【CJC=東京】米サンフランシスコ連邦控訴裁判所(連邦高裁)は2月7日、カリフォルニア州憲法で、同性婚を禁止する修正案を可決した住民投票の結果について、合衆国憲法に違反するとの判決を下した。下級審の判決を3対1で支持したもの。
カリフォルニア州では2008年6月に一時、同性婚が許可されたが、当時の州政府の方策により同年11月、同性婚を禁じる「プロポジション8(提案8号)」を巡る住民投票が実施された。これに対して同性婚の支持者らが、提案は違憲と主張し、連邦地裁に提訴。連邦地裁は10年、この主張を認める判決を下し、反対派が控訴していた。
今後、同性婚反対派の上訴が予想され、連邦最高裁で最終判決が出されるまで同州の同性婚禁止条項は有効で、今回の判決ですぐに同性愛者の結婚が可能になるわけではない。
ただ最高裁はカリフォルニア州内のみの問題と判断し、訴えを却下する可能性もある。その場合は事実上、今回の高裁の見解が最終判断となる。
同性婚をめぐっては長年、米国を二分する議論となっている。これまでに同性婚を合法化している州は、コネティカット、アイオワ、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、バーモント、ニューヨークの6州とコロンビア特別区(ワシントン)。
CNNテレビなどが昨年9月に実施した世論調査では、米国民のうち同性婚を認めるべきだと答えた人が53パーセントと、反対派の46パーセントを上回った。
同性婚を合法化する州が増えていることに、宗教界は懸念を強めている。教会が同性カップルの結婚式受け入れを拒むなど、同性婚を通常の結婚として取り扱わなかった場合、「差別」と訴えられる可能性もある。
1月12日、福音派やカトリック、ユダヤ教、モルモン教など、39組織の代表者が連名で、同性婚合法化は信教の自由侵害につながると警告する公開書簡を発表した。
宗教界の懸念は、すでに慈善活動などに支障が出始めたことで深まっている。カトリック慈善団体「カトリック・チャリティーズ」は、同性婚合法化によって一部の支部で養子縁組事業からの撤退した。事業継続には同性カップルにも養子縁組をしなければならず、それは教義に反するからだ。
また、同性カップルに結婚に準じる法的権利を与える「シビル・ユニオン」(市民間結合)を認めているニュージャージー州では、メソジスト教会が「結婚式」を挙げたいとする同性カップルへの施設貸し出しを断ったところ、差別されたとして、州から免税資格を取り消されている。
ニューメキシコ州では、キリスト教者カメラマンが同性カップルが愛を誓う「誓約式」の撮影を拒否したところ有罪となり、約7000ドル(約54万円)の支払いを命じられた。
ただ米聖公会など同性婚を認め、同性カップルの結婚式を行っている組織もあり、教派により反応もさまざま。
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