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安らかな謙虚さをもって―教派的伝統の尊重と日本基督教団形成― 関川泰寛

2004年8月16日21時08分
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−−安らかな謙虚さを持って−−

「良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいことか」(ローマ10・14)。御言葉を宣べ伝える者に対する祝福に満ちた聖書の呼びかけは、伝道者にとって光栄であり喜びです。伝道者とは、牧師だけに限りません。、三位一体の神の名によって礼拝からこの世へと派遣される者は例外なく、伝道する喜びを経験します。福音を聴いて洗礼を受けたすべてのキリスト者が伝道する使命を与えられています。

「信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことにより始まるのです」(ローマ10・17)。キリストの言葉を聞くとは、わたしたちが自分の言葉を沈黙させることを意味します。つまり、伝道者の喜びは、語る喜びであるとともに、神の御前に沈黙する喜びでもあります。

沈黙とは、言葉が無になった状態ではありません。わたしたち人間の言葉と霊がしずまって、神への信仰告白の言葉が響き始めるその瞬間です。

「わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。神にわたしの救いはある。神こそ、わたしの岩、わたしの救い、砦の塔。わたしは決して動揺しない」(詩編62・2〜3)

宗教改革者カルヴァンは、『詩編註解』の中で、詩編62編が語る沈黙は、「信仰者が立ち留まり、神の約束に依りすがり、そのみことばに耳を傾け、その命じられる所に恭順をいたし、心のうちで劣情をいっさい抑制するときの、安らかな謙虚さに他ならない」と述べています。「神こそ、わたしの岩、わたしの救い…」と告白する信仰の言葉は、「安らかな謙虚さ」の中から発せられます。信仰を告白する言葉の前では、わたしたちの騒がしく自己中心的な言葉は沈黙します。

日本基督教団にあって改革長老教会の伝統を継承しつつ、伝道と教会の形成を目指すわたしたちは、「安らかな謙虚さ」を保ちつつ、ますます祈りと力を合わせたいと願います。

伝道の喜びを分かち合いましょう。教会の形成の労苦を担いましょう。今までより一歩進んで、沈黙の中から語り始めましょう。

わたしたち信仰者は、沈黙して神に向かうとき、わたしたちを変えるものは常に神の言葉だけであることを知らされます。信仰者の交わりである地上の教会もまた、常に神の言葉によって改革されます。

わたしたちの教会の中で、神の言葉が人間の騒がしい言葉にかき消されていないでしょうか。「神学的な言葉」もまた人間の思いつきと修辞に終始してしまうこともあります。

改革長老教会の伝統を意識的に継承し、教会と教団形成を目指すわたしたちは、神の言葉の前で沈黙し、祈り続ける共同体であることを止めてはなりません。神の言葉の前で沈黙することにより、人々の前では、「安らかな謙虚さをもって」大胆に語る者とされます。復活の主によって派遣され、生命を賭してまで福音宣教へと赴く者とされるのです。どのような困難に直面しても、教会を造り上げ、形成していく勇気を持っのです。戦いすら厭わず、決してあきらめないのです。しかも、すべてのキリスト者の生活と営みは、聖霊の導きのもと、神のご支配を信じて行われるのです。

−−日本基督教団の危機−−

改革長老教会協議会は、日本基督教団の中にあって、改革長老教会の神学的伝統を継承しながら、各地域に伝道協力の組織や地域の長老会議形成をめざしてきた運動です。すでに、9回の全国協議会を重ね、毎回100前後の諸教会から牧師、長老を含めて300〜400名の出席者が与えられています。この協議会の評価や最近の動向、そして教団にあって改革長老教会協議会を形成することの意義については、季刊『教会』前号(二〇〇四年三月、五四号)の井ノ川勝牧師のすぐれた巻頭言を御覧下さい。

わたしがここで主張したいことは、改革長老教会協議会の諸教会が、日本基督教団の本当の危機を今こそ改めて自覚すべきだということです。確かに、教団の会議が正常化し、各委員会の構成は劇的に変化し、教師検定の基準が明示されるといった、新しい事態を教団は迎えています。一つ一つの変化には、数知れない人々の戦いの労苦と祈りがあったことも事実であります。そして、それらの変化を造りだすために、わたしたちもまた積極的に関与し、支持と支援を行ってきました。わたしたちの努力が実ったゆえに、教団の危機は去ったかのような印象を多くの人々、教会は持つかもしれません。

