米首都ワシントンのホテルで25日夜(日本時間26日午前)に開かれたホワイトハウス記者協会主催の夕食会で発生した銃撃事件で、拘束されたコール・トーマス・アレン容疑者(31)とキリスト教の接点を、メディア各社が報じている。アレン容疑者は学生時代、学内のキリスト教団体に所属しており、父親は教会の長老の立場にあるという。また、犯行直前に家族に送った犯行声明にもキリスト教と関連する内容が記されていた。
米CNN(英語)がアレン容疑者のリンクトインの情報を基に伝えたところによると、アレン容疑者はカリフォルニア工科大学(通称・カルテック)に2013年から17年まで在学し、同大の超教派キリスト教学生団体「カルテック・クリスチャン・フェローシップ」(CCF)と、ナーフ(スポンジ弾を使う銃の玩具)のクラブに所属していた。CCFは、ホームページなどによると、聖書研究会や祈りと賛美の集い、キリスト教入門講座「アルファ」などを開催する、ごく一般的なキリスト教学生団体。
フランス24(英語)によると、アレン容疑者の父親であるトーマス・アレン氏は、トーランス・グレース合同改革派教会(カリフォルニア州)の長老として名簿に記載されている。事件翌日の26日、同教会は会堂前に警備員を配置し、日曜礼拝の参加者を入り口まで案内する一方、報道陣は遠ざける措置を取っていたという。
アレン容疑者は犯行の約10分前、1052語の犯行声明を家族にメールで送っていた。
犯行声明の全文を入手し公開した米ニューヨーク・ポスト紙(英語)によると、犯行声明は「ハロー、皆さん!」というカジュアルなあいさつで始まり、初めは、両親や同僚、生徒(アレン容疑者は大学受験予備校の講師をしていた)、ホテルの従業員ら、標的としていない人々への謝罪の言葉をつづっている。
その上で、政権高官を「最高位から最低位の順」に標的にすると表明。一方、米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は除外するとしている。シークレットサービスやホテルの警備員は、「必要な場合のみ標的」「可能な限り標的にはならない」などとし、ホテルの従業員や招待客は標的ではないとしている。その上で、「死傷者を最小限に抑えるため」に、貫通力の低いバックショット弾を選んだと説明している。
犯行声明には、想定される犯行への「異議」とそれに対する「反論」を列挙した箇所があり、その中には聖書の内容やキリスト教の教えに踏み込んだ記述も見られる。
「キリスト者として、(一方の頬を打たれたら)もう一方の頬を向けるべきではないか」という異議に対しては、「もう一方の頬を向けるのは、自分自身が抑圧されているときの話だ」として退け、「他者が抑圧されているとき、もう一方の頬を差し出すのはキリスト者の行いではなく、抑圧者の犯罪に加担すること」だと主張している。
また、「カエサルのものはカエサルに返しなさい」というイエスの言葉については、「米国は、特定の個人や複数の個人ではなく、法によって統治されている。代表者や裁判官が法律に従わない限り、誰もそのような違法な命令に従う義務はない」などと述べている。
夕食会に出席していたドナルド・トランプ大統領はCBS(英語)とのインタビューで、自身が標的だったと思うかとの質問に対し、「分からない」と回答。犯行声明を読んだとした上で、「彼(アレン容疑者)は過激化したように思いました。彼はキリスト者で、信者でしたが、それから反キリスト教的になり、大きく変わりました」「彼は恐らくかなり病んでいたのでしょう」などと述べた。


















