人生を導き教会を生かすレビ記通読の手引き(10) 宮村武夫牧師

2014年6月2日19時01分 コラムニスト : 宮村武夫 印刷
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レビ記8章

(1)レビ記8~10章の内容と流れ

8~10章は、祭司が整えられて行く任職に焦点を合わせる場面で、出エジプト記29章と深くかかわります。つまり、8章1節の「ついで」は、内容的には、出エジプト28章と29章に結びます。その2章では、主なる神が求める礼拝の形と礼拝を司る祭司について細かく教えています。

ところが32章に描く金の子牛の事件が起こり、本来なら40章に見る幕屋が完成しささげられた時、アロンは祭司としての役割を果たすべきですが、それを果たしていないのです。出エジプト記32章に見る挫折(ざせつ)を経験したアロンは、ただ主なる神の憐みと救いにより立てられる以外に道はないのです。

祭司の任職の規定も、祭司たちに対する一方的な憐みにより立てられているのを見ます。こうして、幕屋といけにえだけではなく、生ける人格としての祭司自身も聖別され、その役割を担い得るのです。

(2)8章の分解

8章は、大きく二分できます。1~3節、主なる神がモーセに命令。4~36節、命令された通りに従って行く。礼拝とは、主なる神の命令に従い、恵みに応答する歩みです。

モーセに与えられた命令は、二重。
①2節、アロンにかかわること。
②3節、全会衆にかかわること。

祭司と全会衆は、切り離せない関係。祭司は主なる神に立てられていると同時に、全会衆にも認められる必要がある。また民が選んだだけでなく、主なる神に任命される者なのです。

(3)6節、聖別

任職に当たり、祭司は全身を洗うのです。単に人間アロンとしてだけでなく、祭司として選び分かたれて働きに専念して行く事実を強調しています。

6~9節では、6節の「水」がカギのことば。10~13節では、「油」について繰り返し。幕屋と祭壇、さらにすべての用具に、そしてアロンに油を注ぐのです。

(4)14節、罪祭

祭司も、主イエスの贖い以外に立ちえない。レビ記とヘブル人への手紙が深く結びつきます。

(5)18節、全焼のいけにえ・献身

祭司は、一方では一人の罪人として、主イエスの贖いによってのみ立たされる者。同時に祭司は、全く主なる神にささげられる者なのです。

このようにして、祭司は自分の姿をもって民のあり方を示します。

(6)22節

「次に、彼はもう一頭の雄羊、すなわち任職の雄羊を連れ出した。アロンとその子らはその雄羊の頭の上に手を置いた」

18節の全焼のいけにえは、22節の任職にかかわるのです。

(7)23、24節

右は力を表す。耳は聞き、手は行う、足は歩みと、全身・全機能をささげて行く事実を示しています。主なる神に聞き従い、主なる神の御心を行うのです。

初穂が全収穫を、主の日が週日を代表するように、一部をもって全体を表します。

同様に、祭司が民を、イエラエルの民がすべての民を代表し、生き方の模範をもって主なる神のみ旨に従い使命・役割を果たすのです。

「あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである」(出エジプト記19章6節)

(8)祭司、油と血

「それから、モーセはそそぎの油と、祭壇の上の血を取り、それをアロンとその装束、彼とともにいるその子らとその装束の上に振りかけて、アロンとその装束、彼とともにいるその子らとその装束を聖別した」(30節)

アロンとその子らの美しい装束に振りかけられ、ダラダラと流れる油と血、凄まじい姿。キリストの十字架の血によってのみ立地、一歩進みうる私たちの姿を重ね見ます(参照・エレミヤ7章23~31節)。

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、『哀歌講解説教 哀歌をともに』、『ルカの福音書 味読身読の手引き①』以上クリスチャントゥデイ、など。

■外部リンク:【ブログ】宮村武夫牧師「喜びカタツムリの歩み」

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