頃に信仰に導かれた私ですが、いつの頃からか、歳を重ねると共に人間が「赦された罪人」であることを実感するようになりました。だからこそ神さまの無条件愛に生き、赦しの奇跡を分かち合う和解の福音が必要なのです。



 大切な気づきは、先ずは自分に向けることです。自分の独善的な判断(基準)によって、気づかないと思われる他人さまに向けるものではありません。私たちは神さまの無条件愛を生き、和解の御言葉をもって罪の赦しを語るのであって、暴かれた罪を責め立てることは、私たちに許容された領域を超えてしまうことにもなりかねません。



 制度的には、この世の法廷があります。手続きに従ってこの世の法廷に委ねることです。神さまの無条件愛に生きる人は、神さまの御心を確信し、正しい裁きをしてくださる神さまの法廷にお委ねしましょう。



 実際、この世は分かることよりも分からないことのほうが多いものです。だから冤罪事件も起こってしまいます。赦しの奇跡の分かち合いは、素晴らしい気づきを示されたお一人ひとりが、和解のために奉仕する任務に生きることに他なりません。否定的な言葉を口癖のように使い続けると、いつの間にか否定的な感情に塩漬けされてしまうものです。



 神さまから委ねられた和解の福音の御言葉を通して、神さまの無条件愛に味付けされたお互いになって、赦しの奇跡を分かち合いたく願います。礼拝共同体の教会は、祈りと御言葉と霊的な歌によって、心から神さまをほめたたえることによって実現させていただくのです。



 再びA先生のことにふれますが、A先生が私を必要としていたのは、私がA先生と同郷の人間だからではなく、私が牧師だからです。初めて病室をお見舞いしたとき、そのことを確認しました。A先生も頷いておられました。ですから病室を訪ねてウチナ〜グチ(沖縄語)でおしゃべりをしてときを過ごすのが、私の務めではありませんでした。毎回、3分くらいの面談時間は、それは十分な会話のひとときでした。ご一緒に御言葉を味読し、そして祈りました。やがてお互いのために祈り合うようになり、ご一緒にイエス・キリストさまの御復活の命に与かる信仰を確認し合いました。



 ところで火葬場に向かう車中でのことです。お嬢さま(内科医)が車を運転しながら、こう言われました。「生前、父は桜の花が散る頃に逝きたいと話していました。そしてそのようになりました」。そこで私も、こう応えました。「満開の桜が風に吹かれて舞い上がっている頃ですね。散ってしまうのではなくね」。お嬢さま曰く、「そうですね」。



 私たちの人生は、「時間の制約」の中では唯一1回の人生です。だから「永遠のとき」に向かって神さまの無条件愛に生き、赦しの奇跡を分かち合いたく願います。



◇



 津波真勇(つは・しんゆう):1948年沖縄生まれ。西南学院大学神学部卒業後、沖縄での3年間の開拓伝道、東京での1年間の精神病院勤務を経て1981年7月、多摩ニュータウン・バプテスト教会に着任。現在に至る。著作に、「マイノリテイ(少数者)の神」(1985年)、「一海軍少将の風変わりな一生の思い出」(1990年)、「出会い」(齋籐久美・共著、1991年)、「讃美歌集・主よ来たりませ」(1993年)、「沖縄宣教の課題」(2000年)。作曲集CD「生命の始まり」(1998年)、「鳥の歌」(2003年)。

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