しかし、わたしは教団の変化と変革を喜びとしながらも、教団の将来の歩みへの危惧と不安をなお持ち続けています。伝道の不振、受洗者の減少、青年会や日曜学校の衰退。伝道者の不足など、目に見えるかたちの問題だけではなくて、教団の諸教会に「安らかな謙虚さ」が失われつつあるところに大きな危機を感じるのです。信仰者が伝道と教会の形成へと押し出されていく際に、真の「沈黙」を失っていないだろうかという不安も持ち続けています。カルヴァンが『詩編註解』で示した言葉には、改革長老教会の伝統を表すとともに、すべてのプロテスタント教会の信仰者が共有すべき優れた霊性が含まれています。「神の約束に依りすがり、そのみことばに耳を傾け、その命じられる所に恭順をいたし、心のうちで劣情をいっさい抑制するときの、安らかな謙虚さ」であります。もし教団が「正常化」の過程でこの謙虚さを失うなら、教団はこれまでとは違った危機に直面していると言えないでしょうか。一言で述べるなら、神の言葉への畏れゆえに沈黙して、まず神の言葉に耳を傾けることをしない危機です。その結果、語るべき福音に対する確信の喪失、教会形成の見取り図の混乱、教会の信仰告白や職制に対する無理解…など数え上げればきりがないほどの教団形成の根幹を決するような神学的問題が隠され、教団形成の成果と功績だけが語られるようになります。

−−教派的伝統の尊重と教団形成−−

日本基督教団の危機を克服するためには、教団の教憲前文にある「わが国における三十余派の福音主義教会およびその他の伝統をもつ教会は、…おのおのその歴史的特質を尊重しつつ聖なる公同教会の交わりに入るに至った」という文章の神学的な検討を「謙虚」に行うことが求められるでしょう。「歴史的特質」とは、明らかに教団成立以前の各教派的な伝統のことです。教団はその出発点から、教派的な伝統を捨象するかたちではなくて、「尊重する」かたちをとったということです。教派的伝統を尊重しつつ、「聖なる公同教会の交わりに入るに至る」という決意によって成立したのが教団です。したがって、改めて「公同教会」の概念を共有することも必要です。

教派的伝統を尊重することは、公同教会を破壊することにはならないのです。むしろ、教派的伝統の尊重が、必然的に聖なる公同教会形成に向かいます。明らかに「公同教会」とは、わたしたちが信じるべき普遍的正統的な教理に土台を据えている教会のことです。いわゆる明治期の「公会」のことを指しているのではありません。ここから、日本基督教団が、「公会主義」の理想を具現化したものであるという類の主張は、もはや共通の議論の前提とはなりえません。「公会主義」への復帰が真の合同教会の実現となるというような歴史的センスを欠いた主張が正々堂々とまかり通るなら、それこそ日本基督教団の深刻な危機がすぐそこにまで来ていると言わねばならないでありましょう。

しかし、教派的な伝統の尊重は、旧教派に回帰するということではありません。各教派が尊重してきた礼拝の慣習、形式、信仰者の生活等についての考え方は言うまでもなく、信仰告白理解や信仰告白と職制の結びつきなど教団形成の根幹に関わる事柄においても、教派的伝統を生かしながら、教団形成がなされるべきです。教憲教規の遵守とこれら諸伝統の保持は決して相矛盾するものではなく、ときに諸伝統相互の折衝は新しい伝統を生み出す可能性を持ち、またときに教憲教規の枠組みの中で諸伝統を保持する新しい道の探求へと駆り立てるでしょう。

教派的伝統を強く意識する諸教会も、反対にそれらが希薄になって「教団の教会」として自己形成をしてきた諸教会も、一緒になって教憲教規がどのようなかたちで、諸伝統を包合できるものとなり、教派的伝統を殺すのではなくその多様性と豊かさを生かす教団になりうるかを模索するところにわたしたちの重大な課題があるのです。教派的伝統を尊重するための議論は、教派的な解体には決して終わらないということをわたしたちはしっかりと認識すべきです。その際、改革長老教会協議会の諸教会の一貫した立場は、信仰告白理解に現れます。全国協議会の申し合わせにそのことは明示されています。

関川泰寛牧師(東京神学大学教授・十貫坂教会牧師)

(本文:季刊「教会」2004年夏季号)

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