「もううんざりだ」 パキスタン教会の議長、復活日に起きた自爆テロに嘆く

2016年3月30日20時55分 記者 : 行本尚史 印刷
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パキスタン東部の都市・ラホールで復活祭の主日に70人を超える死者と300人を超える負傷者が出た自爆テロを受けて、パキスタン教会の議長であるサミュエル・アザリア主教は、パキスタンが限界点に達していると述べた。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が29日に報じた。

公園で爆弾が爆発し、少なくとも72人が殺され、300人を超える人々が負傷した。犠牲者の多くは女性と子どもたちで、タリバンの分派であるジャマートゥル・アフラルがこの自爆テロの犯行声明を出し、この襲撃の標的は復活祭を祝うキリスト教徒だと述べた。

キリスト教徒が襲撃の標的だと言われた一方で、この爆弾は無差別であり、キリスト教徒よりもイスラム教徒のほうがもっと多く死傷したと理解されている。死亡者数は今後増加すると見られている。

爆発が起きたグルシャン・エ・イクバル公園はラホール最大の公園の一つ。週末には通常、訪問者たちでいっぱいになる。ところが、27日(日)は、パキスタン教会が「異常なラッシュ」と表現したほど、同日の夜は「数多くのキリスト教徒が復活祭を祝うために現れたために」、群衆がもっとにぎやかであった。

アザリア主教は、この襲撃直後に病院を訪問して、負傷者たちを慰めては彼らのために祈り、状況を分析した。復活日の夜遅くに録画されたビデオメッセージで、同主教は「一部の負傷者たちは非常に危篤状態です」と語り、「私は幼い子どもたちや女性たち、老人たちに個人的に会い、見かけてきました。彼らの一部は意識不明です。中には私たちの教会や私たちの教区の人たちもいます。それはとても、とても悲劇的で悲しい出来事です」と付け加えた。

ジャマートゥル・アフラルが犯行声明を出す前に録画されたこのビデオで、アザリア主教は「私たちは、これがどんな特定の集団ないしどんな特定の共同体をも標的としていたとは言えません。しかし、それが混沌や混乱、恐怖、そして心配を国民の間に生み出すことを目的としていたことは確かです」と語った。

同主教はこう続けた。「どうか私たちを覚えて祈り続けてくださいますように、そしてこの復活祭の時―死と墓に対するキリストの勝利の祝祭―が、この瞬間に入院している私たちの民にとって意味のある、そして慰めとなる経験になりますように。神が私たちを祝福し、そして主イエス・キリストの平和が私たちの間に行き渡りますように」

パキスタン教会は、聖公会、長老派、メソジスト、そしてルーテル派をまとめる合同教会である。アングリカン・コミュニオン(全世界聖公会)に加盟しているだけでなく、同教会は改革教会世界共同体や世界メソジスト協議会にも加盟している。

フェイスブックに投稿された発言の中で、アザリア主教は、このようなテロ攻撃は「キリスト教徒とイスラム教徒の間の平和と調和の関係をもたらそうとする闘いや努力を弱め傷つける」と述べた。

アザリア主教は、「これらの非人間的なテロリストたちが自らをイスラム教徒であると見なし、そしてこのような野蛮な行為を行うことによって、彼らの信仰共同体のイメージを傷つけていることは、不幸なことです。このような文脈の中では、この少数派(テロリストたち)を特定し、黙らせて除去することが、私たちの多数派であるイスラム教の共同体の兄弟姉妹たちの主な責任です」と述べた。

「この少数派は本当のイスラム教徒だと主張しては、イスラムの教えに反してもっぱら行動しており、これは解決すべきです」と同主教は語り、こう問い掛けた。「非難の声明文や聖書からの引用だけでは十分ではありません。私たちは国民として『もううんざりだ』という限界点に達したのです。どれだけさらに多くの軟目標(注:人間、トラック、普通の建物など、防護されていない軍事目標のこと)が犠牲にならなければならないのでしょうか?」

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