プロ車椅子バスケットボール選手・野澤拓哉さん “車椅子は神様の贈り物”

2014年10月20日23時52分 インタビュアー : 守田早生里 印刷
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+プロ車椅子バスケットボール選手・野澤拓哉さん “車椅子は神様の贈り物”
プロ車椅子バスケットボール選手の野澤拓哉さん。小中学校で講演会も行っている。
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東京都内の人が多く行き交う駅の真ん中で、野澤拓哉さんを待っていた。車椅子で現れるであろう野澤さんは、この歩いて進むのでさえ困難な人ごみの中、段差も多い駅の構内をどうやって進むのだろうか。「もっと別の場所で待ち合わせればよかった」と後悔したが、時間に遅れることなく、そしてさほど苦労した様子もなく現れた野澤さんに少々驚いた。

野澤拓哉さんは、プロの車椅子バスケットボール選手だ。現在は、地元富山県のチームで、2016年にブラジル・リオデジャネイロで行われるパラリンピックの日本代表選手の一員になるべく練習を重ねている。現在29歳。バスケットボールは中学生のとき、友人に誘われて始めた。それまではチェアスキーなどもやっていたが、徐々にバスケットボールに夢中になっていったという。

車椅子の生活になったのは6歳のとき。まだ保育園に通っていたときだった。それは、その年頃の男の子なら誰でもするような悪ふざけをしていたときだった。友達に体をぐるぐる回わされて、抱きかかえられていた腰のあたりでブチッと音がなったような感覚が体に伝わった。しかし、駆けつけた病院では、救急車で運ばれた患者ではないため何時間も待たされた。次第に痛みはなくなったが、同時に感覚もなくなっていった。総合病院で検査を受け、そのまま入院。医者は、両親に「脊髄梗塞」と診断名を告げた。

天井をただ見つめる日々だった。体も思うように動かない。ベッドから起き上がることもできない。しかし両親は、「必ず治るから」とリハビリを強く勧めた。まだ幼かった野澤さんは、「両親が『治る』と言うのだから、治ると思った」と話す。一年後退院。小学生になった野澤さんは、友人たちに「もうすぐ歩けるようになるから、待ってて」と話し、友人たちと走り回ったり、運動をするのを楽しみにしていた。普通の子どもたちがするように、普通に学校生活を送りたい。
それだけだった。

しかし、何カ月経っても、何年経っても、歩けるようにならない。小学4年生くらいのときに、「僕はきっと一生車椅子の生活なんだ」と思った。そして、友人たちに「ごめん。僕の足、もう治らない」と告げた。「友達に嘘をついていたように感じたから、謝った」とその時のことを話した。

元々スポーツが好きだった野澤さんはチェアスキーを始め、その後に車椅子の友人に誘われ、バスケットボールの練習に顔を出すようになった。千葉県の大学に進学。千葉県にある全国屈指の強豪チームにも所属した。その頃、ジュニア世界大会に出場。決勝戦まで勝ち進み、強豪米国のチームを前に屈することとなったが、「良い経験をした。あの頃のメンバーでまた世界を目指したい」と話す。

大学在学中に研修先の施設の職員に誘われて初めて教会へ。「どこか神聖な場所だと感じました。教会の皆さんは、本当に優しかった。居心地のよい場所だと思った」とその時のことを話した。やがて千葉県内の教会で受洗。

「僕は、受洗してからも熱心に教会に通ったり、奉仕をしたりしているわけではないと思います。でも、いつも心の中にある御言葉があります。『しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた』(ヨハネ1:12)は、暗唱聖句で覚えて以来、心にある聖句です」と話す。

プロ車椅子バスケットボール選手・野澤拓哉さん “車椅子は神様が与えてくれた贈り物”
2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックを目指し日々トレーニング。苦楽を共にするチームメイトはかけがえのない存在だ。

2012年には、トレーニングでチェアスキーをしているときに大事故に遭う。「もう何もかも終わったと思った。このまま死んでしまうのではないかとさえ感じた」とその時のことを話す。しかし、奇跡的に事故の後遺症もなく回復。神様に守られた瞬間だった。

「僕の足は動かないけれど、『車椅子』は神様が僕に与えてくれた贈り物だと思っています」と笑顔で語る。彼の笑顔を見て、思い出さずにはいれなかった御言葉があった。

「弟子たちがイエスに尋ねた。『ラビ、この人が生まれつき目が見えないのは、だれが罪を犯したからですか。本人ですか。それとも、両親ですか』イエスはお答えになった。『本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである』」(ヨハネ9:2〜3)

クリスチャンアスリート・野澤拓哉さんの挑戦は、これからもまだまだ続く。

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